宮崎県内の障害者や支援者らでつくるNPO法人、障害者自立応援センターYAH!DO(ヤッド)みやざき(宮崎市)が、パキスタンの女性障害者の支援に取り組んでいる。パキスタンでは女性障害者の社会環境の劣悪さが課題という。昨年9月に応援基金をつくり、広く寄付を呼びかけている。
ヤッドみやざきの山之内俊夫副理事長が、2年前の夏、支援の一環でパキスタン東部ラホールを訪問。現地の障害者グループ「マイルストーン」と交流した。その際、女性障害者が置かれた苦境を知ったことがきっかけとなり、基金設立へ動いた。
山之内さんによると、パキスタンでは女性障害者が自立して生活するのは困難という。そもそも女性が社会参加することに対する風当たりが強く、家族は障害者を外に出したがらない傾向がある。このため女性障害者は、感情や思いを誰かと共有することがなく心理的な問題を抱える。不衛生や医療的ケアの不足も指摘されている。
連で、障害のある人が障害のない人と同等の生活を営むために必要な「合理的配慮」について言及した「障害者権利条約」が採択されたのは2006年。山之内さんは「現実はまだまだ遠いですけど、障害のある僕たちに国境は関係ない。障害のある人の生きづらさに深く共感する」と話す。他国を支援することが日本の障害者福祉の後退を阻止する強い歯止めにもなるという。
基金は、パキスタンの女性障害者リーダーの育成など障害者グループの活動資金に充てられる。これまで50万円程度を送金した。
振込先は「ゆうちょ銀行」で、店名「七三八」、店番「738」、口座名「特定非営利活動法人障害者自立応援センターヤッドみやざき」。
口座番号は普通預金「1807987」。問い合わせはヤッドみやざき(0985・31・4800)。
朝日新聞 2019年4月30日