花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

ノウゼンカズラ科の花(1)

2019-06-10 | 植物 花

”緑のカーテン” と "緑の煙幕” 

「シナサワグルミ」(胡桃)の翼果は、”緑のカーテン” 、「ケムリニキ」(煙の木)の花が ”緑の煙幕” に見立てました。


下図は、「ケムリノキ」の花

 

<「シナサワグルミ」>の翼を有する堅果

日本原産の「サワグルミ」(沢胡桃)の翼果に似ていますが、、葉の形と翼果の形が違います。

尾っぽ状の花序を下垂させます、クルミ科、サワグルミ属、中国原産、落葉高木、学名 Pterocarya stenoptera

 <「ケムリノキ」(煙の木)>

極小の多数の花が重なり合って咲き、煙の様に見えるので此の名前が付きました。

ウルシ科、ケムリノキ/ハグマノキ属、落葉低木、南ヨーロッパ原産、学名 Cotinus coggygria

英名 Smoke Tree、別名「スモークツリー」、「ハグマノキ」(白熊の木)、「カスミノキ」(霞の木)

ノウゼンカズラ科の 最初の花は、「ツリガネカズラ」(釣鐘葛)の花です。

<「ツリガネカズラ」>

巻き髭に吸盤が着いているので、何にでも巻き付き這え上がります。

集散花序に筒状の花を咲かせます、花筒の外側は、赤褐色、内側は、黄色のグラデーション、強い香り(匂い)がします。

カレーの匂いを連想させるので(チョット無理が有りますが)、「カレーバイン」、「カレーカズラ」の別名が付いています。

ノウゼンカズラ科、ツリガネカズラ属、北アメリカ原産、蔓性低木、学名 Bignonia capreolata 

英名 Cross Vine、別名「ビグノニア」


次は、お馴染みの「ノウゼンカズラ」(凌霄花)の花です。

 此の時期、至る所で目にする「ノウゼンカズラ」(凌霄花)、「アメリカノウゼンカズラ」も、同科の花です。

”空(霄)をも凌ぐ” の意味で 名付けらた「ノウゼンカズラ」は、其の名前の通り

気根を出して、他の物に絡み付き空に向かって立ちのぼります。

花冠は、漏斗状で、先端が五裂します、大きな橙色の花を咲かせます。


「ノウゼンカズラ」Campsis grandiflora や 「アメリカノウゼンカズラ」Campsis radicans の他には、

「ノウゼンカズラ」と「アメリカノウゼンカズラ」の交雑種の

「ノウゼンカズラ 'マダムガレン’」Campsis × Tagliabuana 'Madam Garen' が等が有ります。

「ノウゼンカズラ」より花が小さく濃い赤色で、花筒が長く、纏まって咲く違いが有ります。

他に「ピンクノウゼンカズラ」が、「ピンクノウゼンカズラ」(ポドラネア)です。

「ノウゼンカズラ」(凌霄花)といえば、中国原産のオレンジ色を花を思い浮かびますが

此の花は、名前の通りピンク色で、赤紫色の筋が、縦に入ります。

属も違って、「ノウゼンカズラ」が、<ノウゼンカズラ科>、<ノウゼンカズラ属>に対して

「ピンクノウゼンカズラ」は、<ノウゼンカズラ科>、<ポドラネア>属です。

円錐花序をつくり多数の釣鐘型の花を着けます、花冠は5裂して、前回載せた「パンドレア」に似ています。

葉は、羽状複葉で、小葉は、10枚位、”夏の花” に相応しい涼しげな花です。

常緑蔓性低木、南アフリカ原産、学名  Podranea ricasoliana、英名 Pink trumpet、Zimbabwe creeper


 <各画像は、クリックで拡大表示します>


黄色い花々(2)

2019-06-04 | 植物 花

 

燕が飛び交う季節になりました、”赤い燕” の「スプレケリア」も飛んでいます。

6枚の花被片の内3枚が大きく反り広がり、”頭と羽根” になり、下側の3枚が半開して、”尾っぽ” です。


「アママリリス」Hippeastrum Hybrids の仲間です。

ヒガンバナ科、スプレケリア属、半耐寒性球根、メキシコ原産、学名 Spr ekelia formosissima

英名 Aztec Lily、別名「ツバメズイセン」(燕水仙)

