ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

David Coverdale の足跡を辿る 第3回 アルバム「Come Taste The Band」から Comin' Home

2022-10-15 17:25:32 | David Coverdale の足跡を辿る
Deep Purple - Comin' Home (2010 Remastered Edition)

1975年発表ですね。
リッチー・ブラックモアが脱退して、トミー・ボーリンが参加してあか抜けた感じ?になったアルバムからです。
芸がないのですが、1曲目のトラックのこの曲を選びました。
意外にも、Davidが一人で歌っています。よくグレンが我慢したなと思います。
コーラスでは歌っているとは思いますけど、グレンの声かどうかわからないくらいのレベルです。
それにしても、この曲、ソウルフルです。前アルバムまでは、基本はクラシックの影響を受けたハード・ロックがパープルの持ち味としてあったのですが、
このアルバムの曲は総じて、ファンキーでソウルフル。
それが、実にDavidに合っています。彼の声が実に生き生きしていると感じるのです。
そして、アレンジが豪華。この辺はトミー・ボーリンやプロデューサーのマーティン・バーチの力かもしれません。時代性を考慮して、ファンキーなハード・ロックを追及した結果なのでしょう。まあ、リッチーはこの路線が嫌いで、脱退したのですが、聴き手としては十分ありのサウンドです。
ディープ・パープルでのDavidの仕事はこれで完成したような気がします。

次回は、1977年の初ソロアルバムを取り上げます。
やっと、一般人が聴かない(知らない)David の 売れない時代に突入です。まあ、マニアにとっては、渋さがたまらなく魅力的な時代でもあります。 
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David Coverdale の足跡を辿る 第2回 アルバム「Stormbringer」から1曲「Soldier of Fortune」

2022-10-15 17:12:53 | David Coverdale の足跡を辿る
Soldier of Fortune

Davidが参加したパープルの2枚目のアルバム「Stormbringer」からは、この曲。1974年の作品です。
やはりリッチー・ブラックモアとの共作ですね。
アコースティックな曲で、パープルの曲としては珍しいアレンジの曲です。
当時の日本でのタイトルが「幸運な兵士」なんですが、多くの和訳や意訳をチェックすると、そんな意味ではなさそうです。
「悲しき傭兵」、「悲しき兵士」といった感じの方が合っていそう。
とにかくうまくいかないよって歌っているようで、前回ご紹介した「ミステリーテッド」と似たような感じですね。3分ほどの短い曲ですが、このアルバムではけっこう存在感を放っています。
思い入れたっぷりのバラードで、Davidが情感に訴えるタイプのシンガーであることがわかる曲ですね。
メロディ的には、やはりリッチーの色が濃くて、なんとなく、Rainbawの「キャッチ・ザ・レインボー」の旋律を思い起こさせます。このようなメロディラインの曲はこの後のDavidのソロやホワイトスネイクには出てきません。リッチーとの共作だからこそ生まれた曲ですね。

次回は「カム・テイスト・ザ・バンド」から1曲選びます。
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David Coverdale、Whitesnake の足跡を辿る 第1回 アルバム「Burn」から1曲

2022-10-08 21:01:33 | David Coverdale の足跡を辿る
Deep Purple - Mistreated 1974 Live Video Sound HQ

David Coverdale、1951年9月22日生まれ、イングランドのノースヨークシャー州出身。1973年にディープ・パープルのオーディションに参加。ビートルズの「イエスタディ」を歌ったところ、リッチーに気に入られて合格。それまでは、ブティックの店員をしながら、アマチュア・バンドをやっていたらしい。

バンドサイドはポール・ロジャースっぽいヴォーカリストを求めていて、実際にポール・ロジャースにもアプローチしたみたいですが、結局はオーディションで決定したんですね。
アマチュア・シンガーが、いきなり世界のトップ・バンドのリード・ヴォーカリストとなったんですからすごいことです。
シンデレラ・ボーイというのはまさにこういうことなのでしょう。
新メンバーとして、デイヴィッドとグレン・ヒューズを入れて録音した「Burn」はファンに好評となり、そして1974年のカリフォルニア・ジャムでは、見事なパフォーマンスを披露します。

