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通訳の落とし穴~水原一平氏の天国から地獄

2024年03月26日 08時28分45秒 | スポーツ

 

今、大谷翔平の通訳であった水原一平氏が違法賭博問題でドジャーズ球団から解雇され、その火の粉が大谷選手に降りかかるという前代未聞のスキャンダル事件がメディアを賑わしている。水原氏は単なる通訳というだけでなく、様々な面で大谷選手のパートナーというかマネージャーというか、大谷選手を支える役目を果たしていたと思うが、ここに来て思わぬ落とし穴にはまった印象がある。

現役時代、通訳という役職でお偉さんのアテンドをした経験が何度もあるが、お偉さんと一緒に会議に出席したり、会食に同伴させてもらったり、自分は単なる通訳なのに、周りの人はすべて通訳に話しかけてくるので、偉くなったような勘違いをしがちである。お偉さんに代わって会話をすることになるので、周りとの交友関係は否が応でも深くなるのである。国際組織連盟の会長とも平気で話をする機会も多々あったし、日本側の組織の会長(元外務大臣)の通訳をしたこともあるので、普通ではあり得ないシチュエーションである。個人的には、意識してそうならないように心掛けていたが、周りには、自分も偉くなったような振る舞いをする人を見かけたことがある。お偉さんと同じような待遇をされるので、勘違いするのである。一平さんはそんなタイプの通訳ではないと思うが、思わぬ落とし穴があったような気がする。単なる通訳なのに借金の額が桁違いであるので、金銭感覚が麻痺してしまったような気がする。

通訳として専門の訓練を受けたこともないので、現実的には、通訳業務ではかなり苦労した苦い思い出が多い。日本語から英語に通訳する時は、元の日本語は100%理解できるので、どんなにひどい英語でも、ほぼ100%相手に伝えることができるが、英語から日本語に通訳する時は、相手の英語を例えば80%しか理解できなければ、80%しか日本語で説明することができないのである。通訳のポイントは、リスニング能力にかかっていることを嫌というほど痛感したものである。相手がネイティブであれば、早口で喋られるので、フォローするのは大変だし、ネイティブでなければ、アクセントの訛った英語で喋られるので、大変聴き取りにくい。定年後、カナダに留学したのもその反省からである。

今後、大谷選手がどうなるか大変気になるが、25日に記者会見して身の潔白を表明していたので、一安心である。変に巻き込まれ、もし万一出場停止にでもなったら、その影響たるや想像を絶する。大谷選手にとっては、2024年は、史上最高額でドジャースに移籍し、電撃結婚したということで、まさに順風満帆の絶頂の年となるはずであったので、残念な事件である。水原氏にとっては、まさに「一寸先は闇」というか「天国から地獄」である。浮かれていた日本のマスメディアも一緒である。

 

 

 


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