ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

Judas Priest の原点「Rocka Rolla」 1974年 

2024-09-23 16:12:40 | metal
未だに現存して、世界トップレベルのヘヴィ・メタル・バンドとして存在感を誇示するイギリスのバンド、Judas Priestが12月に来日公演を行います。
それを記念して、彼らの歴史をたどっていきたいと思いました。
まずはデビュー作ですね。

彼らのデビューは1974年9月、 イギリスでデビューしました。
作品は「Rocka Rolla」。
写真を見てわかるように、コカ・コーラとロックを組み合わせたダジャレのようなタイトルであるところに、デビュー時の彼らの不安定さが表れているような気がします。
日本では、大ヒットしたセカンド・アルバムの後に発売されたと思うのですが、あまりにもセカンド・アルバムに比べて、地味であったために、メディアからはほぼ無視されたような記憶があります。

デビュー時のメンバーは今でもライブでパフォーマンスを披露しているロブ・ハルフォード(V)、イアン・ヒル(B)、そして、現在はライブではパフォーマンスができなくなり、曲作り等で貢献しているグレン・ティプトン(G)、そして、脱退して別のバンドを結成したK.K.ダウニング(G)、そして初期のメンバージョン・ヒンチ(D)。
プロデューサーはブラック・サバスやバッジーを手掛けたロジャー・べイン。

1974年と言えば、イギリスではあのクイーンが「クイーンⅡ」で圧倒的な派手なハード・ロック・サウンドをロック界に提示した年。
イギリスのハード・ロックについては、基本的なハード・ロックはピークを過ぎ、新たな展開をハード・ロック・ファンたちが期待していた時期であったはずなのに、
どういうわけかJudas Priestのデビュー作は、非常に地味だったのです。
翳りのあるイギリスのハード・ロックというのは魅力的ではあるものの、ちょっと古い感じに仕上がっていました。

まずは、アルバムのタイトル曲を聴いてみましょう。

Judas Priest - Rocka Rolla (BBC Performance)

この映像は、1974年から1975年頃と思われます。ロブがロング・ヘアであるのが彼らの若さを証明しています。
この曲、「Rocka Rolla」は後の彼らのサウンドにつながるものがありますし、キャッチーなところもありますが、強烈な存在感を示すものはなく、ちょっと残念な出来だったかなと思います。

アルバム全体も、そんな印象で、渋いブリティッシュ・ハード・ロック作品というイメージです。
ブラック・サバスの音が近いような気がしますが、全体的に音がしょぼく、力強さがかけていますね。
ただ、このたび、バンド側が権利を握っていたガル・レコーズから権利を買い取り、名プロデューサー、トム・アロムによるリミックス&リマスターが施され、2024年11月に発売される模様です。
音質の改善を期待しています。
まあ、かなりのファンではないと、このファースト・アルバムを聴く機会はないと思いますけど(笑)。

もう一曲、アルバムのトップの曲をご紹介します。
ハード・ロック・バンドのリーダー・トラックとしては、当時としても、
かなり渋いですねー。
まあ、彼らのアルバムを全作品聴くような私だと、けっこう楽しめるのですけど(笑)。
歴史的なバンドに成長する前の、プロトタイプの時期だったと割り切って聴くと、いろいろ発見があって面白いものです。

Judas Priest - One for the Road

さて、1年後に発表されるセカンド・アルバム「運命の翼」で、彼らはいきなり、表舞台に飛びだしてきます。
ここ日本では、熱狂的に迎えられました。
その辺は次回の話ということで・・・

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STAND UNITED / FIREWIND 2024年3月

2024-04-06 13:59:18 | metal
FIREWIND - Salvation Day (2023) // Official Music Video // AFM Records

ギリシャ出身のギター・ヒーロー、ガスGが率いるパワー・メタル・バンドの作品も10作目となりました。
現在のメンバーはギターのガスG以外は
ヴォーカルがドイツ出身のハービー・ランガンズ
ベースがベトロス・クリスト(出身国不明)、
ドラムがベルギー出身のヨハン・”ジョー”ニューンツと国際色豊か。
このバンドには以前スリランカのヴォーカルもいましたね。

今年5月に来日も予定されています。この最新作を聴いて準備している人は多いと思われます。

ガス・Gの本名はコンスタンティノス”コスタス”カラミトロウディスという名前で、まるで、世界史に出て来るギリシャやローマの時代の人の名前のようですね。世界の人に知ってもらうために、短いニック・ネームにしたのでしょう。
ギリシャの中央マケドニア地方の出身だそうです。アレクサンダー大王を思い出します。

