立憲民主党の泉代表が、次回総選挙への決意を表明した。
泉代表は、両院議員総会と総会後の記者会見で「150議席獲得できなければ代表を辞める」と明言して、韓信の敷いた背水の陣さながらに退路を断ったものと受け取られている。
現在の立民議員が97議席に過ぎないことや全敗に終わった先日の衆参補選結果を観れば、現状維持も危うい状態にもかかわらず当選者1.5倍増を挙げたことは、「その意気や良し」としたいところであるが、目標として掲げた150議席とは何を意味するのかさっぱり分からない。
総選挙に際して政党の掲げる数値目標は、安定多数、政権奪取、政党要件死守、候補者の全員当選など様々であるが、それなりに意味を持っており自分でも理解できるが、泉執行部の掲げた数値はそれらの何れにも当て嵌まらないもので、恐らくであるが、150議席あれば野党第1党の座を保てる、若しくは目標達成できなかったことを理由にして退場の花道を飾ることを企図しているのではと推測するしかないように思える。
立民の退潮は、岡田幹事長や支持者の云う「地方組織の力不足」や「野党選挙協力の失敗」ではない。
現行憲法と現有装備では日本の独立・防衛が維持・達成できない懸念に正面から向き合おうとしないことに尽きると思う。立民は「アメリカが矛・日本が盾」とする日米安保ガイドラインの枠組みで独立を維持するとして反撃能力整備の防衛費増額に反対する一方で、「在沖米軍基地の縮小・辺野古移設反対」で米軍の矛としての機能まで削ごうとしている。全ての紛争を「外交努力で平和的に解決」と標榜するものの、巡視船体当たりの中国人船長を即時無罪放免したものの中国漁船の尖閣水域無法操業阻止に何ら寄与できなかった民主党の過去を知っている。
また、日常の政治活動でも、共産党との選挙・閣外協力が極左傾と捉えられてコアな支持者と連合の支援を失ったと観るや、自民党よりも自民党とされる維新に摺り寄ったものの袖にされて、今度は同祖の縁を頼りに国民民主党に秋波を送るという無定見・無節操な数合わせが有権者のソッポを招いている。
泉議員が代表の座を降りたとしてもコップにまでに至らぬ「御猪口の中の嵐」で、日本社会に如何ほども影響しないであろうが、さて後任党首は誰かと見渡せば、いずれの御方も「帯に短し、襷にも短し」であるように思える。
日韓首脳会談での岸田総理発言を韓国野党並みに評価した岡田議員、二重国籍と宗主国疑惑の蓮舫議員、政府の瑕疵追及にのみ輝く逢坂・辻元・西村議員、と見切り品が並んでいる。まさか怪文書・サル発言の小西議員まで取り沙汰されるとは思いたくないが。