以上、デイヴィッドのデビュー時の簡単な説明をさせていただきました。

現在、このブログではカンタベリー・ロック特集をやっていますが、デヴィカヴァ特集も少しづつやっていきたいと思います。
なぜかというと、私はホワイトスネイクの全スタジオアルバムをCDで所有しているからです。
こんなにCDを持っているのに、ちゃんと振り返らないなんてもったいないと考えたわけですね。
ホワイトスネイクは最初から好きだったわけではありません。最初はディープ・パープルの残党が地味にやっているなあっていう感想でした。
でも、自分が参加した学生バンドで、「フール・フォア・ユア・ラヴィング」を演奏したことをきっかけに好きになります。
彼のヴォーカルの低音の良さに気づいてしまったのです。

で、まずは、デビュー作である「Burn」から、1曲だけ、「Mistreated 」を取り上げます。
なぜ、この曲を取り上げる気になったかというと、このアルバムにおいて他のヴォーカル入りの曲はグレンとのツイン・ヴォーカルばかりなのです。

グレンが歌いたがったのか、それともバンドの総意なのか、それともマネジメント側の指示なのかわかりませんが、結果としてツイン・ヴォーカルがバンドの「売り」になりました。(日本ではクリスタルキングがいましたねー。)
デイヴィッドが一人で歌っている作品は何とこの曲だけなのです(バッキングでグレンの声がはいっているかもしれませんが・・・)。
当時、デイヴィッドとしては、複雑だったのではないかと想像します。
ツイン・ヴォーカルの曲はグレンの歌が入らないと曲として完成しないからです。自分だけで完成する曲が1曲だけなんて・・・って感じでしょうか。

近年、ホワイトスネイクで、デイヴィッドは「Burn」のカヴァーをしていますが、実に不自然な印象がぬぐえません。やはり名曲であっても、彼だけでは、曲が中途半端になってしまうような・・・(でも共演しないんですよねー)。

その点、この曲はデイヴィッド一人で完結できる曲です。
リッチーとの共作ではありますが、リッチーがいなくてもオッケー。

さて、まずは、彼が採用されるきっかけとなったポール・ロジャースとの比較をしてみたいと思います。
共通点はブルージーな歌唱法、そして籠ったような声の質。
でも、ポールの方がブルース臭さが強いですね。陽の部分が少ない。
デイヴィッドは陽の部分、つまり明るい部分があります。そして、クセがポールほどなく、ストレートな歌い方もできます。要はデイヴィッドの方が幅広い音楽性に合わせることができるという感じでしょうか?まあ、あくまで私の私見です。

で、今回とりあげた「Mistreated」です。

まるで、演歌のような男の嘆きを歌っている歌詞ですね。
女性に打ちのめされた・・・ひどく扱われてしまった、傷ついてしまったというようなすごく感傷的な内容。
そんな歌詞が、シンプルだけど、ドラマティックなリッチー・ブラックモアのギターの上に乗っかるという曲です。
パワーバラードで、激情的な歌唱が印象に残ります。
やっぱり、ポール・ロジャースとちがって、アタックの強い声でハードロック向きです。実に力強さと情念を感じる名曲に仕上がっていますね。

ちなみに、リッチーもこの曲がお気に入りです。ギター・ソロではものすごく弾きまくってます。レインボーでは、ディオに歌わせているし。

ともあれ、この曲で、デイヴィッドはハードな曲だけでなく、しっとりとした曲にも対応できる味のあるタイプのヴォーカリストとして、存在を世に知らしめたといっていいでしょう。

それにしても、デイヴィッドはパープルの3枚のスタジオ・アルバムに参加しているんですが、どの作品も緻密なマーケティングに基づいた売れる作品になっています。まだ若かった彼にとって貴重な体験になっただろうし、すごいプレッシャーになったでしょう。嫌なこともあったと思います。
それが、バンド解散後のソロ作品で反動となって表れたような気がするんですが・・・。

次回は、「Stormbringer」です。
コメント (12)
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