先週に引き続き今週日曜日の朝もまた、テレビの報道番組を観、各党の代表者たちによる討論を聴いた。他党の非難中傷をすることが自党の票獲得アップに繋がると思っているのか、あるいは実際にそういうことになるのかどうかか知らんが、またしてもみっともない討論会となっていて、私は15分でうんざりし、テレビを消してしまった。
アンタたちが話をすべき相手は隣に座っている人間では無く、正面にいる我々国民だろう。我々はアンタたちがこの国をどのような形にしたいのか、そのためにどのような手段を用いようとしているのかが知りたいのだ。アンタたちが何を言っているのかを理解したいのだ。だから、我々に向かって語りかけてくれ。と私は彼らに言いたい。
解散から反対派への対立候補擁立までの出来事を「自民党というコップの中の争い」とおっしゃっていたアンタ、アンタは今「政治という洗面器の中の争い」をしているのではないか?正面にいる我々の存在を忘れてはいないか?我々国民は洗面器の中の戦いに勝つための、単なる道具に過ぎないと思っているのではないか?
政権交代のある政治を私は強く望んでおり、そうすることでダラダラした政官癒着の構造を無くせるかもしれないと期待している。んが、今の野党が政権を取ったところで、そういうことができるかどうかは、最近の野党の言動を見る限りあまり期待はできない。
濃い墨総理が「郵政民営化が最大の争点」としているのは、それが彼の信念であり、またそれは、そうすることによって選挙を有利にするという戦術でもあろう。それに対し、「郵政民営化が最大の争点では無い。それより大事な問題はいくつもある。濃い墨がそういうのは、諸問題を覆い隠すためのまやかしだ。」などと、まるで子供が駄々をこねるようなことを小禍多代表はおっしゃる。「今回は数学で勝負だ!」と言っているのに、「数学は嫌だ!」などと喚いているようなもの。
郵政民営化も大事な問題の一つ。「郵政公社は2年後にこうなります。簡保と郵貯は3年後にこうなります。そうすれば結果として5年後にはこうなります。」などと具体的な案を示し、あんまり具体的ではない濃い墨の「郵政民営化」にぶつけちまえ。そうすれば「濃い墨の郵政民営化案か、小禍多の郵政改革案か」の話になり、国民はどちらがいいかを選べばいいだけのことになる。「郵政民営化に賛成か、反対か」は争点では無くなる。数学の試験は終わり、あとは結果待ち。さて、次は英語で勝負しようぜ、となる。
大事な問題がいくつもあることは、わざわざおっしゃってくれなくても国民は知っている。今、国民に必要な情報は、それら一つ一つの問題について政治がどう対処していくのかなのだ。話す相手は隣では無く、正面にいることをお忘れなきよう。
記:2005.8.29 ガジ丸