ゴエモンのつぶやき

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脳性まひの小児科医・熊谷晋一郎さんインタビュー全文(5)発達障害、痛み…研究範囲広げる

2011年12月27日 02時01分23秒 | 障害者の自立
 ――現在は、診療だけでなく、研究活動に力を入れているのですね。どんな研究でしょうか。

 5年前に大学院に戻り、2年前からここの特任講師になりました。週3回は民間のクリニックで外来診療を続けていますが、それ以外は研究活動です。

 取り組んでいるのは発達障害の当事者研究です。実験するのではなく、発達障害の当事者の語りを私が聞き取り、その障害がどんなものなのかを理論化し、従来の概念にとらわれず、定義し直す研究です。

 アスペルガー症候群という発達障害を持つ綾屋紗月さんに大学時代に出会い、共同研究を進めています。アスペルガー症候群は自閉症の一種で、私が関心を持つ「見えない障害」です。従来の医学上の定義では、コミュニケーションの障害とか、社会性の障害とされていますが、これはおかしいと思います。コミュニケーションは複数の人で交わされるのに、すれ違いを一方のせいにしているからです。もちろん本人の特性もありますが、例えば、日本人と米国人が何かの問題で対立した時に、どちらか一方のせいにできないのと同じことです。

 例えば、聴覚障害は聴覚に原因があるからコミュニケーションに支障が出ます。同じように、アスペルガー症候群も、何らかの原因があるから、結果として社会性の問題が生じているのです。その本当の原因が分かれば、身体障害者用に社会がバリアフリーを工夫するように、アスペルガー症候群の人のために社会の側でもやるべきことがより明確になるはずです。

 当事者の内面の感覚を、他人に伝わる言葉で理論化したいのです。その研究成果を一般化するのは慎重になる必要がありますが、自閉症の子どもを理解する時、「本人には、こんな世界が見えているのだな」と考えるのに役立つはずです。すでに研究成果を、綾屋さんと共著で「発達障害当事者研究」(医学書院刊)にまとめています。私たちが立てた仮説に関心を持ってくれる人は多く、哲学の先生やロボット研究者などとも議論しながら、研究を深めています。


 ――ほかには、どんなことに興味を持っているのですか。

 痛みの研究にも取り組んでいます。私のような脳性まひによる身体障害は、従来は「進行しない」と言われていましたが、30歳を超えるとガタガタと悪化する人が多いのです。痛みも深刻です。日本は、そういう人たちを支える社会になっていません。痛みの研究会には、脳性まひだけでなく、他の原因で慢性的な痛みを抱える様々な人たちが参加しています。

 このような私の研究活動の根本にあるのは、障害者の自立の思想です。障害を本人のせいにして社会的に排除するのではなく、社会の方にも問題があることを指摘したいのです。そうした視点で研究を続けながら、研究成果を医療の現場に戻していければなあと思います。(終わり)

(2011年12月26日 読売新聞)

大学NOW:日本福祉大福祉工学科バリアフリーデザイン専攻(愛知県半田市)

2011年12月27日 01時54分35秒 | 障害者の自立
 ◇目標は1級建築士と社会福祉士の2資格取得 施設で実習、設計に生かす

 高齢化が加速し、住宅などのバリアフリー化は喫緊の課題だ。こうした建築・設計需要に応えて「福祉に強い理工系」の人材育成を目指すのが、日本福祉大健康科学部の福祉工学科バリアフリーデザイン専攻だ。学生は、1級建築士と社会福祉士の資格のダブル取得を目標にしている。

 「障害者用トイレの改修案」「住宅の全面リフォームによるバリアフリー化」--。3年生から始まる建築案づくりの課題例だ。同学部の田中賢准教授は「かつては健常者向けの建築が当たり前だったが、今は違う。介護や福祉関連施設が増え、福祉に強い建築専門家のニーズが高まっている」と説明する。

