映画「長恨歌」

玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋を描いた白居易の「長恨歌」。
（話題の「連理の枝」はこの「長恨歌」の一節より）
それと同じ冠を付けたこの映画は、香港のスタンリー・クワン（關錦鵬）の最新作で舞台は第二次世界大戦後の上海。一人の女性を軸に彼女の巡る運命、そし戦後から現代へ変わる上海を描いています。

美術はウィリアム・チャン（張叔平）。ウォン・カーファイ（王家衛）にかかせない人ですね。やっぱり美しい。雑貨や衣装ひとつひとつが洗練されているんですよね。これで主役がマギーだったら、本当にウォン・カーファイの世界。
でも、主役はサミー・チェン（鄭秀文）。きれいなんですよ。きれいなんですが、なにかが足りない。自分の運命を前にして、すごく緊張する瞬間であろう時なのに顔のアップを見ても、なにを考えてるのか分からない。ぼーっとしてる、ように見えて・・・。
ストーリーはある女性の男性遍歴。裏切られても裏切られても愛する人を求め、そして最後には・・・。
楊貴妃のように心から信頼し、そして愛してくれる人を求めてはいるんだけど結局はそのような相手とは巡りあえないのです。
何故このタイトルなんでしょうか。
監督は「女性と上海の街が主役の物語」と語ったそうですが、それが答えですか？

とは言っても、中文字幕で見たのでかなり分かってない部分がありますけどね。


共演はレオン・カーフェイ（梁家輝）、フー・ジュン（胡軍）、ダニエル・ウー（呉彦祖）。レオン・カーフェイが主人公のそばにずっといるのに思いが伝わらない、伝えられない情けない男を好演しています。
この映画をDVDで見た理由は、上海歌謡～テレサ・テン（麗君）の中国流行歌曲が使われているから。
そして、使われているのは「千言萬語」。フェイが94年のコンサートで歌った曲ですね。もうすぐ、テレサの命日です。