ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

カンタベリー・ロック特集21 Gilgamesh おもちゃ箱をひっくり返したようなジャズ・ロック

2023-07-13 15:59:42 | カンタベリー・ロック
カンタベリー・ロック特集、久々に再開です。
で、今回はギルガメッシュ。
還暦前後の方なら、「ギルガメッシュないと」というテレビ番組を思い出す人もいるかもしれませんが、全く関係ありません。

さて、ギルガメッシュというバンドは故Alan Gowenを中心に結成されたジャズ・ロック・バンドで、1972年にロンドンで結成されました。2枚のスタジオアルバムを残していますが、今回は1975年発表のファーストアルバムから、何曲か紹介いたします。

この作品のメンバーはAlan Gowen(k)、Phil Lee(g)、Michael Trais(d)、Jeff Clyne(b)。
ハットフィールド・アンド・ザ・ノースのデイブ・スチュアートが共同プロデューサーということで、なんか雰囲気が似ています。
フュージョンのような、ロックのような、ジャズのようなという感じが共通しているのでしょう。
でも、こっちの方が遊び心が強い感じがします。
予想がつかない展開はちょっとスリリング。シリアスだったり、コミカルだったりして、その辺が個性ですね。

組曲である「One end More/Phil's Little Dance/Worlds of Zin」は聴いていて、日本の四人囃子の「ゴールデン・ピクニックス」を思い出しました。不思議なことに同じころの作品です。へんてこりんな曲なんですが、後半のギターソロの部分は日本人が好きな叙情性に溢れていてけっこう聴き入っちゃいますね。

Gilgamesh - One end More/Phil's Little Dance/Worlds of Zin



Notwithstanding

「Notwithstanding」はかなりジャズっぽい。ポップではないし、アヴァンギャルドでもない。でも、冒険的なサウンド。遊び心のあるジャズ・ロック。 


Gilgamesh - i. We Are All ii. Someone Else's Food iii. Jamo And Other... [320kbps, best pressing]  

この組曲「i. We Are All ii. Someone Else's Food iii. Jamo And Other...」はまさにカンタベリー・ロック。演奏が凝っている。
ジャジーだったり、ポップだったり、けっこう楽しい。
その中でも、ロバート・フィリップ的ギターが主張するところが結構強烈。
こういうギターが入ると、混沌とした雰囲気になる。
クリムゾンと違うのはリズムセクションやキーボードが軽い。アンサンブル重視なんですね。


このファーストアルバム。ハットフィールドの作品のように、決め手にかけるところはあるけど、奇妙な個性が魅力です。
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カンタベリー・ロック特集21 ソフト・マシーン、フュージョン化路線継続「Softs」

2022-11-05 16:31:24 | カンタベリー・ロック
久々にカンタベリー・ロック特集です。
ソフト・マシーンの歴史をたどってきましたが、今回でソフト・マシーンは最後です。1976年発表、名作と言われる9作目「Softs」。

メンバーは
ジョン・マーシャル:ドラムス、パーカッション
カール・ジェンキンス:キーボード。マイク・ラトリッジ脱退に伴い、キーボードに選任
ジョン・エサリッジ:ギター、元ダリル・エイズ・ウルフです。
アラン・ウエイクマン:サックス、リック・ウエイクマンの従兄弟。
ロイ・バビントン:ベース
ゲストとして、
脱退したマイク・ラトリッジが3曲目と4曲目でシンセサイザーで参加。

超絶技巧ギタリスト、アラン・ホールズワースが脱退後、加入したジョン・エサリッジもテクニシャンでした。そして、今回の作品もフュージョン志向。
全体的に聴きやすくなっていますが、変な曲も入っていて、何だこれは?という部分もあります。そこが、彼ららしい。ポップになりきれないんですよね。
ジョン・エサリッジのギターはアラン以上に上手いんですけど、アランほどの存在感はありません。だから、バンド・サウンドの一部には収まっています(でも目立つところは目立ちます)。とにかく、前作の音楽性の延長線上のようであるんですが、また違った個性を発揮しているというところに魅力を感じる作品です。