”黄色い花々(2)” には、樹木花2種を挙げてみました。

最初は、”黄色いジャスミン」” 「キソケイ」(黄蘇馨)です、初夏の季節に相応しい涼しげな姿です。

<蘇馨>とは、香水でお馴染みの<ジャスミン>のこと、インド原産で、白い色の花をさかせる落葉低木ですが

同じモクセイ科でも、「黄蘇馨」は、花の色が黄色なので、此の名前が付いた由、香りも「蘇馨」よりは、少ないようです。

仲間には、「ウンナンオウバイ」、「ハゴロモジャスミン」等が有ります。

似た花には、花期が、早春の「カロライナ ジャスミン」もあります。

散房花序に、花冠が五裂した黄色い漏斗形の花を咲かせます、清楚な感じがする花です。

モクセイ科、ソケイ(ジャスミナム属)、常緑低木、ヒマラヤ地方原産、学名 Jasminum humile var.revolutum

英名 Yellow Jasmine、別名「イェロージャスミン」、「ヒマラヤソケイ」、「ヒマラヤジャスミン」

下図は、似た花の「カロライナジャスミン」Gelsemium sempervirens です。

見分け方は、花期が早春なのと、葉が、「キソケイ」が、複葉に対して、「カロライナジャスミン」は、単葉の違いです。

次は、「カラタネオガタマ」(唐種招霊)の黄色い花です。

仰々しい名前ですが、由来は、日本の固有種の「マガタマ」(招霊)の枝葉を

「榊」の代わりに玉串として霊を招く神事に利用したので

似ている中国原産の此の樹木を” 唐から入ってきた「マガタマ」” で「唐種招霊」と命名した由

中国名は、「含笑花」です、花の形が、”含み笑い” をしている様に見えるのでしょうか

亦、「小賀玉」の字を宛てた書籍もありますが、由来は、不明です。

アイボリー色の花弁の縁や雄蘂の色は、紫色、赤い色の品種も有ります。

尚、日本の「オガタマノキ」は、同じモクレン科ですが、モクレン属なので所属の違いが有ります。

別名「バナナツリー」が付いていて、馴染み深い名前にもなっています、花が「バナナ」様な香りがするからです。

モクレン科、オガタマノキ属、耐寒性常緑高木、中国原産、学名 Michelia figo,英名 Banana Shurb、Banana Tree

別名「バナナツリー」、「バナナシュラブ」、「トウオガタマ」(唐招霊)


初夏、黄色い花々(1)

2019-06-01 | 植物 花

名前の通り、「モッコウバラ」(木香薔薇)Rosa banksiae の白い花は、甘い香りがします。

 ”初夏、黄色い花々(1)” として、「リシマキア プロクンベンス」と「エルサレムセージ」を挙げてみます。

 次の黄色い花は、「リシマキア」(Lysimachia spp.)です。

多くの種類の「リシマキア」の中から、此の時季に黄色い花を咲かせる「リシマキア・プロクンペンス」を

挙げてみました、花径が2cm位の数個の花を咲かせます、基部が赤い五弁の杯状の花です。

這性なので、花が無い季節でも、葉を観賞する為にグランドカバーとして植栽されています。

仲間には、日本の「オカトラノオ」(Lysimachia clethroides)が有りますが、姿は、大きく違っています。

他に、匍匐性の「リシマキア・ヌンムラリア」(L.nummularia)、立性には、「リシマキア・キリアータ」

(L.ciliata)、「リシマキア・プンクタータ」(L.punnctata)、「リシマキア・アトロプルプレア」(L.atropurpurea)

等が観賞用として人気です、此等の花は、後日掲載します。

サクラソウ科、オカトラノオ(リシマキア)属、耐寒性多年草、東アジア全域に分布

学名 Lysimachia procumbens=L.congestiflora、別名「コンゲスティフロラ」、「イェローボール」

次は、「エルサレムセージ」です。

<「エレサレムセージ」>

細かく分枝した茎を囲むように黄色い筒状花が、輪生します。

白い毛が、密生した葉は、楕円形で互生します、葉は、灰緑色で、縁は、銀白色で縁取りします。

花冠は、唇型に裂けています、「セージ」の名前が、付きますが、香辛料の「セージ」が

サルビア属に対してフロミス属なので、所謂「セージ」ではなく、別の植物になります。

学名 Phlomis fruticosa は、ギリシャ語の  Phlogos (火炎)に因るとか

花の形が、火が燃え盛る様子を著わしているのか、Fruticosa は、低木を意味するようです。

尤も、”火炎” と言えば、秋に咲く同じシソ科の「レオノチス」別名「カエンキセワタ」(火炎披綿)

学名 Leonotis leonurus の方が形色ともピッタリなのですが

ドライフラワー、ポプリ等としても利用する用です。

シソ科、フロミス(キセワタ)属、耐寒性多年草、地中海沿岸原産

学名 Phlomis fruticosa、英名 Jerusalem sage、別名「フロミス・フルティコーサ」