日南市立中部病院(竹中晃司院長)リハビリテーション科は、大規模災害時における市内25カ所の指定避難所などを訪問し、段差やトイレの調査を行っている。災害時に避難した場合の、高齢者や障害者の利用環境を把握するためで、結果は市の危機管理部門に報告する予定。
【写真】まなびピアのトイレを調査する理学療法士たち
日南市立中部病院(竹中晃司院長)リハビリテーション科は、大規模災害時における市内25カ所の指定避難所などを訪問し、段差やトイレの調査を行っている。災害時に避難した場合の、高齢者や障害者の利用環境を把握するためで、結果は市の危機管理部門に報告する予定。
【写真】まなびピアのトイレを調査する理学療法士たち
キャンパスにある50種400本以上の桜をめでる「府大花(さくら)まつり」が8日、堺市中区の大阪府立大であった。満開の桜の下、市民が自然観察にも参加し、雨の一日を楽しんだ。
大学のシンボル園池(通称・府大池)は桜の名所でありながら、かつてはごみが散乱。改修を機に、ほとりの桜並木を一般にも楽しんでもらおうと2010年に同まつりが始まった。
メインテーマは「ネイチャービュー」。教授や学生の手引きで府大池水質調査ツアーが行われ、水生植物の光合成によって水が浄化される仕組みを学んだ。タブレット端末による桜の観察会、放射線や獣医学を知るコーナー、障害者スポーツとして注目された「ボッチャ」の体験もあり、終日にぎわった。
大学祭に毎年来るという堺市北区の越智春菜さん(11)は「春は初めて来たけど桜がきれい。理科が好きなので水質調査も楽しかった」と喜んでいた。
指導員千葉さん 重い障害、介助受け交流
一関市の中里市民センターの放課後子ども教室で、重度の障害を持つ女性が指導員を務めている。実際に活動をサポートすることは難しいため、子供たちが集うホールで共に過ごすという形で参加。介助を必要とする指導員との交流を通し、子供たちも思いやりの心を育んでいる。
女性は、同市中里の千葉一歩さん(26)。CFC症候群という先天性の難病のため、生まれつき手足の自由が利かず、言葉を発することもままならない。19歳の時に脳出血になり、気管切開手術を行ってからさらに障害が重くなり、現在は母親の淑子さん(55)に支えてもらいながら車椅子での生活を送っている。
一歩さんが指導員となったのは、同教室を実施している中里まちづくり協議会に淑子さんが参加していたのがきっかけ。淑子さんは「年齢以外の条件がないなら、娘と一緒に」と引き受け、2016年10月から運営を手伝っている。
会場準備や活動のサポートなど動きを伴う仕事はできないが、一歩さんが指導員になってから子供たちの意識も変化。遊びの途中でも車椅子の移乗を自主的に介助したり、自分で作った工作をプレゼントしたりするなど、子供たちから積極的に交流するようになった。
徐々に介護の気持ちも芽生え、高橋宥葵さん(中里小学校2年)は「(千葉さんの体は)軟らかくて、温かい。これからも体の不自由な人を見たら助けたい」と笑顔を見せる。
同協議会の辻山慶治会長は「同じ空間にいることで障害を持っている人をより身近に感じ、子供たちの優しい心が育つ。一歩さんも立派な役割がある」と一歩さんと子供たちの交流を温かく見守る。
淑子さんは「見ているだけで役割を果たせない後ろめたさもあったけど、会員の皆さんから『一歩さんには、一歩さんの働きがある』と言ってもらえて救われた」と同協議会の対応に感謝。「高い意識を持つ人、認めてくれる人が多ければ、障害を持つ人でも働くことができると改めて感じた。他の子ども教室でも同じような指導員が増えていってほしい」と話し、障害を持つ人と健常者が互いに尊重し合う社会の実現を願っている。