ゴエモンのつぶやき

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“障害者用トイレ”数の確保重視へ

2012年11月11日 00時53分33秒 | 障害者の自立
公共施設や駅などにある広く段差のないトイレ、いわゆる障害者用トイレは、高齢者なども使いやすいよう国の方針でさまざまな機能が追加されましたが、その結果、利用者が増え、待たされて不便だという意見が寄せられるようになりました。
このため国は、これまでの方針を変更し、機能より数の確保を重視した新しいガイドラインの整備を進めています。

障害者用トイレは、車いすの人が利用しやすいよう広く段差をなくしたトイレで、国は、平成6年に施行されたハートビル法に基づいて、公共施設やデパート、それに駅などへの設置を進めてきました。
さらに平成12年の交通バリアフリー法の施行を受けて、国はガイドラインを作成し、高齢者のための手すりや、子ども連れのためのオムツ交換シート、それに人工肛門を使う人のための大型の水洗器具などを取り付けるよう求め、多機能化が進められました。
しかし、この20年近くの間に誰でも使いやすくなった反面、ひとつのトイレにさまざまな利用者が集中し、待たされて不便だという意見が寄せられるようになりました。
このため国は、広いトイレに多くの機能を集中させるのではなく、機能別にこれまでより小さなサイズの個室トイレを多く作ることで数を確保する、新しいガイドラインの整備を進めています。
公共施設や商業施設などについてはすでにガイドラインを改定し、駅や空港などについても今月中に見直しの案をまとめ、来年春までにガイドラインを変更する方針です。
バリアフリーに詳しい東洋大学の高橋儀平教授は「この20年でバリアフリーが急速に進んだことは評価できるが、今は、本当に利用しやすい環境になっているかが求められる段階になっている。ニーズを捉えてどのように整備していくか、転換点にさしかかっている」と話しています。

利用者に初のアンケート調査

いわゆる障害者用トイレの利用者を対象に、国土交通省が初めてアンケート調査を行ったところ、車いすの利用者の94%が「待たされたことがよくある」または「たまにある」と回答しました。
一方で、子ども連れの人も74%が「待たされたことがよくある」または「たまにある」と回答しています。
さらに、人工肛門などを使っている人も「待たされたことがよくある」または「たまにある」と回答した人が57%と半数以上に上り、多機能化が進み、誰でも使いやすくなった反面、不便だと感じている人も多くいる実態が明らかになりました

さまざまな人が利用する“障害者用トイレ”

街で聞くと、車いすの人だけでなく、さまざまな人がいわゆる障害者用トイレを利用していることが分かります。
このうち東京・新宿で、子どもをベビーカーに乗せて歩いていた母親は、「ベビーカーを畳み、子どもを抱えて狭い個室のトイレに入るのは大変なので、ベビーカーを使っているときは広いトイレに入るようにしています」と話していました。
別の母親も「ベビーカーは、入口が広いトイレでなければ入ることができないので、人の列が出来ていても広いトイレに入ります」と話していました。
また、80代の女性は「手すりがあるので広いトイレを使います。都心の人通りの多いところにある広いトイレはいつも使われていると感じます」と話していました。
一方、車いすの人からは、数を増やしてほしいという声も聞かれました。
車いすテニスの国際大会に出場している横浜市の二條実穂さんは「海外に比べ日本の障害者用トイレは機能が充実していて豪華ですが、数が少ないと思います」と話しています。
電動車いすより小回りの利く車いすを利用している二條さんの場合、今の障害者用トイレより小さなサイズでも車いすを回転させることができ、利用できるということで、「少し広めのものでよいので、数を増やしてほしい」と話していました。



NHK- 11月10日 16時21分