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カーリー・フィオリーナ、米大統領選出馬表明の対ヒラリー効果

2015年05月06日 | 日記

米コンピューター大手のヒューレット・パッカードのCEOだった
カーリー・フィオリーナが2016年の米大統領選挙に共和党から立候補する
ことを正式に表明しました。 
共和党では5人目の立候補表明であり、更に増える予定ですが、
カーリーはおそらく唯一の女性候補となるのではないでしょうか。

カーリー・フィオリーナは実業界では有名ですが、政治の世界では無名に近いのでは
ないかと思います。
ビデオでの出馬表明をみても政治家向きかどうか疑問です。 
そのビデオですが、その冒頭で、彼女は見ているヒラリー・クリントン氏の出馬宣言の
テレビ画面をスイッチ・オフします。そして「アメリカを建国した人々はプロの政治家という
階級を作ろうとはしていなかった」と言明しています。

同じ女性候補としての対抗心を打ち出しているという見方をする向きもあるようですが、
私はそれだけではないと思います。

というよりは、今、ヒラリーは「女性」「女性初」を前面に出して戦おうとしてしているわけ
ですが、それって間違っているということを言おうとしているのだと思います。
そもそも カーリー・フィオリーナ本人、ガラスの天井を打ち破って大企業(フォーチュン
500のトップ20社の一つ)の女性初のCEOとなった人物です。 
女性だからというのではなく、「実力」が問題なんだといいたいのです。

イギリスのマーガレット・サッチャーだって「女性」だったからではありません。
「女性」ということは何の関係もないと主張しています。その通りだと思います。
オバマだって、「黒人」ということについては敢て触れようとはしませんでした。
要は実力だというわけです。

ヒラリーの「女性」強調には魂胆があるのです。
一つは、最も重要なことは、男性候補からの非難・攻撃をセキシストとしてかわせる
ことができる点です。
しかし、これが女性となるとそうはいかないのではないかと思います。
特にペイリン(マケインの副大統領候補)ではなく、カーリー・フィオリーナのような
男性社会で実績がある場合はそうです。

私は、「女性」という殻に護られたヒラリーではなく、大統領を目指す一政治家として
ヒラリーが本当にその職に相応しいかどうかを決められる場が用意できたのではと
期待しています。

ヒラリーの場合、実力があるかどうかということが問題なのではありません。
特にヒラリーには政治信条というようなものが特にあるとは思えません。
利益調整型の政治家ではないかと思うのです。 
民主党もマスコミもクリントンを王朝のように扱っています。 

カーリー・フィオリーナもいうように、クリントン財団は外国から多くの金を集めているので
利益相反が必ずあると思います。
また、クリントン夫妻はあまりにも長く権力の座にあります。ヒラリーが大統領になると
スキャンダル続きになるのではと懸念します。(今度は女性問題のようなものではありません。
国務長官時代のイーメール事件がその典型ですが、およそ透明性とは無関係で、政治を私物化
しているのではないかとの疑問がおこるほどです。) 

そういうことで、カーリー・フィオリーナには性別を超えたところで実力で戦えるチャンスを、
そして本当にスキャンダルフリーの、透明性の高い、未来志向の政治を創造する大統領を
見極める場を作ったことを評価したいと思います。
そういう戦い方をしてほしいと思います。

(共和党の大統領候補の指名をうけるのはほぼ不可能だが、副大統領候補には?
それはwait and see ですね。)