もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

武漢研究所員にノーベル賞?

2021年06月18日 | コロナ

 ネット上でテレ朝報道を引用する「中国外務省報道官の発言」記事をよんだ。

 発言の要旨は、「アメリカは新型コロナウイルスの発生源が武漢研究所からの流出を否定したWHOの報告を無視している」、「武漢の研究チームは新型コロナの遺伝情報を初めて解析した功績でノーベル医学生理学賞を受賞すべきである」とされている。
 中国武漢で最初の症例が確認されて僅か数カ月後の昨年(2020年)4月頃にはパンデミックの様相が顕著になっていたが、既にアメリカ政府を除いて症例の呼称は「中国コロナ乃至は武漢ウィルス」から「新型肺炎若しくは新型コロナ」に変化していた。本ブログでは、東洋学園大学の櫻田淳教授の「”何かを・どのように呼ぶか”は政治の最も原初的な営みである」という主張に触発されて「武漢ウィルスが意味するもの」(リンクしましたので未読の方は御一読を)と題して「中国(武漢)〇〇」と呼び続ける必要性を主張した。
 改めて書くまでもないがWHOは新型感染症についてはCOVIDに流行年を付けて、更には亜種の変異株については発見順にギリシャ文字を付けることを求めている。このため「武漢ウィルス印度株」は「COVID19δ」となるが、この無機質の呼称では中国のデータ隠しや野生動物食を珍重する食習慣は窺い知ることは出来ないため、年月が経てばパンデミックに至る経緯や不手際は風化してしまいかねない。確かに、米欧では東洋系人種に対するヘイトクライムが散発して社会問題となっているのでWHOの提唱にも一理あることは認めるが、歴史的には真実を曖昧にする危険性の方が遥かに大きいのではないだろうか。おそらく10年を経ずに、COVID19パンデミックの主因となった中国の無法ぶりは研究者の資料にのみ残され、一般には中国はCOVID19を最も早く制圧出来た国となっているように思える。

 中国の武漢ウィルス風化作戦は既に始まっており、冒頭の外務省報道官のコメントもその一環であるように思っている。ひと頃はコロナウィルスの、米軍人持ち込み説、輸入牛肉付着説を提唱して中国主犯説の打ち消しに躍起となっていたが、今回はWHOの権威を利用して、学術的な貢献を逆宣伝して、と巧妙の度を増している。
 折しもインドネシアでは中国製ワクチンを接種した医療関係者の数十人が感染した二次災害まで引き起こしているなかにあっても、中国共産党の鉄面皮なプロパガンダは留まることを知らないようである。


広島カープと東京オリンピック

2021年06月17日 | カープ・スポーツ

 侍ジャパンの五輪代表が発表された。

 我がカープからは、森下・栗林投手、会澤捕手、菊池内野手、鈴木外野手の5名が代表入りの栄に浴したが、リーグ戦最下位に低迷するチームとしては望外とも思える。残念ながら会澤捕手については15日の試合で負傷したために交代の可能性が有るとされているが。
 メンバーを眺めると、稲葉監督は”守り勝つ”野球を目指しているようで、パワー全盛の各国に比しパワーで劣る日本チームが互角以上に戦うためには止むを得ない選出であるように思っている。
 カープ選手の出番を考えると、森下投手は中継ぎで、栗林投手は平良投手に繋ぐセットアッパーに、菊池内野手は守備固めで、今一つ調子の上がらない鈴木外野手は相手投手の利き腕に応じてと代打での出番にならざるを得ないと、稍控えめに覚悟しているが、特に鈴木選手には五輪を契機にメンタル的に再覚醒してくれるものと期待している。
 今後、アメリカ、韓国、オーストラリア、日本でオリンピックが開催されたとしても、IOCは野球とソフトボールを競技種目に認めることはないと観られていることから、侍ジャパンがオリンピックで競えるのは、おそらく今回が最後になると思っている。それだからこそ、地元開催での金メダルにはこだわって欲しいと願うところである。

 依然として、オリンピックの開催延期や中止を望む声が大きいが、当初から掲げている「東日本大震災の復興を世界に宣言・発信」するという目標の完遂を目指して、さらには、その目標達成を支援するとして東京開催を選択したIOCや各国選手に報いるためにも、オリンピック東京大会が成功裡に閉幕できるものと期待している。
 与野党要人がボイコットまで口にした韓国であるが、G7の檜舞台にオブザーバ参加できた高揚感からであろうか、文大統領は平昌五輪開会式への安倍総理出席の返礼として訪日・開会式参加・首脳会談を望んでいることが観測されている。来るものは拒まずであるが、オリンピックをあまりに政治的に利用して欲しくないものである。