 社会福祉士の資格は在学中に取得が可能だが、合格率は約30%。1級建築士は卒業後に一定の実務経験が受験の要件で、合格率10%程度の狭き門だ。それに備えた学業カリキュラムはおのずと厳しくなる。3年次から始まる実務に沿った課題をこなすため、1、2年時に建築と福祉の基礎を身につけなければならない。取得すべき単位数が多いため、学生には前向きに授業に臨む姿勢が求められる。

 福祉施設などで実習を積み、障害者や高齢者と触れ合う講座も設けられている。東京都出身の倉持奈穂さん(20)=2年=は学生生活について「祖母の介護経験からバリアフリー設計に興味を持った。夜遅くまで設計図を描いたり、勉強は大変だけど充実しています」と話す。

 川内恵さん(20)=同=は、進学先を迷った末、「福祉と建築が両方学べる大学は珍しいと思って選んだ」。同じく2年の後藤万由夏さん(20)も「入学前は建築に興味があったが勉強するうちに福祉にも関心が湧いてきた」と満足そうだ。1期生は来春卒業だが、住宅メーカーや設計事務所に就職が内定している学生も多いという。

 田中准教授は「障害の状況や程度は人による。建築実務では一般的なマニュアルが通用しない面も多い」とバリアフリー設計の難しさを語る。「資格は努力を表す証しでもある。福祉実習の経験で得た貴重な視点を、設計にも生かしてほしい」。大手住宅メーカーで長年介護施設の設計に取り組んだという田中准教授は、学生たちの飛躍を期待している。

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 ★1953年開学の福祉系短大を前身に、57年に日本初の4年制社会福祉学部を有する大学に。健康科学部は、情報社会科学部を改組する形で08年に設置された。バリアフリーデザイン専攻では、里山づくりなど環境系のまちづくりも学べる。他に健康情報専攻がある。


住宅模型を使ってバリアフリーの設計案を話し合う田中賢准教授(左)と学生たち=愛知県半田市の日本福祉大で

毎日新聞 2011年12月26日 東京朝刊

ゆず、チャリティ・ミュージックソン完走

2011年12月27日 01時49分58秒 | 障害者の自立
 人気デュオ、ゆずが25日正午、12年ぶりにメーンパーソナリティーを務めたニッポン放送「第37回ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」を無事“完走”した。

 前日正午から24時間にわたり、視覚障害者のための「音の出る信号機」を設置する募金をリスナーに呼びかけた2人は、大役を終えホッと一息。

 北川悠仁(34)は10月にフリーアナウンサーの高島彩(32)、岩沢厚治(35)も9月に同年代の一般女性と結婚したばかり。夫婦水入らずのクリスマスは返上となったが、2人とも「東日本大震災の被災地からも多くの寄付があり、ありがたかった」と充実した笑顔を見せた。

 北川は今年1年を「それぞれ結婚して、また新たな一歩を踏み出せた」と振り返ったが、新婚で迎える正月には「年末は紅白、来年は僕ら(結成)15周年なので、あんまり休めないんじゃないかな」と苦笑い。

 番組内では筑波大付属視覚特別支援学校の生徒26人から手紙を贈られ、涙ぐむ場面も。今年の募金額は25日正午時点で総額4781万8635万円に到達。募金は来年1月31日まで受け付ける。

サンケイスポーツ(紙面から)2011.12.26 05:02


「安全配慮義務」どう判断

2011年12月27日 01時42分27秒 | 障害者の自立
横浜市「傷と技因果関係は不明」

 横浜市立奈良中で2004年、当時中3の男性(22)が柔道部の顧問だった男性教諭(33)に技をかけられ重傷を負ったとして、男性と両親が教諭と市、県を相手取り、計約1億8600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、横浜地裁で言い渡される。

 男性は今も後遺症に苦しむ。両親は事故をきっかけに「全国柔道事故被害者の会」を設立し、相次ぐ事故の防止を訴えている。(二俣友香)


