3月11日で東日本大震災から11年が経ったが、この日、第9回全音楽界による音楽会チャリティコンサートがサントリーホールで開催された。このコンサートは入場無料であるが、一人1万円以上の寄付金が集められ、震災孤児・遺児の支援に義援金として提供されている。出演者も全員無報酬、ホ-ルの使用料も無料である。
ジャンルを越えた全音楽界による音楽界と銘打っており、その出演者も各ジャンルでの有名なアーティストばかりで、こんな豪華なコンサートは他にはないといえる。同じジャンルでは、NHKの紅白歌合戦のようなコンサートもあるが、全音楽ジャンルとなるとこのコンサートの他に右に出るものはない。司会は、テレビでも有名だった露木茂さんと永井美奈子さん。プロデュースは、三枝成彰さんと湯川れい子さんで、林真理子さん、コシノジュンコさんも発起人として登壇していた。林芳正外務大臣からの花束が会場にあったが、本人も会場に一観客として来ていた。
18時に、谷村新司さんの「いい日旅立ち」の歌から始まり、2人目は、何と10歳の天才ヴァイオリニスト、吉村妃鞠さんで、今までに39ものコンテストで優勝しているというから驚きである。それ以降、クラシックのピアノやヴァイオリンやフルートの楽器演奏、ソプラノ、メゾソプラノ、テノール等の歌唱やコーラス、ポップス、歌謡曲とまさにジャンルを越えた音楽会が繰り広げられ、トリは、五木ひろしさんの「契り」という曲で締め括られた。出演者が多いため、休憩なしでも21時15分頃になっていた。
クラシック音楽は聴くのは好きだが、アーティストの名前とその名声ぶりに疎いのが悔やまれる。クラシックに造詣深い人にとっては、ビックリするほど豪華メンバーの出演であったのではないかと思う。名前を挙げると、桜井万祐子さん(メゾソプラノ)、小川里美さん(ソプラノ)、村松稔之さん(カウンターテナー)、塩塚比七さん(ピアノ)、小石龍之介さん(ピアノ)、横山幸雄さん(ピアノ)、上野星矢さん(フルート)、cobaさん(アコーディオン)、エカテリーナさん(歌唱)、服部百音さん(ヴァイオリン)、川井郁子さん(ヴァイオリン)、大谷康子さん(ヴァイオリン)、樋口達哉さん(テノール)、小林沙羅さん(ソプラノ)、ジョン・健・ヌッツォさん(テノール)という蒼々たる面々である。
個人的に馴染みあるアーティストは、歌謡曲、ポップスのジャンルの人達で、谷村新司、五木ひろしさんの他に、クミコ、ゴスペラーズ、加藤登紀子、南こうせつ、坂本冬美、小林幸子さんが舞台に立ってくれた。個人的に一番よかったのは、南こうせつさんの「神田川」の生歌であった。また、氷川きよしさんと神野美伽さんの二人が病気で出演中止となったのは残念であった。ジャンルは越えても、オーケストラは、3.11チャリティコンサート有志オーケストラによるフル演奏なので、生演奏の迫力がものすごかった。指揮は、これまた有名な大友直人さんと渡辺俊幸さんなので、まさに豪華メンバーによる夢のようなコンサートであったといえる。
サントリーホールに行ったのは、これが4回目で、最初は、1992年のザグレブフィルのコンサート(知人訪問)、2回目は、1997年のミュンヘンフィルコンサート(ドイツ大統領皇室答礼コンサート)、3回目は、2019年の第7回3.11チャリティコンサートであった。クラシックコンサートはドイツにいた時はよく行っていたが、帰国後は回数も減り、サントリーホールに行く機会がなかったのは残念である。コンサートの最後に、今回の義援金が、総額1690万8302円であった旨発表されたが、あれから11年を経て、早い復興と被災者への支援が継続されることを願うばかりである。
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