光カートリッジで演奏する音を聴いてみたいと思っていた。
幸い、懇意にしているオーディオ店の骨折りで、メーカーから試聴機を借りることができた。
光カートリッジは、レコードの溝をトレースする針の振動を光の強弱に換え、これを音楽(電気)信号として取り出す仕組みを持つ。
つまり、カートリッジの前方からLED照明を当てて置き、針の振動を(これに取りつけた)遮光幕の動きに替え、結果生じる光の変化をフォトダイオードで読み取って電気信号にする。
従って、カートリッジを(特性を補償する)イコライザーアンプに接続すると、写真でご覧のように、カートリッジの頭に明かりがともる(LEDが点灯する)。
こうして出て来る音の何と軽やかなことか!
まるで、秋空をトンボが飛び回る印象なのである。
従来の磁気式カートリッジの音とは一味も二味も違う、言わば異次元の音と言って良い。
ただ、この音が果たして(溝に刻まれた)原音を忠実に再現するものなのか、また、より感動を生むものなのか、もう少し聴いてみなければと思った。