ゴエモンのつぶやき

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障害者と共生理解深める 福大付属中で「あいサポート運動」講座

2019年05月19日 11時38分48秒 | 障害者の自立

  全国国立大付属学校PTA連合会と鳥取県が連携して取り組む「あいサポート運動」の講座は十七日、福島市の福大付属中で開かれた。障害者との共生を進める事業の一環で、生徒は障害の種類を学んだり、車いす体験をしたりして理解を深めた。

 三年生約百四十人が参加した。同連合会の板倉雄一郎副会長(元福大付属中PTA会長)らが講師を務めた。生徒は障害がある人への接し方などを学んだ後、基本的な手話や車いすで段差を越える方法を練習した。研修後、日常生活で簡単な手助けができる「あいサポーター」の証しとなるバッジが配られた。

 参加した菅野泰祐さん(14)は「街中で困っている障害者の方がいれば、気軽に声を掛けていきたい」と話した。

 運動は、鳥取県が全国に先駆けて二〇〇九(平成二十一)年にスタートさせた。あいサポーターの養成を通じ、共生社会の実現を目指している。子どもが対象の研修講座は全国でも初めてという。


発達障害男性、母と菓子店 岐阜にオープン

2019年05月19日 11時10分26秒 | 障害者の自立

 「誰もが必要とされ、輝き、仕事をする。特別ではなく自然なこと」。岐阜市又丸村中の真崎由宇(ゆう)さん(49)が五月、発達障害がある長男貴匡(たかまさ)さん(24)と営む菓子店「しあわせおやつ工房ひろがる」を同市曽我屋の県道沿いに開設した。息子自身が笑顔になれる新時代の出発点。人の役に立とうと働く姿から、障害への理解が広がることを望む。

 白を基調にした店内の真新しい棚に、袋詰めした穀物加工食品グラノーラなどが並ぶ。店の営業は毎週水-土曜。貴匡さんは午後二時まで焼き菓子を作り、その後は店頭で接客もする。

 「僕たち障害者は、お母さんみたいに楽しいことを仕事になんてできないんだよ」。二人三脚で菓子作りが始まったのは、息子の一言がきっかけだった。

 特別支援学校高等部を卒業した貴匡さんは、二年ほど前まで郵便局で清掃の仕事をしていた。帰ると疲れた顔しか見せず、午後八時には床に就く毎日。すっかり笑顔が消えていた。

 コミュニケーションが難しい軽度の発達障害と分かったのは中学一年のころ。由宇さんは「人が決めたルール」と障害を意識しない環境を整えてきたつもりだった。「安定した会社に入ってくれた」と安心したのもつかの間。息子のつらさに気づいてやれず、頭をがつんとたたかれた気がした。

 貴匡さんが郵便局を辞めた少し後。由宇さんが、マッサージサロン経営の合間に趣味で作ったグラノーラを友人に配ると「この子も焼けるんじゃない?」と言われた。貴匡さんも以前から、母のレシピ本を見てアイスクリームなどを作っていた。「喜怒哀楽を出せる日常が過ごせるなら、お金はなくても何とかなる」。そう思いたった。

 自宅から十分の実家の離れに冷蔵庫とオーブンを置き、貴匡さん専用の工房にした。市販品にないざくざくした食感が出る焼き方を工夫。クルミ、オートミールなど無添加の食材を選び、貴匡さんが生地を丹念にこねる。こだわりを理解してくれるカフェや雑貨店に置いてもらうと、少しずつ評判になった。

 今月オープンした店内で、商品棚のグラノーラを確認する真崎由宇さん(右)と貴匡さん。インターネット販売もしている

(左から)薬草を混ぜた焼き菓子、グラノーラ、日本酒入りカステラ 

 昨春に一般社団法人「ひろがるいえ」を設立し、市内の美容室跡に店舗を開設することにした。法人と店名の由来は、貴匡さんの中学時代のクラス目標「わたしはひろがる あなたもひろがる みんなひろがる」。誰もが可能性を持つという意味が込められている。

 グラノーラを焼く貴匡さんは「お客さんに喜んでもらいたい」と、笑みを浮かべる。平成の約三十年で、障害者と健常者との壁はずいぶん低くなった。それでも「普通の人と違う」という偏見がなくならない限り、息子たちが心から笑える時代は来ないと由宇さんは思う。「障害者ではなく『こういうタイプの子』ととらえ、困った人がいたら手を差し伸べる。そんなシンプルな社会になって」。グラノーラは百グラム七百五十六円(税込み)。問い合わせは同店=058(337)1561=へ。

2019年5月18日       中日新聞