霧島連山の中ほどに位置する新燃岳は2011年1月に大規模な噴火をしました。上の画像は2013年5月20日に大浪池の東回り登山道から撮影したものです。新燃岳からの距離は約2.7km。左側が新燃岳西側斜面で右手には中岳、さらに右側には雲に隠れてよく見えませんが高千穂峰があります。噴火では北西の強風に乗って中岳から高千穂峰の中ほどにかけて火山礫や噴石が大量に降りました。
これは2011年1月27日未明に新湯地区から撮影したものです。新燃岳からの距離は約3km。画面右側の火山礫が降り続けているのが中岳方向です。左側の新燃岳西側斜面では山火事があちこちで発生しています。噴火活動は1月26日から27日が中心で短期間のうちに収束しました。エメラルドグリーンの美しい火口湖は消滅、地底からせり上がった溶岩が火口を埋め尽くして今も弱い水蒸気を上げています。2009年5月に火口湖が珈琲色に変色したことがあり、今から思えば大噴火の予兆だったのでしょう。これほどの大規模活動は地元だけでなく気象庁、学識者の予測を大幅に超えるものでした。
ここは中岳と高千穂峰の中間部です。新燃岳からの距離は約2.5km。中岳の南東側に位置し火山礫が10-15cm積もっています。この付近の赤松は火山礫や火山ガスの影響でしょうか殆ど全滅です。やがて枯れこんだ大枝や幹が落下する危険性があります。広葉樹やススキなどの下草は生き残っています。火山礫が降った範囲は1km程度の帯状になっていて、この先東側の竜王岳や矢岳では今度の噴火による火山礫が見られません。
この付近は噴火災害警戒のため最近まで立ち入りが制限されていました。火山活動の影響が気がかりでしたが、3度目の春を迎えて復活したミヤマキリシマに感激しました。枝の上部は殆ど枯れこんでいますが下の方から新しい枝を伸ばし花を咲かせていたのです。火山台地に力強く生きる姿は逞しいものです。現在も新燃岳火口から2km以内は立入規制が継続中で、新燃岳、獅子戸岳、中岳には登れません。3-4枚目の撮影日は2013年5月22日です。
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