このバンドは1998年に結成され、ここ日本では安定した人気を誇ります。
典型的パワー・メタルで、古くはディープ・パープル、ブラック・サバスに始まり、ジューダス・プリーストあたりが今でもやっているストレートな印象をもつ正統派王道メタル(そう思っているのは日本人だけだと思います。アメリカあたりだと全く違う笑)ですが、個性があまり強くないところが特徴でしょうか?
ガスGのギターはソツがなく、十分うまいのですが、印象に残りにくいんですよね。例えば、スラッシュのギターなんか聴くと、その強烈なフレーズが頭に突き刺さってくる感じがあるんですが、彼にはそうしたものがないと言った感じです。
となると、作品の質で勝負となります。

そこで、この作品です。
見事に質の高い作品を作ってくれました。

まずご紹介した作品はアルバムのリーダー・トラックである「Salvation Day」。典型的なパワー・メタルなんですが、まず、イントロがいい。そして、メロディに起承転結があって、説得力がある。フックのあるアレンジが秀逸。バランスが取れた曲です。


次にご紹介するのは、私がこのアルバムのベスト・トラックだと思うこの曲「 Destiny is Calling 」です。サビの部分が気持ちい。
歌心あるメロディの展開や乗れるリフ、盛りだくさんのフック、そして何よりハービーの実に気持ちいい歌いっぷりが素晴らしい。

FIREWIND - Destiny is Calling (2023) // Official Music Video // AFM Records



もう1曲ご紹介します。「Chains」です。
ややスローな曲ですが、歌メロとヴォーカルが素晴らしい。そして乗れます。
LIVEの時には盛り上がり間違いなし。
ロニー・ジェイムズ・ディオが逝去してしばらくたちますが、こういう素晴らしいメタル・ヴォーカルを聴くと、後継者がいるなーと安心してしまいます。

Chains




器用貧乏といった感じのギター・ヒーロー、ガスGですが、レベルの高いヴォーカリストと組めば、彼がメタルに求める歌心が十分に表現されるんだと思った充実作・会心作の10作目でした。


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Jupiter「Theory of Evolution」 2018年8月

2024-02-03 15:18:59 | metal
私は、別にビジュアル系のファンではありません。
そしてXのファンではありません(でも、ハード・ロック、メタルのファンです。)。
歌舞伎の女形が好きなわけではありません。
ニューハーフ好きでもありません。
ましては、宝塚のファンでもありません。

でも、お蝶婦人(巻き髪で昭和のスポ根アニメ「エースをねらえ」を思い出しました笑)のような女形ギタリストのHIZAKIさんのギターを弾いている姿をみると、たまらなく美しく、かっこいいと思うのです。
そのHIZAKIさんがかかわるバンドの曲で、最もかっこいいと思うのがこの曲。
X的なメロディというか、まさにメロディがはっきりしている昭和歌謡的なメロディ展開で、これは、中高年の心に響くのではないか感じます。
大げさなイントロもツボにはまります。
そして、「速弾きキャバ嬢」と言われるHIZAKIさんの、超かっこいい演奏姿に目が行ってしまいます。私的には「キャバ嬢」というより「フランス人形」といった印象で、まさに「ギターを弾きまくるフランス人形」!
ビジュアル系のミュージシャンは星の数ほどいても、彼ほど美しいというかメイクをすると完璧に女性顔になる人はいない(と思います。当社調べ。)。
Jupiter「Theory of Evolution」MV FULL



彼がかかわるもう一つのバンド、ヴェルサイユでのHIZAKIさんも、素晴らしい。何と言っても、衣装が豪華!
ひらひらのドレスで、絶対弾きにくそうなのですが、見事なパフォーマンスをしています。
そして、シンフォニック・メタル的なサウンドは欧米のバンドに全く引けをとらない超絶なテクニカル演奏で、かつ哀愁のメロディがあり、すごく気持ちいい。
日本語ロック、正解だと思います。
Versailles / MASQUERADE [Official Music Video]



