月曜、東京に残った理由は、
日舞市川流襲名披露公演。
日舞を習っていまして、入門した弟子ではなく生徒として通ってるので満足に踊れる曲なぞありませんが、なんせこの7月で9年目。
教室に入ったときに「海老蔵さんの結婚式に行くのでお稽古休み」とおっしゃっていたので、その時には影も形もなかったお子さんが襲名ですよ。
そうそう弟子でもないのに先生に團十郎さんと日舞を習ってるひとの食事会があるけど参加しないか?と声をかけていただいたのに三万円という金額聞いてびびって行かなかったことを未だ後悔してます(それは東京でのパーティだったらしい)。
ですので、先生にええ席で、とチケットを頼み、そんなに見えかたが変わらない少し安い席もとれるがどうしますか?と聞かれたときも「いえ、こんなことそうそうないからええ席で」と返答しました。
そんなわけでシアターコクーンにやってきました。14000円のお席は前から6列目。出してよかったええ席の料金(ただし、しばらく先生に会えてないので借金なう)。
思えば、海老蔵さんの結婚のあとは、暴行事件、お子さんの誕生、團十郎さんの死、麻央さんの死と喜び事のあとに悲しいことが続いた成田屋の9年。
海老蔵さん曰く、父祖父と短命だったが市川家の女性が悲願の三代襲名を達成してくれた、とのこと。
そして、口上の愛らしい新ぼたんさんのお顔に涙が出ました。並んだ海老蔵さんと翠扇さんの目と違うくりくりした眼差しはお母さん譲り。
弟カンカンくんも「玉兎」を披露。先生が子どもの頃に踊ったことがあるとおっしゃっていたやつだなぁと思ってみてました。
そして、圧巻は最後の「京鹿子娘道成寺」。新ぼたんさんのニュースばかりでしたが、この襲名披露の軸は翠扇さん。長丁場で早替えやアクロバティックな動きのある踊りを美しく。これだけでも満足でしたが、最後に兄海老蔵さんが花道のない劇場で通路を通ってでてきました。
道成寺は鐘の上に乗って終わりかと思っていたら、花子は蛇体になり、それを押さえるための荒事が続いていたのです。大館左馬五郎というキャラクターが大きな衣装、でかい太刀を挿し、青竹を片手に持ちすぐそばの通路を歩く姿に口が閉まらない。これは押し戻しといって超人的な力で厄を払うことに繋がるんだそう。
蛇体の翠扇さんとスーパーヒーローの海老蔵さん、兄妹が対峙するラストに気がついたら涙がでてきました。
ああ、ええもん見たなぁ。
一、長唄『寿式三番叟』
紅梅改め市川壽紅
ぼたん改め市川翠扇
市川海老蔵
二、能楽舞囃子『高砂』
特別出演:片山九郎右衛門
特別出演:梅若紀彰
特別出演:観世喜正
特別出演:亀井広忠
他
※公演日により、出演者が異なります。
三、『口上』
市川海老蔵
紅梅改め市川壽紅
ぼたん改め市川翠扇
麗禾改め市川ぼたん
四、上 清元『玉兎』
堀越勸玄
下 長唄『羽根の禿』
麗禾改め市川ぼたん
五、長唄『京鹿子娘道成寺』
ぼたん改め市川翠扇
特別出演:西川箕乃助 ※出演3~7日
特別出演:花柳寿楽 ※出演3~7日
市川海老蔵