また、7月1日が巡ってきたが、自分にとっては社会人となった記念日である。50年以上も前のことだが、当時大学の学園紛争の影響で、卒業が5月末となったため、入社が3カ月遅れて7月1日となったものである。卒業が遅れて、ラッキーであったことは、3月に沖縄・台湾・香港・マカオと1か月にわたる卒業旅行ができたこと、5月に大阪万博を1週間もかけて見に行くことができたことで、今でも自分の財産となっている。4月に入社していれば、ともに実現できなかったものである。
同期の大半は、4月に入社しているが、卒業が遅れた7月組は、30人ちょっとで、当時新築された研修センターのこけら落としの研修が我々の入社教育であった。1日に本社で入社式を行い、そのままバスで千葉県にある研修センタ―に向かった。研修は4~5日だったと思うが、最終日に人事課の人が来て配属発表が行われた。人数が少ないこともあって、一人ひとり配属先が発表されたが、なんと一番最初に読み上げられたのが自分の名前であった。配属先は北海道の千歳と発表された瞬間、大きな拍手が沸いた。というのは、皆にとって、地の果てに行かされる悲劇の主人公は自分ではなかったという安堵から出た拍手のようであった。
やはり配属先が発表された瞬間は、がっかりというか不安に見舞われたのをよく覚えている。というのも、それまで北海道に行ったこともなかったし、千歳という町がどこにあるのかもよくわかっていなかったからである。小さな田舎町でちゃんとしたお店があるのかもわからなかったし、回りにいた先輩から赴任の際は、トンカチを持っていけとも言われた。千歳は極寒の地だから、外で用を足す時は、すぐに氷つくので、トンカチで氷を割る必要があるからだとからかわれた。
7~8月は、繁忙期で大変忙しい時期であったので、現地ではゆっくり教育を受ける暇もなく、ぶっつけ本番で現場に出された感じであった。最終的には4年間北海道で生活することになったが、観光地もほとんどすべてに足を運び、札幌オリンピックにも関わり、テニスも始めるなど充実した独身生活を謳歌することができた。毎年7月1日を迎えると「初心忘るべからず」という言葉を思い出し、新鮮な気持ちになれる。2024年も半分が過ぎてしまったが、海外旅行も再開したいし、やりたいことは先延ばしにしない主義でやっていきたい。
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