浪漫飛行への誘(いざな)い

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人間万事塞翁が馬

2024年07月17日 08時28分39秒 | 人生

好きな言葉の一つに「人間万事塞翁が馬」という言葉がある。中国の逸話から来ている言葉だが、「故事成語を知る辞典」によると「一見、不運に思えたことが幸運につながったり、その逆だったりすることのたとえ。幸運か不運かは容易に判断しがたい、ということ」とある。また、「ことわざを知る辞典」によると、「人生で遭遇することの吉凶や禍福は、変転きわまりなく、容易にさだめがたい。一見悪いことがよいことにつながり、逆によさそうなことが悪しきことにつながっていく」とある。

なぜ急にこの言葉を思い出したかというと、7月13日に発生したアメリカのトランプ氏に対する暗殺未遂事件のニュースを目にしたからである。トランプ氏が選挙集会での演説中に銃撃されて右耳に貫通し、血が流れ会場から退避したが、本人は拳を上げるなどいたって元気な様子が映像で流れた。その場で射殺された20歳の容疑者は、会場の外にある建物の屋上から何発も発砲し、その内の1発が耳に当たったようであるが、1センチもずれていたら、頭部に命中し、即死となるところだったようである。

1963年11月のケネディ大統領暗殺事件の撃たれた瞬間の映像も衝撃的であったが、今回もいろいろな角度からの映像や写真が公開され、連日マスメディアに公開されている。それにしても、九死に一生というか、不幸中の幸いというか、彼の強運ぶりには驚くばかりである。15日は、共和党の全国大会に元気な姿を見せたが、正式な大統領選の立候補者に指名され、副大統領候補者にも39歳という有能なミニトランプのバンス氏が選ばれ、盤石の感がある。

一方、民主党はバイデン氏の高齢ボケぶりに焦点が当たり、候補者交代かもというゴタゴタの状況にあり、共和党への政権交代が現実味を帯びてきた。トランプ氏は、今回銃撃を受けて暗殺されてもおかしくない状況にありながら、この事件でかえってプラスに作用するのは間違いない。弱いバイデンと強いトランプが対照的に浮かび上がり、この事件を機に、共和党の団結が進み、トランプ大統領の出現はほぼ確実になったとみる。個人的には彼を支持するものではないが、やはり、非業の死を遂げた安倍元首相とは対照的で、何かを持っているのであろう。政権交代で、ウクライナ問題も最悪の方向に進む可能性も出てきたが、アメリカファーストの考えや、トランプ自身の自分ファーストの考えは世界にとってはマイナスとなる可能性も大きい。

今回の事件を見ていると、まさに、「人間万事塞翁が馬」を感じる。不運か幸運かなどは、容易に判断することはできないし、我々の人生もまったく同じである。このような経験を持つ人も少なくないと思われる。戦時中は、病気のために、徴兵されず戦地に赴くことがなく、生き延びた人もいたと思う。また、歌手のさだまさしさんは、芸大の受験に失敗し、クラッシック音楽家としての道は断たれたが、シンガーソングライターとして、その才能を開花させ、一躍有名になった成功者といえる。合格していたら、今の彼は存在しないかも知れないし、まさに「人間万事塞翁が馬」を勝手に実感する。


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