冬を迎え、駅伝の季節がやってきた。全国高校駅伝は、毎年京都で12月後半に行われ、男子は72回、女子は33回というから伝統的なレースといえる。26日は家にいたので久しぶりにテレビを見た。NHKが長時間にわたり生中継するが、つい何となく見てしまうのが駅伝である。女子は、仙台育英が最初から最後まで首位をキープし、ぶっちぎりの優勝を果たしたが、男子は混戦模様であった。留学生を擁する高校も少なくないので、日本選手の活躍を期待しながら見ているが、次から次へと将来有望な強い選手が出てきている印象を持った。各都道府県の対抗戦なので、高校野球同様、つい地元の応援に力が入り、長時間テレビを見てしまう。
高校駅伝は現役時代の2002年に役員の一人として現地で見る機会を得たが、当日だけでなく、前日に開会式の式典もあり、否が応でも大会の雰囲気が盛り上がる。上位を占める高校は、ある程度で決まってくるが、日本のトップ選宇は皆、高校駅伝を経験しているといえる。県大会で優勝して初めて出場権が得られるので、狭き門である。兵庫県の男子の場合、西脇工業、須磨学園、報徳学園という強豪がひしめきあっていて、県代表になること自体が至難の業の感がある。
高校駅伝のトップ選手は、皆は箱根駅伝を目指し、関東地区の大学に進学することが多い。関東の大学では、スカウトマンが駅伝の会場に出入りして、進学の勧誘をしている姿も見かける。優秀な選手をいかに獲得することが箱根駅伝の勝敗に影響を与えることになるからである。箱根駅伝は、お正月の2日と3日に行われるが、テレビの視聴率も30%を超える超人気の化け物大会となっている。駅伝は日本が発祥で、マラソンの個人種目と違って、日本人の風土に合うチーム戦なので、盛り上がる。タスキをつないでいくあたりも日本的で、ドラマを生み出すことも多い。駅伝は、英語では、Road relay というが、Ekidenという言葉も世界で通用する。箱根駅伝は、家から2分ほどの国道を走るので、毎年、往復とも沿道に出て応援することが多い。選手はあっという間に走り去ってしまうが、来年も駅伝の風物詩を味わうことになりそうである。
男子は、混戦模様であったが、広島県の世羅高校が昨年に続いて連覇を果たした。結果的には、女子同様、1区から最後まで1位をキープするという素晴らしいレースであった。京都の洛南高校も初優勝をめざして頑張ったが、涙を飲んだ。雪が舞い散る寒い中でのレースであったが、何となく最後まで見てしまった。それが駅伝の魅力ともいえる。