誰もが不自由なく読書できる「読書権」を考えるセミナーが三十一日、「本の町」として有名な千代田区神田神保町で開かれた。NPO法人大活字文化普及協会(千代田区神田神保町)が初開催。普及が進む電子書籍の可能性を、音声情報に期待する視覚障害者の視点から考えた。
視覚・聴覚障害者センター(堺市)所長で視覚障害者の岩井和彦さんが進行を務めた。この数年、日本点字図書館が本の音声録音をインターネットで配信するようになるなど音声メディアは増えたが、医療などの専門情報などは依然少なく、時間もかかると指摘。「タイムラグの解消を電子書籍に期待している」と述べた。
課題として、公共図書館のサービス導入や、普及啓発などを行う専門機関の必要性も指摘された。普及協会の理事長で小学館社長の相賀昌宏さんが電子書籍の現状などを話した。筑波技術大学の学生は、音声メディアの広がりとともに点字資料が減ることを危惧し、点字の重要性を訴えた。
「読書権」は視覚障害者が一九七〇年に提唱したのが始まり。「高齢化が進み、今や視覚障害者だけでなくすべての人にとっての課題だ」と普及協会事務局長の市橋正光さんは話した。
2014年6月1日 東京新聞
視覚・聴覚障害者センター(堺市)所長で視覚障害者の岩井和彦さんが進行を務めた。この数年、日本点字図書館が本の音声録音をインターネットで配信するようになるなど音声メディアは増えたが、医療などの専門情報などは依然少なく、時間もかかると指摘。「タイムラグの解消を電子書籍に期待している」と述べた。
課題として、公共図書館のサービス導入や、普及啓発などを行う専門機関の必要性も指摘された。普及協会の理事長で小学館社長の相賀昌宏さんが電子書籍の現状などを話した。筑波技術大学の学生は、音声メディアの広がりとともに点字資料が減ることを危惧し、点字の重要性を訴えた。
「読書権」は視覚障害者が一九七〇年に提唱したのが始まり。「高齢化が進み、今や視覚障害者だけでなくすべての人にとっての課題だ」と普及協会事務局長の市橋正光さんは話した。
2014年6月1日 東京新聞