もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

元寇・高麗・大院君・閔妃・文大統領

2019年01月22日 | 韓国

 韓国駆逐艦からの火器管制レーダ照射事件の真相と再発防止策を模索するための実務者協議が頓挫した。

 頓挫は、韓国に真相解明と再発防止策を講じる意思と熱意がないと判断した日本側が、協議打ち切りを通告したものである。世論調査でも90%内外が韓国に非があり対応が非礼としていることからも妥当な処置であると思うが、欧米で云われている韓国疲れがようやく日本でも実感される事態にまで発展したかに思える。現在の韓国の様相を見ると、何やら元寇前の動きに似ているように思える。云うまでもなく文永・弘安の役と呼ばれる元寇は、高麗王朝の要請・進言によって元のフビライ(現在はクビライと呼ぶのが一般的とか)が日本侵攻を企図したものとするのが定説(韓国では元に軍船建造を強要されて民が苦しんだ被害者と教育されているそうであるが)とされる。現在の韓国は、アメリカからの駐韓米軍駐留経費の増額要求については判断を先送りして、駐韓米軍の縮小すらも企図しているではとの疑念を持たれている。さらには米朝首脳会談の斡旋・調停役として存在感を示そうとしたが、非核化に先立つ経済制裁解除を各国に要請したこと、南北間の鉄道連結を模索したこと等により西側諸国から疑念を持たれ、特にアメリカは米朝協議からの韓国除外を決断しているように感じられる。そのことは国際関係に敏感な北朝鮮が昨年末にも実現するとした金正恩委員長の訪韓を見送り、中国詣でを繰り返していることにも表れている。唯一持っていた「防共の緩衝地帯」という地政学上の強点を自ら放棄しようとしていることを西側諸国に懸念され、北朝鮮を吸収する国力を持たないことを自分自身が承知している韓国としては、日米からの経済的圧力を防ぐためには中国と北朝鮮に頼るほかに選択肢はないのだろうと考える。中国ならば国際法と国際世論を無視した無法な日本侵略も辞さないだろうし、北朝鮮ならば局地戦における核の恫喝をも辞さないだろう。この様な背景を考えると、韓国の状況は元寇を要請した高麗王朝の姿と酷似しているように思えてならない。

 日韓併合により朝鮮を失ったのは大院君と閔妃の頑迷さと、ロシア・清国・日本を天秤にかける場当たり的な治政が原因であったのは明らかである。メディアを中心として「韓国は何処へ行こうとしているのか」という議論が盛んであるが、文大統領の政治信条と文大統領を選出した韓国国民の反日感情を考えれば、西側経済圏からの離脱・北朝鮮主導の南北統一を以て元経済圏と中国帰属をも選択肢に入れているように思えてならない。近い将来、難民化した韓国人が日本を目指す事態も十分に考えられると思うのだが、杞憂であって欲しいとも思うところである。