5月15日夜のTBS世界遺産は、ドイツのカッセルにあるヴィルヘルムスヘーエ公園。この公園は、18世紀を代表するバロック庭園でポンプを使わず50mも吹き上げる大噴水や長さ350mの階段状の滝。さらに「水の芸術」と言われる、森をめぐる人工の水路。この地方の君主が300年前に建設をはじめ、100年がかりで完成させた75万リットルもの水を操る大庭園である。バロック庭園の特徴は見るものを驚かせる巧妙な演出で、ローマ遺跡のような水道橋から流れ落ちる、高さ30mの滝も圧巻である。
この公園を訪れたのは、1988年8月のことで、世界遺産に指定【2013年】されるはるか前なので、十分整備されていなかった気もするが、大量の水がカスケードと呼ばれる350mもある階段状の滝となって流れていく様子は鮮明に覚えている。東京から姪っ子達4人がフランクフルトに遊びに来た機会に、2泊3日で、ロマンチック街道のローテンブルク、カッセル、いばら姫で有名なザバブルク、グリム兄弟が生まれたハーナウ等にドライブ旅行したものである。古城ホテルに泊まったり、ドイツの木組みの家を見たり、このバロック庭園を見たり、ドイツを満喫する楽しいドライブ旅行であった。
公園の山頂の塔にはギリシャ神話の英雄ヘラクレスのブロンズ像がある。滝はテラスから階段状の滝を流れ落ち泉に到着するその仕掛けに当時の人を驚かせたという。庭園内にある「ヴェルヘルムスヘーエ宮殿」はかつて君主が暮らしていたが現在は改修され美術館として利用されている。宮殿内には庭園の建設を始めた君主 が思い描いた設計図は存在するが彼は噴水を見ることなく亡くなり、噴水が完成したのは孫の時代で庭園建設は代々続けれられたという。人工で自然の風景を作り出すのは当時の流行で、この庭園もおよそ700種類の木々を人の手で植えたという人工庭園で、当時から水は手動で動かしているというから驚きである。この世界遺産の番組は、普通の旅行では見られないアングルでの映像も多く、いつも楽しみにしているが、行ったことがある世界遺産の場合は、さらに楽しみ倍増である。
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