「施設」の協力仰ぎ採用
障害者アートをビジネスに結び付ける試みが、本県でも進んでいる。花巻市の福祉関連業・ヘラルボニー(松田崇弥社長)は同市のるんびにい美術館所属アーティストの絵を複製商品化し、北上市のガス製造販売・北良(笠井健社長)が県内企業では初めて購入した。障害者の多くは懸命に自立・自活の道を探っている。新たな収入をもたらし、地域社会が支える機運が高まると注目される。
販売した作品は、るんびにい美術館の佐々木早苗さん(56)、高橋南さん(27)の絵のデジタルデータを複製・額装したもの。額は花巻市の小友木材店(小友康広社長)が県産材で制作した。北良がヘラル社から購入し、会議室兼応接スペース2室にそれぞれ飾った。
佐々木さんの作品はボールペンで同心円を重ねた絵で、高橋さんは暖色のクレヨンなどを使って仕上げた。笠井社長が部屋の壁色のイメージに合わせて選び、会議室も2人の名前にそれぞれ変えた。27日は、北良にヘラル社の松田文登副社長(28)と佐々木さん、高橋さんらが来社。自らの作品がオフィスを彩る様子に目を細めた。
佐々木早苗さんの作品を前に喜ぶ(左から)松田文登副社長、笠井健社長、高橋南さん(手前左)、佐々木さん
2019.05.30 岩手日報