ヴェルサイユからもう1曲。
まさに昭和的なメロディがツボにはまります。
歌謡メタルとしか言いようがありません。
でも、このメロディは中高年には深く心に響くんですよね。
HIZAKIさんの色っぽさと可愛さとカッコよさが溢れたパフォーマンスも堪能できます。
もちろん、ギターの相方のTERUさんのテクニカルなギターも魅力的。
彼の演奏姿も、けっこうツボにはまります。

Versailles / DESTINY -THE LOVERS- [Official Music Video]  



普通の女性ギタリストにしか見えないソロプロジェクトでの演奏姿も、なかなか魅せます。
やはり、メロディラインが日本的で、さすがHIZAKI様ですね。
メタル好きの私ですが、このメロディラインを聴いているだけで、感動が溢れてきます。
メイク、衣装と言った艶やかな女形姿と、日本的な哀愁のメロディを操り演奏するテクニカルな面が合わさって、彼を唯一無比の存在にしているのではないでしょうか?
応援していきたいと思います。
HIZAKI - 「Lily」 LIVE CLIP

 

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この曲からパワーをもらう! Metallica: Lux Æterna (Official Music Video)

2023-01-02 09:08:32 | metal
Metallica: Lux Æterna (Official Music Video)

メタリカのニュー・アルバム『72シーズンズ』 が4月14日発表です。
パワーで押しまくるこの曲は新作からのファースト・シングル。
勢いありますね!
メタル界というか、ロックの世界の大物で、60才前後の彼らですが
この曲に老いは感じません。
かつて彼らの代名詞であったスラッシュ・メタルという感じではなく、
メロディとクラシック・ロックのグルーブを感じるシンプルなスピード・ハード・ロック。
これはこれで、かっこいいと思うのです。
ほぼ同世代の彼らに新年から刺激を受けてしまいます。
まだまだ老け込みたくありません。
彼ら同様、パワーを発揮できるように、頑張りたいと思います。

新作楽しみです!


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北欧のベテラン・メタル・バンドの会心の16作目 Stratvarius 「Survive」

2022-11-26 06:06:43 | metal
今回はメタルの話。
フィンランド出身のベテラン・メタル・バンドの最新作(今年9月発売)の「Survive」が現在の私のヘビロテ作品。
この作品、けっこうネットで好評で、多くのブロガーが傑作ということで、レヴューしています。だから、わざわざ私がブログに載せることもないかなとも思いつつ、やはり好きだから載せることにしました。
このバンドは日本のメタルマニアにとても人気があるので、ちょっと調べればネットにわんさか情報があります。ウンチクについては他の人に任せます。

私がちょっと感動したのは、デビューして30年以上たつのに(しかもお家騒動もありました)、いい作品を作り上げたこと。
ベテラン・バンドはいっぱいいますけど、なかなか若い時の作品を超えたり、それに並ぶ作品を作るというのはできないのが常識なのに、頑張ったんですね。

この作品は何といっても、メロディがいい。メロディラインの展開がいい。CDの帯に「これをメロディック・パワー・メタルの傑作と言わずして何と言う」と書いているが、まさにその通り。アルバムの帯って、信用できないことがあるんですが、この作品は当たっています笑。曲のフックが見事で、アレンジも緻密に練られている。まさにベテランバンドの叡智が詰まったような作品。

まず、ご紹介するのは、バラード調のこの曲、「Breakaway」。
メロディのよさは、この曲に象徴されます。
日本人が大好きな、甘く、哀愁のあるヴォーカル・ラインです。
こういう曲が好きな日本人は多いと思うのです。
ずばり、エイジアのようですけど。アレンジも大げさだし。

Breakaway


次にはアップ・テンポのこの曲、「Demand」。
これぞストラトヴァリウス!という疾走感があり、乗れる曲です。
アップテンポでありながら、メロディがゆったりしていて、メロディを楽しめるというのが、このバンドのいいところ。ギター・ソロ、キーボード・ソロもツボを押さえまくりです。オールド・ファンなら、レインボーあたりを思い出すかも。

Stratovarius - Demand (NEW SONG 2022)


純粋なメタル・ファンならパワー&スピードのあるこの曲がお気に入りかも。
でも、メロディはきちんとしています。起承転結がはっきりしていて、日本人が最も納得できるメロディ・ラインです。メタルの曲って、演奏が素晴らしくても、ヴォーカルの声やメロディ・ライン、特にサビの部分でがっかりということがあるのですが、この曲は全然違う。素晴らしい。間奏も完璧。ティモ・コティペルトの歌唱は見事の一言。
Glory Days

 
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