ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

発達障害の生きづらさが涙を誘う プロチチ(逢坂みえこ)

2011年12月31日 01時01分56秒 | 障害者の自立
 ひと言で言うと、育児漫画だ。しかし、育てるのはママではなく、専業パパであるという点が多くの育児漫画と違う。アスペルガー症候群の男性・直が、編集者として働く妻・花歩(かほ)との間にできた一人息子・太郎を、専業パパとして育てる日々を描いている。

 アスペルガー症候群とは、ざっくりいえば、知的には問題がないのに、社会性が学べない、臨機応変に対応できないなどの症状を抱えることである。対人関係が築けないなどの困難があり、本人は生きづらい。直も生きづらさを抱える一人で、一流大を卒業して就職するが、お世辞を言えない、人の顔を覚えることができない、などが問題となって職場を追われてきた。

 基本、育児の日々を描いたコメディーなのだが、随所で描かれる直の生きづらさが涙を誘う。最近涙もろい私は電車で読んでいて泣いてしまった。

 赤ん坊が泣き続けている。なぜだろう。ミルクを1回とばしたからか? 散歩にいかなかったからか? このまま死んでしまうのか? 直は不安が引き金となってパニックに陥り、過去の辛かった場面が脳裏にありありとよみがえってくる。特有の症状ではあるのだが、不安の悪循環に陥ることは誰でも覚えがあるだろう。そして、「発達障害ではないか」と言われた場面を思い出し、ネットで調べて、アスペルガーの顕著な症状すべてが自分にあてはまる、と愕然(がくぜん)とするのだ。

 「怠けていたわけじゃなく、性格が悪いわけでもなかったんだ」と帰宅した花歩に喜んで報告する場面が胸に痛い。これまでどれだけ自分を責めてきたのだろう。

 敏腕編集者として残業続きで登場場面は少ないが、花歩の存在は大きい。辛い場面ばかり再生する直の脳は、直を肯定してくれる花歩のひと言で、一転して幸せなシーンばかりを再生する。結婚式、太郎の誕生、海でのデート・・・。「楽しいもの美しいものばっかりだ 僕の脳はまんざらでもない 少なくとも今日は嫌いじゃない」と直は思うのだ。直とともに、読者も一挙に救われる。

 花歩は直がアスペルガーと気づいていたわけではなく、ただその誠実な人柄を愛した。直の対人緊張を陰で笑い物にしていたママたちに花歩が言う。「あの人が口に出すのはホントのことだけ ヘンどころじゃない 特別まともな人なのよ」。こんなに堂々と自分のことを肯定してくれる人を伴侶として得た直はなんと幸せ者なのだ。

 著者の逢坂は来年でデビュー30年。彼女の代表作「永遠の野原」「ベル・エポック」などと青春をともに過ごしてきた私にとって、彼女は常に私の一歩先をゆく、先輩のような、ちょっと見上げるような存在である。実生活でも、彼女は1男の母と聞く。これを男性誌「イブニング」に掲載してくれてありがとう。世の男性たちに、育児の大変さと、アスペルガーの生きにくさを身近に教えてくれて。逢坂でなくてはこの真実をコメディータッチで描くことはできなかっただろう。続巻が待たれる作品である。


プロチチ[作]逢坂みえこ(講談社

朝日新聞 -2011年12月30日

 「特例子会社」を県内初認定 新潟

2011年12月31日 00時59分04秒 | 障害者の自立
障害者の雇用促進へ企業が設立

 巻公共職業安定所は28日、障害者の雇用促進のために企業が設立する「特例子会社」として燕市の医療器具研磨業「アイコール」(板垣政之社長)を県内で初めて認定した。

 企業には障害者の法定雇用率(1・8%)が課せられているが、特例子会社で雇った障害者は親会社が雇ったとみなされ、雇用率に合算できる。

 アイコールは、現金自動預け払い機(ATM)などを製造する「アイテックス」(燕市)の子会社で、全従業員17人のうち6人が障害者。認定にあたって安全に配慮した研磨機械を導入したほか、障害者の指導などを行う障害者職業生活相談員を3人配置した。

