もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

副操縦士の乱心

2015年03月27日 | 社会・政治問題

 ドイツの航空機墜落原因が判明した。

 機長がコックピットを離れた後、副操縦士が意図的に機を墜落させたとの発表である。かっては、大型機は機長、副操縦士と航空機関士の3人で運航されていたが、現在は、人件費抑制のために航空機関士の役割をハイテクシステムに肩代わりさせた航空機による2人運航体制となっている。今回の事象についても3人体制ならば起こり得ない状況であろうと考えられるし、おそらく航空機メーカーや航空会社にとっては想定外の出来事であると思う。いくらシステムを高度化しても、操作する人間の悪意だけは防ぎ得ない。それは、機械が持っている『誤作動』という致命的な欠陥を、正常な人間が正すというコンセプトでシステムが成り立っているからである。自動又は半自動で動くシステムには「フールセーフ(機械音痴でも安全に使える)機能」が随所に設けられている。そのために、一定の知識さえあれば自動車が動かせ、ご飯が炊け、スマホが働き、パソコンが機能する。しかしながら、操作ミスは防げても故意を持った人間の操作には抗しえないという限界があると考える。

 高度に発達した人工知能が起こす悪意ある誤作動を、主人公が正すという近未来映画が折に触れて作られているが、近未来においては不条理な人間を人工知能が正す方が一般的であるかもしれない。


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