花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

今、オトギリソウ科の花々

2021-06-03 | 植物 花

今、オトギリソウ科の花は、「オトギリソウ」、「ヒベリカム 'ヒデコート’」

「ビヨウヤナギ」、「キンシバイ」、「ヒベリカム・カリシナム」の黄色い花々です。

 

最初は、オトギリソウ科の本元「オトギリソウ」です。

                  <「オトギリソウ」弟切草>

 集散花序から、黄色い5弁の花を咲かせます。

 多数の長い雄蘂が、目立ちます。

   直立する茎は、20~80cm, 細長い葉が、対生します。

   オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性多年草

 日本、中国、朝鮮半島に自生。

 学名 Hypericum erectum 、英名  Goatweed

   タンニンを多く含むので乾燥させて生薬に、利用した由、

 物騒な名前の “弟切” ですが、其の由来は

 平安時代、此の植物から作った秘薬の秘密を弟が他に漏らしたので、

 兄が切り殺したとのこと、此れが “弟切” の名前の由来とか

 恐ろしげな名前ですが、綺麗な花なのです。   

 

 次も同じオトギリソウ科の、「ヒペリカム 'ヒドコート'」です。

<「ヒバリカム 'ヒドコート'」>

中国原産の「キンシバイ」の園芸種とかで、「キンシバイ」より花径が大きく

前者が横向きに花を咲かせるのに対して、立性の枝に、やや上向きに花を

咲かせます、華やかさが有ります、多数の花が咲き揃う様は、壮観です。

オトギリソウ科、オトギリソウ属、園芸品種、常緑低木、学名 Hypericum patulum cv.Hidcode

別名「ヒペリカム 'ヒドコート'」、「セイヨウキンシバイ」(西洋金糸梅)


Cimg99472

<「ビヨウヤナギ」>

次は、「ビヨウヤナギ」(美容柳)です、金色の長い雄蕊が金の糸の様です。

此の雄蕊が花弁より長いのも特徴の一つです。(「ヒベリカム・カリシナム」との違いにもなっています)

“柳” の名前は、十字対生(「ヒペリカム・カリシナム」との違い)の葉が「柳」の様に垂下がるからとか

オトギリソウ科、オトギリソウ属、半常緑小低木、中国原産、学名 Hypericum monogynum

=H.chinense =H.chinense var salicifolium

別名「ビジョヤナギ」(美女柳)、中国名では、「金糸桃」の名前が付いていました。

亦、「未央柳」の名前も付いていますが、中国の未央殿の柳を美しい楊貴妃の眉に喩えて

日本で名前を付けたとのこと、“未央” が “美容” になったようですが  ・ ・ ・ 

“美容” と “美女” 綺麗な事には間違いないようです。


<「キンシバイ」>

次が「キンシバイ」(金糸梅)です、Hypericum  の中でも楚々として、花の咲き方が

半開なのも奥床しい感じがします。

名前の由来は、“金の糸を持って、「梅」の花に似ている” からとか

葉は、対生で上の「ビヨウヤナギ」等とは違います。

オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性常緑低木、中国原産、Hypericum patulum


<「ヒペリカム・カリシナム」>

オトギリソウ科の最後は、「ヒペリカム・カリシナム」です、「ビヨウヤナギ」と似ていて

間違われ易い花ですが、後で区別するチェックポイントを載せておきます。

此の花も雄蕊の長くて「ビヨウヤナギ」のカールする雄蕊に比べて、ザンギリ、モジャモジャの

感じが特徴です、オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性常緑低木、ブルガリア、トルコ原産

学名 Hypericum calycinum英名 Aaron´s beard (アロン(モーゼの兄)の顎鬚)

英和辞典には、<(植)オトギリソウ属>となってました。

別名に、「ヒメキンシバイ」(姫金糸梅)の名前が付いています。

Cimg99372

 

最後に、似ていて見分け難い「ビヨウヤナギ」と「ヘペリカム・カリシナム」の区別のポイント

・雄蕊の数は、「ビヨウヤナギ」(左図)が約200本位に対して「ヒペリカム・カリシナム」(右図)

