オーデイオ的にとても難しい曲。
曲趣は、オーケストラとパイプオルガンとのコラボなのだが、相手はモンスターのように大きく、実態のはっきりしない音源なので、これをうまく録音すること、逆に、録音された音源をうまく再生することが極めて難しい。
とは言え、オーケストラをバックにパイプオルガンが吠えまくるという楽曲が他にないので、あれこれやってみるのが現実だ。
拙宅には、この曲を収めたレコードが6枚あるが、それぞれ再生してみると、どれも帯に短したすきに長しでツボにはまるものがない。
その中にあって、ピアニストが本業のダニエル・バレンボイム氏がシカゴシンフォニーを振ったこのレコードが、オーディオ的に優れているので録音してライブラリーに加えた。
レコードの制作過程で、オーケストラとオルガンを分けて録音し、それらを編集してひとつに纏めたのがオーディオ的に成功したものと思われる。いずれにせよ、第2楽章後半の怒涛のような両者のコラボは聴きごたえ十分である。
収録曲
サンサーンス 交響曲第3番 ハ短調 作品78 「オルガン付き」
演奏
シカゴ交響楽団 指揮:ダニエル・バレンボイム、オルガン:ガストン・リテール
録音
1975年5月 オーケストラパート(メディナ寺院~シカゴ)、同年6月 オルガンパート(シャルトル大聖堂~パリ)