日曜の朝は、ラジオ番組をパソコンのradikoで聴くことからで始まる。文化放送6時5分から「1万年堂出版の時間」という浄土真宗を学ぶ番組を、続いて、「日曜はがんばらない」という鎌田實・村上信夫両氏によるトーク番組を聴いている。ラジオを聴く機会はめっきり減っており、今や日曜の朝だけとなっている。
1万年堂出版は、「歎異抄をひらく」とか「なぜ生きる」という親鸞聖人の浄土真宗を扱った書籍で有名で、ともに映画化もされた。朝の番組では、書籍の一部を鈴木弘子さんが朗読してくれるが、心が洗われるひと時でもある。「日曜はがんばらない」は医師とアナウンサーの軽妙なトークで、まさに「いのち」の洗濯になる。12日は、最近鎌田医師が書かれた「ちょうどいい孤独」という本に関連し、そのポイントを紹介してくれた。
最近、テレビでも、「ソロキャンプ」とか「孤食」とか「一人カラオケ」とか「孤独のグルメ」とか一人で行うことを具象化した話題が取りあげられることが少なくない。ヒロシの「ヒロシのぼっちキャンプ」や松重豊の「孤食のグルメ」は好きなテレビ番組である。「ひとり」とか「孤独」とかいうとネガティブな印象があるが、今は、ポジティブな側面を強調することが流行っているようである。鎌田氏の「ちょうどいい孤独」とは、
本の概説によると、
【普段は誰かとつながっていながら、「ひとりでいたいときにはひとりでいよう」という具合に、「ちょうどいい孤独」を楽しみませんか? 孤独を味方につけて、人生の満足度を上げるカマタ流“個立有縁”のあり方を紹介する。家族や友人がいても、「孤独」だと感じる時間は必ずある。そこをどうやって自分自身の時間をポジティブなものに転換していくか。その方法次第で、人生が幸福なものか、不幸なまま終わってしまうかが決まっていくなら……。孤独を積極的に楽しんで、「人生の密度」を高めていきませんか。コロナ禍において提唱された新しい生活様式は、「個のすすめ」でした。買い物も散歩も外食も、原則としてひとり。人混みを避け、極力人に合わないことを強いられた日々。強烈に「ひとり」を実感されられた時間の中で、多くのひとはひとりで生まれて、ひとりで死ぬという「孤独」の本質を見たはずです。本書は、孤独を癒すのではなく、孤独を楽しむことを提案しています。孤独“に”生きるのではなく、孤独“を”生きる。つまり「望んで得る孤独」のすすめです。】とある。
まさに、鎌田氏の提言に同感の思いである。自分自身、ポジティブな孤独派である。「ちょうどいい孤独」とは言い得て妙である。彼は「孤立無援」に対し、「個立有縁」を薦める。普段は誰かとつながりながら。「ひとりでいたいときには、ひとりでいよう」と孤独を味方につけるこをと提案している。まさに、コロナ禍で加速された生き方でもある。サブタイトルにもあるように、60代からはソロで生きることが大事であることに同感であり、日頃「孤独を楽しむ」ことを実践しているので、後押しされる思いである。本は一部試読しただけだが、久々に同感する本に出合った印象である。