まずは、2曲目の「The Tale of Taliesin」をご紹介しましょう。
この曲は強烈です。フュージョンというよりロックのインストという印象が強い。静と動の対象が聴きどころ。怪し気なメロディのピアノによるリフレインが続いたあと急変して(3分過ぎ)、激しいインタープレイになるところは驚きです。炸裂するジョンのギターは明らかにロック。前任者に劣らない速弾きには圧倒されます。ゲイリー・ムーアに通じる限界を究めるような音数の多いプレイかな?ただし、速弾きはすごいけど、メロディ・ライン的にはおもしろくないかも。まあ、好みですけど(笑)。
激しい音の後、またスローな展開へ。
曲としてわかりやすいのは前作同様ですね。

The Tale of Taliesin


次に「Song of Aeolus」を紹介します。
メロウなギター・フュージョン・ロックです。まるで、ゲイリー・ムーアかジェフ・ベックのようです。メロディアスで過去のソフト・マシーンから想像できない音です。かなり感傷的な曲で、日本人好みですね。

Song of Aeolus


最後にもう1曲。「 One Over The Eight」です。
まさに、おしゃれなフュージョン。こういう曲でアルバム1枚を作らないところが、ソフト・マシーンでしょうね。
メインはサックス。アレンジが凝っていて気持ちいい。
曲の長さ、展開が秀逸。

Soft Machine - One Over The Eight


この特集でのソフト・マシーンの歴史は一応終了です。
カンタベリー・ロック特集はまだまだ続きます。
よろしければ、また覗いてみてくださいね。
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カンタベリー・ロック特集20 ソフト・マシーンの大変貌!Bandlesのアランの速弾きに夢中!

2022-09-23 20:03:31 | カンタベリー・ロック
1975 - Soft Machine - Hazard profile part 1

ソフト・マシーンの8作目。1975年の作品。
メンバーは
Roy Babbinngton ベース
Karl Jenkins オーボエ、ピアノ、エレピ、サックス
John Marshall ドラムス、パーカッション
Mike Ratoledge オルガン、エレピ、シンセ
Allan Holdsworth ギター

ずーっと、ギターレスバンドでやってきたのに、なぜかギターを導入しました。しかもスーパー・ギタリストであるアラン・ホールズワース!!

ソフト・マシーンというバンドは7作目までは、大衆受けを狙わないバンド、すなわち非ポップであることを標ぼうしていたような気がします。
いわゆるとっかかりにくいサウンドで、マニア向けの音楽でした。
ここ日本では、メロディ的なものが弱いということからか、同じカンタベリー系でもキャラヴァンほど人気はなかったと思います(ヨーロッパでは、逆にキャラヴァンより人気があったらしいですね。日本人の方が印象的なメロディにこだわるのかも。)。
ところが、この「Bandles」で、ソフトマシーンは変貌しました。ギター導入というかアラン・ホールズワースの参加はかなり強烈でした。
ずばり、大衆受けするサウンドになってしまいました。
初期からのファンは驚愕したと思います。「難解だったソフト・マシーンを素人のロック・ファンが聴いてしまう。これは許しがたい。」と思ったかも(笑)
曲の傾向は従来のソフト・マシーンの流れを汲みながらも、あきらかに一般人が聴きやすいフュージョンに進化したことに加え、アランにギター弾きまくりを許したことによって、聴き手を大幅に増やしたであろうことは想像に難くないと思います。
日本のロック・ファンはハード・ロックのファンを中心にギターの速弾き大好きっていう人種が多く、この作品に夢中になったギター・マニアも多いのではないでしょうか?
とにかく、恐るべきアラン・ホールズワースのテクニックが堪能できる作品で、1曲目のこの曲で、勝負あり!って思います。
まあ、他のメンバーも凄腕で、曲を作っているのも他のメンバーが多いのですが、やはりアランが目立つ部分に引き込まれます。
私は、彼の速弾きの部分になると、耳をそばだててしまいます。実にかっこいい。もう、ハード・ロックと同じ聴き方ですね(笑)。

