1963年7~12月に発表された短編13編が収められている。597頁
①逃げの小五郎
②海仙寺党異聞
③死んでも死なぬ
④沖田総司の恋
⑤彰義隊胸算用
⑥槍は宝蔵院流
⑦浪華城焼打
⑧弥兵衛奮迅
⑨最後の攘夷志士
⑩四斤山砲
⑪桜田門外の変
⑫菊一文字
⑬英雄児
すべて「幕末」もので、長編「竜馬がゆく」や「燃えよ剣」などと並行して執筆された。同氏の最も旺盛な創作時期を代表する作品群と言えよう。
印象に残ったのは、新選組随一の青年剣士の内面に迫った「④沖田総司の恋」や緊迫感にあふれる「⑪桜田門外の変」など。