- 四人囃子 LIVE FULL HOUSE MATINEE 一触即発
70年代初頭の日本のロックを続けましたが、最後のトリをかざるのは、やはりこのバンド、四人囃子!
当時、20歳前後の若者がすごい音を作り上げた。
確か1974年だったようだったと思う。
動画は1989年頃の再結成コンサートの模様であるが、彼らもまだ若く、20世紀の偉大の曲の息吹を感じることができる。
いまは亡き佐久間正英や2代目ギタリストの佐藤ミツルもオリジナルメンバーとともに演奏しているのが、ちょっと印象的だ。
それにしても、このバンドのことは多分一般の音楽ファンは知らない。
一般に音楽を聴いている若い音楽ファンは、日本の音楽なら第一次アイドルブームのアイドルに夢中になっているか、井上陽水や吉田拓郎に象徴されるフォーク、ニューミュージックと呼ばれた荒井由美などに夢中で、こんなマニアックな日本のバンドは知らなかったと思う。一般的な知名度はなかった。
洋楽を聴くロックファンも、日本のロックを聴く人間はほんの一部だけであり、雑誌などで扱われる日本のロックはどちらかというと、シュガーベイブやはっぴいえんどのような、先鋭的なポップロックだったような気がする。
(ただし、私が当時愛読していたミーハーロック雑誌「ミュージックライフ」における年間人気投票において、日本のロックバンドの1位2位はこの四人囃子とチューリップで争っていた。記憶は曖昧だが、一位が四人囃子であったと思う。アルバム部門では、1位がチューリップのテイク・オフで2位が一触即発だったような気がする。知名度はロックファンの間ではもしかしたらあったのかもしれない。)
じゃあ、誰がこのバンドを偉大なバンドとして支持したのだろうか。
バンドをやっていた中高生、大学生だと思う。
海外バンドを夢中にコピーしていた当時の学生のアマチュアバンドの連中は、自分たちとさほど年齢が変わらない四人囃子の完成度の高い演奏と独自の音楽性に驚愕した。
ピンクフロイドに似ているとか、パープルの要素があると言われたが、すごいオリジナル度だ。20歳前後の若者、それも日本人がつくった曲とは信じられない高度なロック!演奏も超うまい!
歌詞がまたすごい。
「あーあ、空が壊れる、あーあ音もたてずに、あーあ、ああ、あーあ。」
当時日本を席巻していた光化学スモッグのことを歌ったのか、それとも自然災害のことを歌ったのかわからないが、とても意味深だった。
それにしても、ロックが単なるポップスではない、不思議なエネルギーを持つ音楽であったことを思い起こしてしまう強烈な作品で、日本のロックの金字塔と呼びたい作品である。