今、2030年の冬季五輪に札幌市が手を上げようとしている旨のニュースが流れていたが、思わず目を疑った。東京五輪のすったもんだで、IOCの本性、金権体質があれほど明らかになり、バッハ会長は「ぼったくり男爵」と揶揄されるほど世界中に悪名が轟いてから、まだ数ヶ月しか経っていないというのに、札幌市長や北海道知事、首相をはじめとする首相官邸の連中は何を考えているのかと呆れるばかりである。
東京五輪は赤字まみれで、我々の税金を無駄遣いし、何のレガシーも残さなかったことに何の反省もしていないということであろうか?五輪招致の議員連盟の会長なった橋本聖子なる人物は国民の意見に聞く耳を持たない良識の無い政治家の一人である。自民党はじめ与党の政治家も別の地平線で生きていて何の反省もしていない様子である。税金の無駄遣いは必至だし、札幌市民は反対運動を盛り上げるべきである。
オミクロンが世界中の大問題になっている今、また、中国のテニス選手の問題がマスコミを賑わしている今のタイミングでよくこのような議員連盟の発足の話しが出てくるとは非常識である。IOCのバッハ会長のテニス選手への対応は見え見えで、女子テニス協会(WTA)会長の圧勝である。札幌市は大赤字を抱えて財政的に問題を抱えているようなのに、五輪を招致しようなどどうして口に出すことができるのか不思議である。札幌市は狂っているとしか思えない。
1972年の札幌オリンピックの時は、千歳に住んでいて、仕事上もオリンピックに大きく関わっていたが、あれから半世紀を経て、時代は変わっているのである。今や、IOCも金権体質に変貌してきていることが世界中に暴露されている。ぼったくりIOCに振り回されるのはもう勘弁である。東京五輪の総括もできていないこの時期に、札幌市長も道知事も首相も官邸も橋本女史も歴史をしっかり学んでほしい。
朝日新聞社説(12/2): https://www.asahi.com/articles/DA3S15129824.html
一月万冊の論評: https://youtu.be/OIhF3uDn1uE