宇宙資源法の成立を知る

2021年06月16日 | 社会・政治問題

 宇宙空間で採取した資源の所有権を民間企業に認める議員提出の「宇宙資源法」が、与野党の賛成多数により可決・成立したことを知った。

 時事通信によると《宇宙資源については国際的な規定がなく、国内法は2015年に米国、17年にはルクセンブルクで成立しているが、2017年に国連の宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)が国内法整備を排除しない見解を示した》ことを受けて制定されたもので《激化する各国との宇宙開発競争に乗り遅れないようにする狙いがある》とされ、今回成立した法律は《人工衛星の許可に特例を設け、事業者は月などの天体を含む宇宙空間に存在する水や鉱物資源を採取・使用することで収益を上げ、処分する権利を取得できる》となっているらしい。
 国家事業としての月や火星の探査が進み、月面基地の建設も絵空事でないことに加え、アメリカでは間もなく民間企業による宇宙旅行が実現する状況であるが、鉱物資源の採取・持ち帰りについては当分の間は実現不可能であろうとは思うものの、採算が採れる希少物質が発見された場合には一挙に加速する可能性も残されているように思える。
 ではJAXAが持ち帰った「りゅうぐう」の土壌サンプルで一儲けできるのではと思ったが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は 国立研究開発法人であるので土壌サンプルを売却することは出来ないようである。
 さらに、月と火星の土地は個人に販売されているのでは?と思って調べて見ると、1980年以降ネバダ州に本社を置くルナ・エンバシー社が販売しており、日本でもルナエンバシージャパンとして活動しているようである。何故に月と火星の土地の販売が可能かと云えば、ウィキペディアでは《アメリカ人のデニス・ホープ氏が「月は誰のものか?」と調べたら、1967年に発効した宇宙条約で、国家が所有することは禁止しているが個人が所有してはならないとされていなかったので、1980年にサンフランシスコの行政機関に所有権の申し立てを行ったところ正式に受理された。これを受けて同氏は、念のため月の権利宣言書を作成、国連、アメリカ合衆国政府、旧ソビエト連邦にこれを提出したが、この宣言書に対しての異議申し立て等が無かった為、月の土地を販売して権利書を発行するというビジネスを開始した》と解説されていた。現在、いかほどの土地が、いかほどの個人に売られているのか判らないが、もしかするとアポロ11号のアームストロング船長は私有地に許可なく踏み込んだ可能性もあり、将来月面基地が建設される際には地権者から借地料を求められたり、日照権訴訟を起こされる可能性も無しとしないようにも思える。

 会期末恒例の内閣不信任案も提出・否決され、立民・公明が競って骨抜きした外国人土地規制法が成立し、と消化試合に入った国会であるが、宇宙資源法のように20年30年後には大きな意味を持つかもしれない法律もひっそりと成立している。会期末に一括上程されて華々しく審議・討議されることもなく一括採決される法案については衆目を浴びることもないが、宇宙資源法について将来の国民は「先見性・慧眼」と評価するのだろうか、それとも「大いなる足枷・愚則」と切り捨てるのであろうか。


G7かD10か

2021年06月14日 | 社会・政治問題

 今年のG7が閉幕した。

 今回のG7には、韓国・インド・オーストラリアがゲストとして招待されて、所謂D10の枠組みで開催された。
 G7のこれまでを振り返ると、1973年に、日・米・英・仏・西独の財務大臣が経済・金融政策について会議を持ったことに端を発しているが、資本主義世界が共産主義陣営に対抗するためには経済政策以外の政策全般に共同歩調が必要との認識が生まれ、1975年にはG5首脳会議が開催されることになった。その際、枠組みを外されたイタリアが強引に開催地に押し掛けたために実際はG6で開催された。ソ連邦の解体を受けて1998年から2014年のクリミア併合まではロシアも参加してG8となった。このように、G7は条約に基づくものではなく「自由、民主主義、法の支配、人権と言った基本的な価値観を共有する主要国の枠組み(元外務大臣の岸田文雄氏)」とされている。このために常設の事務局は無く、会議の主要テーマやゲスト招待国の選定は持ち回りの議長国に一任されている。G7では貿易、安全保障、経済、気候変動などのグローバルな問題の歩調調整が注目されるが、近年では対中国政策が注目されることが多い。
 中国の経済成長は著しいが、世界のGDPの40%を占めているとされるG7の強固な結束は中国にとって致命的な打撃であるが、今回のサミットでもフランスとドイツが中国問題についてはアメリカと一線を画すことを表明するなど、最早G7と雖も中国の影響を完全には排除できない状況であるように思える。
 既に経済力で日本を凌駕したと豪語する韓国は、今回のゲスト国であるインド・オーストラリアと共に正式なメンバー入りを渇望しているとされるが、他のメンバーに比べて経済的に中国依存度が高いこと、北朝鮮へのビラ配布を罰則付きの法律で禁止したことが人権侵害に当たるとの批判の声が高いことから、印・豪を迎え入れるG9はあっても、韓国をテーブルに招くD10は対中姿勢と対人権姿勢の弱体化に繋がりかねないので時期尚早との見方が強いようである。
 では、日本の対中姿勢はG7の優等生かと問われれば、政治的には一つの中国(台湾排除)を閣議で再確認し、新疆ウィグル・香港を念頭に置いた国会の人権決議は媚中勢力によって名指し批判を避け、経済的には引き続き中国をサプライチェーンの一角とする多国間協調主義が持論の十倉雅和氏を新経団連会長に選出し、と韓国より「稍マシ」な程度であり、これ以上の中国傾斜はG7から外されることさえ考えなければならないように思える。