事故と後遺症

 事故が起きたのは04年12月24日。訴状によると、当時、横浜市立奈良中(青葉区)で柔道部顧問だった教諭が部活の練習中に、部員だった原告の男性に投げ技や絞め技を繰り返した。男性は意識不明で救急搬送され、急性硬膜下血腫などの重傷を負った。


 父親の小林泰彦さん(65)らによると、男性は記憶障害などの重い後遺症が残り、大学進学を断念。現在は障害者として飲食店従業員に採用され、週に半分ほど働いている。同時に複数の作業や会話をすることが困難だったり、階段が立体視できなかったりするなど、日常生活に支障があり、「将来をすべて奪われた」と話しているという。

経緯

 県警は07年7月に教諭を傷害容疑で書類送検したが、横浜地検は嫌疑不十分として不起訴とした。その後、横浜第1検察審査会が不起訴不当としたが、同地検は09年12月、再び不起訴とし、捜査は終結した。


 男性と両親は07年12月、「教諭は故意に暴行を加えた」「市には安全配慮義務があった」として提訴。代理人の高木薫弁護士は、「裁判所がどこまで踏み込んだ判断を示すか注目している」と話す。一方、横浜市は「男性の傷と柔道技との因果関係は不明」などとしている。


 柔道練習中の事故を巡っては、長野県で当時11歳の男児が重傷を負った事故で長野地裁松本支部が今年3月、男性指導者に計約2億4000万円の支払いを命じたケースがある。その後、さらに増額した約2億8000万円を支払うことで和解が成立した。


事故死 28年で114人

 「議員という立場よりも、父親として母親として、柔道事故の実態を聞いてください」。衆院議員会館で今月16日、「全国柔道事故被害者の会」会長を務める小林さんが講演した。来年度に始まる中学の武道必修化を前に、国会議員や文部科学省の担当者らに事故事例などを説明。出席者から「認識が浅かった」「早急な対策が必要」との声が上がった。


 小林さんは事故後、ほかの事故事例を調べていくうちに全国の被害者家族と知り合い、10年3月、同会を設立。同会によると、中学、高校の柔道で起きた事故の死者は、統計資料がある1983年から2010年までの28年間で計114人に上るという。小林さんは「これまで原因究明や対策をしてこなかったから、これだけ多くの子供が犠牲になった。今すぐできることもあるはず」と話している。


講演後、国会議員と話す小林泰彦会長(右から2番目)と妻の恵子さん(左端)(16日、東京都千代田区の衆院議員会館で

(2011年12月26日 読売新聞)

ごみ収集支援利用低迷 佐世保

2011年12月27日 01時38分35秒 | 障害者の自立
◆ハードル高く現在5人
 市長、対策検討の意向



 傾斜地に住む、足が弱った高齢者や障害者の家へごみ回収に行く佐世保市の住民サービスが始まって5年目になるのに、利用する市民は現在5人しかいない。家族や知人にごみ出しが頼める人は対象外のため、利用のハードルが高いのが原因のようだ。


 この「ふれあい収集モデル事業」は2007年、ごみ出しが大変な斜面地が多い7地区をモデル地区として市がスタートさせた。対象はごみ出しが常時困難で親族や近隣の援助、介護保険など公的サービスの支援が受けられない人などに限られる。初年度は申請13件に対し認可5人、その後は申請も年4、5件に減った。認定された人は5カ年度の合計で70~94歳の15人にとどまっている。


 約6万7千人いる65歳以上の市民のうち、モデル地区には約2200人いる。6日の定例市議会の一般質問では、議員が「後ろ向きになって坂道を降りステーションまで運んでいる人もいる」と傾斜地のごみ出しの実情を紹介し、対象認可のハードルが高いのではないか、とただした。朝長則男市長は答弁で「何らかの対策が必要」と検討の意向を示した。

朝日新聞 2011年12月26日