 県内企業の障害者雇用率(6月1日時点)は1・54%で全国43位と低迷している。県は今年度、施設整備や研修などの費用を助成して特例子会社の設立を支援する制度を設けていた。

(2011年12月30日 読売新聞)

高齢者、共同で支え…活動「先進的」モデル事業に

2011年12月31日 00時57分53秒 | 障害者の自立
 青森市浅虫で医院を運営する医療法人・蛍慈会と、NPO法人「活(い)き粋あさむし」が共同で国に提案した地域住民を支える仕組みが、「先進的」としてモデル事業に選ばれた。

 高齢者用住宅を中心に医療や食生活の面でサポートする試みが2012年から本格的に始まる。

 国交省の「高齢者・障害者・子育て世帯 居住安定化推進事業」に、他の全国6事業とともに11月に選ばれた。活き粋あさむしがこれまで取り組んできた高齢者の食生活を支える活動を発展させる内容で、実現性が高いと評価された。蛍慈会が、運営する石木医院の隣接地に建設を予定している高齢者用住宅の設計費や建設費の一部に補助が出る。

 計画によると、12年秋にも入居が始まる高齢者用住宅は2階建てで、2階に高齢者が入居する40部屋を用意。1階に、これまで医院の近くで高齢者や地域住民に栄養価の高い食事と交流する場を提供してきた「浅めし食堂」が入る。生鮮食品を販売する店、住民が交流できるスペースも設ける予定だ。高齢者住宅と医院は室内で行き来できるようにし、利便性を高める。

 事業が終わる2013年度末までに、高齢者やその家族の不安が取り除けたかといった観点で事業を検証する。将来の運営に役立てるとともに、他団体の活動の参考になることも狙いだ。活き粋あさむしの三上公子事務局長は「医療とNPOが連携した取り組みが評価された。両者一体となって、地域により良いサービスを提供し、活性化につなげたい」と話していた。

(2011年12月30日 読売新聞)


触法精神障害者:入院施設計画 県医療観察病棟の建設凍結を要請--日精協県支部 /滋賀

2011年12月31日 00時55分25秒 | 障害者の自立
 日本精神科病院協会県支部は28日、県が計画する触法精神障害者の入院施設「医療観察病棟」の建設凍結を求め、嘉田由紀子知事宛てに声明文を送った。同施設は▽患者への治療有効性が実証されていない▽必要性が明確に説明されず、地域住民の理解を得ていない--などとしている。

 心神喪失者等医療観察法(05年施行)に基づき、刑事責任を問えない精神障害者のための入院施設で、県立精神医療センター内(草津市笠山8)に建設を予定。同協会の畑下嘉之支部長は「法施行後の実態や効果を検証する時期なのに、不明・疑問点が多い。精神医療で連携が必要となる我々にも説明が少ない」と話した。

毎日新聞 2011年12月30日 地方版

学習会:障害者と健常者、分け隔てない教育を--来月7日、札幌 /北海道

2011年12月31日 00時53分08秒 | 障害者の自立
 障害者が健常者と分け隔てなく一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」の実現を目指す学習会が、1月7日午後1時から、札幌市中央区南3西12の道教育会館で開かれる。当事者や保護者、教育関係者らのシンポジウムもあり、実現に向けた課題などを話し合う。

 市民団体「インクルネットほっかいどう」(山崎恵代表)が結成1周年を記念して企画した。8月の障害者基本法改正でインクルーシブ教育推進への配慮が盛り込まれた背景について、内閣府障がい者制度改革推進会議のメンバーを務めた「ピープルファースト北海道」の土本秋夫代表が報告する。

 山崎代表は「インクルーシブ教育を望む子供や保護者は多いが『教育条件が整っていない』とあきらめている。それを変えるきっかけにしたい」と話す。参加費500円。問い合わせは「地域生活きたのセンターぱお」(011・889・6560)。

毎日新聞 2011年12月30日 地方版