それにしても、癒されるジャケット・デザインです。これも好み。

この作品は3作目などを愛する人からみれば、疑問符が付く作品かもしれません。
でも、スーパー・ギタリストが縦横無尽に弾きまくる音楽としては傑作です。
繰り返しますが、アランの速弾きは痛快です。
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最近のシンクレアさん。ここ日本でカンタベリーは続く。 Our World - Dave Sinclair & Yammy*

2022-08-14 08:35:27 | カンタベリー・ロック
カンタベリー・ロックのレジェンドといえば、デイブ・シンクレアとリチャード・シンクレア。従兄弟の関係です。
実は二人とも、祖国イギリスを飛び出してしまいました。
リチャード・シンクレアはイタリアに移住したんですが、デイブ・シンクレアはここ日本に移住。
ツアーで来て、すっかり気に入ったようです。
デイブはイギリスで、子育てを終えた後奥さんと離婚し、日本の京都に来たんです。
さらに瀬戸内海の弓削島に移住。二回り下の日本人女性と結婚しています。
音楽活動もマイペースでやってます。
彼の人柄どおりやさしさ溢れる音楽を創造しているようですね。

そんな最近の彼の動画を見ましょう。
日本の女性ヴォーカリスト、Yammyとの共演2曲です。

Our World - Dave Sinclair & Yammy*

Island Of Dreams - Dave Sinclair & Yammy*  

あったかい音楽ですねー。




そういえば、福島県出身で、京都を拠点に活動している、このYammyさん、
なかなか素敵な歌手ですね。今まで知りませんでした。
デイブとは関係ない曲ですが彼女の感動的な曲も紹介しましょう。
デイブが彼女の声を気に入ったのがわかります。
名曲です!
Yammy - 君のもとへ
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カンタベリー・ロック特集19 ライブの大傑作 Caravan & The New Symphonia

2022-08-13 14:44:30 | カンタベリー・ロック
1974年発表です。
前回、ご紹介した「CUNNING STUNTS」の前の作品というか「夜ごと~」の後のライブ作品です。メンバーは「夜ごと~」と同じ。
オーケストラのニュー・シンフォニアとの共演ということで、毛色の変わったライブです。
これが、すごいんです!見事に融合したサウンドはダイナミックそのもの。
70年代前期、オーケストラと共演するロック・バンドは多く、話題になることも多かったんですが、この作品はその中で、かなり高いレベルにあると思います。
CD化にあたって、バンドだけのライブ部分も収録されたようですが、やはり聴きどころはオーケストラとの共演部分。
評判なのは4作目「ウォータールーリリィ」からの「瞳の中の愛」と、セカンドアルバムからの「フォア・リチャード」ですね。2曲とも名曲なのですが、ダイナミックさが増しています。実にかっこいい!

Caravan & The New Symphonia - The Love in Your Eye

For Richard (Live At The Theatre Royal, Drury Lane, 28th Of October, 1973)  



そして、もう1曲紹介しましょう。
新曲の「Virgin On The Ridiculous 」。次作の「CUNNING STUNTS」につながる甘く可愛いメロディには思わず微笑んでしまいます。
初期のビージーズを思い出してしまいますね。
ただ、この曲はそれだけで終わらず、やはりダイナミックに展開するんです!
何せオーケストラが入っているから、迫力があります。
そして、デイブ・シンクレアの素晴らしいキーボード・ソロ!実に素晴らしい!名曲です。6分過ぎのところは感動的ですね。

Virgin On The Ridiculous (Live At The Theatre Royal, Drury Lane, 28th Of October, 1973)  




さて、カンタベリー・ロック特集はまだまだ続きます。
次は久々にソフト・マシーンです。
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