未だに現存して、世界トップレベルのヘヴィ・メタル・バンドとして存在感を誇示するイギリスのバンド、Judas Priestが12月に来日公演を行います。
それを記念して、彼らの歴史をたどっていきたいと思いました。
まずはデビュー作ですね。
彼らのデビューは1974年9月、 イギリスでデビューしました。
作品は「Rocka Rolla」。
写真を見てわかるように、コカ・コーラとロックを組み合わせたダジャレのようなタイトルであるところに、デビュー時の彼らの不安定さが表れているような気がします。
日本では、大ヒットしたセカンド・アルバムの後に発売されたと思うのですが、あまりにもセカンド・アルバムに比べて、地味であったために、メディアからはほぼ無視されたような記憶があります。
デビュー時のメンバーは今でもライブでパフォーマンスを披露しているロブ・ハルフォード(V)、イアン・ヒル(B)、そして、現在はライブではパフォーマンスができなくなり、曲作り等で貢献しているグレン・ティプトン(G)、そして、脱退して別のバンドを結成したK.K.ダウニング(G)、そして初期のメンバージョン・ヒンチ(D)。
プロデューサーはブラック・サバスやバッジーを手掛けたロジャー・べイン。
1974年と言えば、イギリスではあのクイーンが「クイーンⅡ」で圧倒的な派手なハード・ロック・サウンドをロック界に提示した年。
イギリスのハード・ロックについては、基本的なハード・ロックはピークを過ぎ、新たな展開をハード・ロック・ファンたちが期待していた時期であったはずなのに、
どういうわけかJudas Priestのデビュー作は、非常に地味だったのです。
翳りのあるイギリスのハード・ロックというのは魅力的ではあるものの、ちょっと古い感じに仕上がっていました。
まずは、アルバムのタイトル曲を聴いてみましょう。
Judas Priest - Rocka Rolla (BBC Performance)
この映像は、1974年から1975年頃と思われます。ロブがロング・ヘアであるのが彼らの若さを証明しています。
この曲、「Rocka Rolla」は後の彼らのサウンドにつながるものがありますし、キャッチーなところもありますが、強烈な存在感を示すものはなく、ちょっと残念な出来だったかなと思います。
アルバム全体も、そんな印象で、渋いブリティッシュ・ハード・ロック作品というイメージです。
ブラック・サバスの音が近いような気がしますが、全体的に音がしょぼく、力強さがかけていますね。
ただ、このたび、バンド側が権利を握っていたガル・レコーズから権利を買い取り、名プロデューサー、トム・アロムによるリミックス&リマスターが施され、2024年11月に発売される模様です。
音質の改善を期待しています。
まあ、かなりのファンではないと、このファースト・アルバムを聴く機会はないと思いますけど(笑)。
もう一曲、アルバムのトップの曲をご紹介します。
ハード・ロック・バンドのリーダー・トラックとしては、当時としても、
かなり渋いですねー。
まあ、彼らのアルバムを全作品聴くような私だと、けっこう楽しめるのですけど(笑)。
歴史的なバンドに成長する前の、プロトタイプの時期だったと割り切って聴くと、いろいろ発見があって面白いものです。
Judas Priest - One for the Road
さて、1年後に発表されるセカンド・アルバム「運命の翼」で、彼らはいきなり、表舞台に飛びだしてきます。
ここ日本では、熱狂的に迎えられました。
その辺は次回の話ということで・・・