障害者らが作った製品やサービスを積極的に利用しようと、県が二〇一三年度、県内の障害者施設から物品などを調達した実績は過去最高の約千九十二万七千円に上った。目標の千二百五十万円には届かなかったものの、県が率先して利用することで、障害者の活動に対する理解はじわじわと広がっている。 (神田要一)
県が利用したのは、イベントなどで関係者に配る弁当の購入、報告書やパンフレットの印刷、文書の細断作業、県有施設の除草などさまざま。一三年度は、百歳を迎えた県内の高齢者へのプレゼントとして、手芸品などの制作も依頼した。
それ以前も、県庁内では少しずつ実績が伸びてきた。〇九年度の約四百五十七万一千円から、一一年度は約七百六十七万三千円に増加。一二年度は約七百四十六万二千円だったが、一三年度はおよそ46%増と大幅に伸びた。
障害者の製品が積極的に導入されるようになったのは、昨年四月に障害者優先調達推進法が施行されたのがきっかけ。県は同五月、独自の「県障害者優先調達推進方針」を全国に先駆けて策定した。さらに利用を増やそうと、本年度の方針は千三百五十万円以上を目標に掲げた。
県だけでなく、一三年度は県内二十六市町(当時)の実績も総額約三千八百十九万七千円に上り、前年度比でおよそ90%増を達成した。
市町レベルで一三年度、独自の推進方針を策定したのは宇都宮市など十五市町あったが、本年度は全ての市町が作る見通し。
県障害福祉課によると、県内の障害者の賃金は月額平均で一万四千八百四円と、まだまだ十分とはいえない。県の担当者は「障害者の製品を広く知ってもらうことは、働く障害者の工賃アップにつながる」と期待する。
■知事、活用と周知を約束
県社会就労センター協議会の阿由葉(あゆは)寛会長らが二十五日、県庁で福田富一知事と面会し、障害者の製品などの利用拡大を要望した。
福田知事は、十月の第二十七回全国健康福祉祭とちぎ大会「ねんりんピック栃木2014」で、各会場を飾る花や弁当を障害者施設から購入すると説明。「市町、民間企業、県民に取り組みの輪を広げていくことが大切。幅広い場面で情報発信をしていきたい」と約束した。
県内の障害者施設で作られた製品。キャラクターをあしらったデザインも多い
2014年6月26日 東京新聞
県が利用したのは、イベントなどで関係者に配る弁当の購入、報告書やパンフレットの印刷、文書の細断作業、県有施設の除草などさまざま。一三年度は、百歳を迎えた県内の高齢者へのプレゼントとして、手芸品などの制作も依頼した。
それ以前も、県庁内では少しずつ実績が伸びてきた。〇九年度の約四百五十七万一千円から、一一年度は約七百六十七万三千円に増加。一二年度は約七百四十六万二千円だったが、一三年度はおよそ46%増と大幅に伸びた。
障害者の製品が積極的に導入されるようになったのは、昨年四月に障害者優先調達推進法が施行されたのがきっかけ。県は同五月、独自の「県障害者優先調達推進方針」を全国に先駆けて策定した。さらに利用を増やそうと、本年度の方針は千三百五十万円以上を目標に掲げた。
県だけでなく、一三年度は県内二十六市町(当時)の実績も総額約三千八百十九万七千円に上り、前年度比でおよそ90%増を達成した。
市町レベルで一三年度、独自の推進方針を策定したのは宇都宮市など十五市町あったが、本年度は全ての市町が作る見通し。
県障害福祉課によると、県内の障害者の賃金は月額平均で一万四千八百四円と、まだまだ十分とはいえない。県の担当者は「障害者の製品を広く知ってもらうことは、働く障害者の工賃アップにつながる」と期待する。
■知事、活用と周知を約束
県社会就労センター協議会の阿由葉(あゆは)寛会長らが二十五日、県庁で福田富一知事と面会し、障害者の製品などの利用拡大を要望した。
福田知事は、十月の第二十七回全国健康福祉祭とちぎ大会「ねんりんピック栃木2014」で、各会場を飾る花や弁当を障害者施設から購入すると説明。「市町、民間企業、県民に取り組みの輪を広げていくことが大切。幅広い場面で情報発信をしていきたい」と約束した。
県内の障害者施設で作られた製品。キャラクターをあしらったデザインも多い
2014年6月26日 東京新聞