まず、初期ホワイトスネイクのオリジナル・メンバーで重要な役割を果たしていたバーニー・マースデンが2023年8月24日に72才で逝去され、天国へと旅立ったことを事実として受け止め、ここでご冥福をお祈りいたします。
彼の作ったメロディや心に残るギター・ソロを私は忘れないでしょう。
私の青春とともにあった彼の数々の名演は、今後私の人生が続く限り、ともにあります。R.I.P.
さて、セカンドアルバム、「ラブ・ハンター」です。
前作に感じたアダルトなハード・ロック路線は維持しているものの、だいぶパープル時代の音に近づけてきたなって感じた作品です。
メンバーは前作と同じですが、レコーディング完了後は、ドラマーのデイヴ・ドウルが脱退し、イアン・ペイスが加入。6人のメンバーのうち3人がディープ・パープルとなりました。パープル時代は後から入ったデヴィッドがこのバンドではバンマスとなり、先輩たちを使うという立場に変わりました。
なんかバンドメンバーの下克上のような感じです。やはり、後輩でも売れそうな人物に集まってきちゃうという流れですね。
結局、このアルバムでも、彼らはブレイクはしなかったというのが当時の印象です。根強いパープル系のファンが支持していましたが、「ちょっと地味だなあ」というのが、一般ロック・ファンの空気だったと記憶しています。
イギリス本国でもそんな空気だったような。
彼らが、ステップアップするのは、「フール・フォア・ユア・ラヴィング」のヒットからですね。もうちょっと時間が必要でした。
でも、このアルバムには絶対的な名曲が3曲入っています。
その3曲を聴くだけでも、このアルバムには価値があると思います。
最初にご紹介したいのが、「 Walking In The Shadow Of The Blues」。
まずギターのリフが素晴らしい。二本のギターが分厚い音を作っていて、曲を盛り上げていきます。それに絡むジョンロードのオルガンが彩を加えているのもなかなかいい。
もちろん主役であるデヴィッドの男らしいヴォーカルがいい味を出しているのは間違いありません。特に低音が魅力。
ギター・ソロはバーニー・マースデン。難しいことはやってないのですが、実にメロディアスで起承転結のあるドラマティックなソロを構築しています。職人技ですね。
Whitesnake - Walking In The Shadow Of The Blues
次にご紹介するのが、アルバムタイトルソング「ラブ・ハンター」。
この曲で、デヴィッドは男の色気を押し出すセクシー・ヴォイスを連発してます。好き嫌いはあるでしょうけど、私は支持します。
確か、スライド・ギターはミッキー・ムーディかな。重要な役割ですね。
曲の展開も飽きさせない感じで、後半の盛り上げ方は実に見事。
コーラスもパープル時代にはなかったものです。
Whitesnake - Love Hunter
最後に、もう1曲紹介するのが神曲「Wish you well」。
ホワイトスネイクのライブが終わったあとに、会場に流れる短い曲です。
見事な余韻を残します。
ホントに短い曲なんですが、心にささりますね。ちょっとアメリカンなメロディかなぁ。
もっと長い曲にすればよかったのにと思いつつも、これはこれでいいかなとも思います。この「ラブ・ハンター」というアルバムを引き締める見事な名曲なのではないでしょうか?
歌詞が素敵です。
相手を思う気持ちが短い歌詞に凝縮していますね。
亡くなったバーニーに捧げたいし、ロックを好きなすべての人に捧げたい曲でもあります。
自分に贈られた曲と思ってもいいですね。
Whitesnake - We Wish You Well