 400本位と圧倒的に後者が多いのです。

・背丈は、前者が 100cm位に対して、後者は、100cm未満と低いのです。

・葉は、前者が細長く十字対生に対して、後者は、丸みを帯びて対生です。

・蕾は、卵型でガク片は、幅広で縁が丸みを帯びます、後者は、細長い卵型ガク片は、披針形です。

・雄蕊は、前者が花弁より長いのに対して、後者の雄蕊は、花弁と略同じ位の長さです。

 


初夏、マメ科の樹木花3種

2021-06-01 | 植物 花

初夏のマメ科の樹木花として「モリシマアカシア」、「ハリエンジュ」、「キングサリ」の花を挙げてみました。

<「モリシマアカシア」>

頭状花序に、クリーム色のポンポンの様な球状の集合花を咲かせます。

「ギンヨウアカシア」や「フサアカシア」の仲間ですが、開花時季は、此等より遅くなります。

今は、最盛期も終わりになってきました、甘い香りが、風に乗って漂います、羽状複葉の葉が、涼しげです。

「モリシマ」は、”森島” とも思える名前ですが、学名の  Mollissima  に由来するとか

樹冠を拡げて日光を遮り、他の植物の生育を妨げるので、日本では、要注意外来植物に指定しています。

マメ科、アカシア属、常緑高木、オーストラリア原産、学名 Acacia mollissima 、英名  Black wttle



学名  Mollissima  には、”軟らか" の意味が有るとか 、若枝には軟毛が覆うからか

花が柔らかそうなので、この名前が付いたのでしょうか

不評だった「モリシマアカシア」も、最近では、樹皮の薬効、バイオマス生産能力が

見直されてきているとか、役に立つことを願っています。

 

因みに、下図は、「フサアカシア」(房アカシア)

 

次は、「ニセアアカシア」の名前が付いた「ハリエンジュ」です。

<「ハリエンジュ」(針槐)>

他の画像は、gif にしました。

花は、総状花序で、「藤」の花に似た蝶型の白い花を多数下垂させます。

花には、芳香が有ります、葉は、奇数羽状複葉の小葉が、互生します、街路樹や公園でとく見かけます。

「針槐」の名前は、鋭い刺が、枝に生えていて、「エンジュ(槐)」(Styphnolobium japonicum)

似ていることに由来するとか、花は、蜜源になるので、蜜蜂が、群がっています。

別名に「ニセアカシア」(偽アカシア)の名前が付いていますが、輸入当時は、間違って

「アカシア」と称されていたが、日本では「ミモザ」と称されたアカシア属の「フサアカシヤ」や

「ギンヨウアカシア」が、本当の「アカシア」と解り、区別する為に<偽>と付けた由

故に、<アカシア蜂蜜>の蜜源は、此の「ハリエンジュ」が、蜜源になります 。

此等の詳細は、以前のページ 春の色(5)に載せてますので参考に ・ ・ ・ 

マメ科、ハリエンジュ属、北アメリカ原産、落葉高木、学名 Robinia pseudoacacia

英名 False acacia、Locust tree、学名 Pseudo は、ラテン語で ”似ている” 、acacia は、”アカシア” とか

学名からも「アカシア」ではないことが解ります。

 

次のマメ科の花は、”黄金” に輝く「キングサリ」の花です。

<「キングサリ」(金鎖)>

「藤」の花の様に、総状花序を作り、鮮やかな 黄色い蝶型の花を咲かせ、其の花穂が下垂します。

楕円形の小葉は、3出複葉で、互生します。

交雑種、園芸種と品種も多い予婦です。

マメ花、キングサリ(ラブルヌム)属、耐寒性落葉小高木、ヨーロッパ原産

学名 Laburnum anagyroides、英名 Golden chain、別名「キバナフジ」(黄花藤)、「ゴールデンチェーン」

別名に「藤」の名前が、付いていますが、フジ属ではなく、花も寧、「エニシダ」に似ています。


<各画像は、クリックで拡大表示します>