 今回のG7では日韓首脳の接触も注目されていたが、結果的には「挨拶」の儀礼的接触に留まったようである。G7を始めとする国際会議では、首脳接触の度合いによって上から、会談→立ち話→挨拶というランク付けがあるようで、今回は日韓双方が「立ち話」すら設定しなかったようであるのは当然であろうか。
 ソウル中央地裁が韓国大法院の判例を破って徴用工訴訟に原告敗訴の判断を下したことに代表されるように、韓国法曹界も法治国家としての体面を模索する方向に動いているようではあるが、大法院長が「文政権の番犬」とまで酷評されるようでは、条約と国際法遵守が基本であるG7のテーブルには辿り着けないように思える。


オオカミ犬を学ぶ

2021年06月13日 | 社会・政治問題

 長野県でブリーダーに飼育されていたオオカミ犬が逃げ出し、無事に保護(捕獲)されたことが報じられた。

 犬事情に暗いこともあって、オオカミ犬とは何ぞや、と調べて見た。
 ウイキペディアの記述を要約すると《狼犬(おおかみいぬ、ろうけん)はイヌとオオカミの交雑犬で、英語ではウルフドッグなどと呼ばれる》《オオカミとの交配はシベリアン・ハスキー等の大型犬と行われ、オオカミの血が75%以上のものをハイパーセントと呼び、外見がオオカミにより近いために好まれる》《知能は高く、性格的には独立性・野生味が強いために警戒心が強い反面、信頼関係が築ければ家犬よりも従順である》とされているが、管理が難しいことから日本での飼育頭数は少ないらしい。
 一方、生まれ育った九州では、古老から聞いた昔話には「狼が人に憑いた犬神様」がしばしば登場した。筋立ての詳細は忘れたが、犬神様は人間に対して、ある時は富貴・恩恵を与えたり、ある時は害を為したりと、説明の煩わしい展開は全て犬神様で片づけられていたように記憶している。柳田国男氏ほどの知識欲と好奇心が有れば収集・記録していたであろうが、笑ったり・怯えたりで終わってしまった。
 犬神様についての自分の経験はその程度であるが、ウィキペディアに記述された「犬神」信仰は複雑かつ陰湿で、民差別と同様に村八分の対象であったり、結婚話が壊れたりという悲劇があったとされている。1977(昭和52)年に出版された「日本の憑きもの 俗信は今も生きている(石塚尊俊著)」では、《犬神信仰は、キツネ憑きとともに、西日本に最も広く分布する憑き物で、近年まで、大分県東部、島根県、四国の北東部から高知県一帯においてなお根強く見られ、大分県速見郡山香町(現・杵築市)では、実際に巫女がこのように(手段:略)して犬の首を切り、腐った首に群がった蛆を乾燥させ、これを犬神と称して売ったという霊感商法まがいの事例があり、しかもこれを有り難がって買う者もいたという》となっているが、犬神様が昔話の範疇になっていたという自分の体験から見ると眉唾のように思わざるを得ない。

 千葉県で怪鳥が捕獲され、神奈川県ではニシキヘビが屋根裏に潜み、と続いた飼育動物の逃亡・捕獲劇に狼犬が加わったが、いずれも飼育・管理が難しく、素人が飼えるものでは無いように思える。
 アライグマ・ミーアキャット・インコは野生化して今や全国に広がり、ブラックバス・ブルーギルによって日本の古来魚種は激減しているとされる。動物愛好者は奇種を好んで絶滅危惧種にまで入手を試み、素人でも容易に飼育できる動物は繁殖力が旺盛であるために逃げた場合には生態系を壊しと、自然界と人間界のバランスを保つことは容易ではないようであるが、オオカミ犬と聞いて犬神様に辿り着く発想も、自慢できるものでは無いだろう。と反省。