ゴエモンのつぶやき

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「自由に本を」読書バリアフリー法案、超党派で提出へ

2019年05月23日 23時52分42秒 | 障害者の自立

 視覚や上肢の障害、発達障害などがある人の読書環境を整えようと、超党派の国会議員が今国会に「読書バリアフリー法案」を提出する見通しになった。

 18カ条からなり、「障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現に寄与する」とうたう。

 7条と8条では、国が読書環境整備の基本計画を定め、自治体に障害当事者の意見を反映した具体的な計画をつくるよう求めた。

 国や自治体が取り組むべき基本的施策も盛り込まれた。障害者が利用しやすい図書館の整備(9条)▽インターネットによるサービス提供の強化(10条)▽読みやすい書籍や電子書籍の製作支援、販売促進(11、12条)▽使いやすい電子書籍や端末など先端技術の研究開発(16条)などだ。

 法制定を求める動きは2008年ごろ始まり、日本盲人会連合、DPI(障害者インターナショナル)日本会議、弱視者問題研究会、全国盲ろう者協会の障害当事者4団体が、「自由に本を読みたい」と共同で取り組んできた。日本は昨年、障害者の読書環境整備をめざす国際条約(マラケシュ条約)を批准した。

 ログイン前の続き国内の点字図書や録音図書は現在30万タイトルほどで、国立国会図書館にある1千万タイトル以上に比べればわずかだ。音声で読み上げられる電子書籍も一部にとどまる。当事者団体の関係者は、そんな現状を「本の飢餓」と例える。

 超党派の「障害児者の情報コミュニケーション推進に関する議員連盟」(会長・衛藤晟一首相補佐官)が昨年に発足し、今年2月の総会で法案をまとめた。まもなく提案され、参議院で審議が始まる見込みだ。

 DPI日本会議の佐藤聡事務局長は「多様な障害が対象で、当事者の意見を聞くと明記されている」と法案を評価。弱視者問題研究会役員で筑波大付属視覚特別支援学校教諭の宇野和博さんも「図書館の人材育成や電子データを提供しやすくするなど、環境整備に大切なことが盛り込まれ、意義は大きい」と話す。

 自立生活センター東大和(東京都東大和市)理事長の海老原(えびはら)宏美さん(42)は、筋力が低下する難病の脊髄(せきずい)性筋萎縮症Ⅱ型。ブックスタンドを使って介助者にページをめくってもらって読んでいる。「病気で読書をあきらめている人はけっこうおり、(法成立に)すごく期待しています」。多くの自治体は、音声で読み上げる機器購入への助成対象を視覚障害者に限っており、海老原さんは対象拡大を切望している。

2019年5月22日         朝日新聞


「旅すること...諦めないで」 伊達の団体、障害者旅行支え20年

2019年05月23日 23時34分49秒 | 障害者の自立

障害者の旅行参加を推進するボランティア団体「障がい者の旅行を考える会」(伊達市)は6月、設立20周年を迎える。旅行は国内外で計73回実施し、延べ1320人が参加した。自身も重度障害がある代表の佐藤孝浩さん(55)は「旅行を諦めてほしくない。誰もが行きたい所へ行ける時代だから」と話す。

 「みんなで協力して旅行を成し遂げましょう」。旅行の冒頭、佐藤さんは決まって参加者に呼び掛ける。旅行には障害者や、通常の団体旅行には体力的に参加が難しい高齢者らが集まる。その家族らに加え、看護師やヘルパーの資格を持つ介助ボランティアが同行。互いに協力し、アットホームな雰囲気で各地を巡る。

 参加に障害の度合いは関係ない。佐藤さんが旅行の原案をつくり、旅行会社が企画、実施する。旅先での安全を配慮することに苦労も多いが、参加者からの「また連れていってください」という声をモチベーションに20年間、活動を続けてきた。

 佐藤さんは東京の建設会社に勤めていた24歳の時、労災事故で首の骨を折って肩から下の全身にまひが残り、車いすで生活するようになった。

 けがをする以前から旅行が好きだった佐藤さん。「二度と海外旅行はできない」と思っていたが、家族や親族の協力で事故から6年後にグアムへ。海外にも行けるという自信をつけ、その後も海外へ旅行するようになった一方、「旅行に行きたくても行けない人がいるのでは」と思いを募らせ、1999(平成11)年、会を設立した。

 会の旅行には毎回2人程度同行する介助ボランティアの存在が欠かせない。准看護師の資格を持つ郡山市の巻坂豊子さん(67)はボランティアを募集する新聞記事を見て昨年から参加するようになった。「体力は使うが、充実感がある」と今後もボランティアを継続していくつもりだ。設立当初、世間では「バリアフリー」という言葉すら認知されておらず、旅行先で参加者が不便さを感じることがあった。今では各地で車いす用のスロープが設置されるなど「ハード面」が整ってきた。

 佐藤さんは「ソフト面」でも変化を感じている。会の京都への旅行で、車いす数台が段差に困っていた時、修学旅行中の高校生たちが手伝ってくれた。「どこに行っても『手伝いましょうか』と声を掛けてくれる人が増えているんです」。佐藤さんはうれしそうに話す。

 20周年に佐藤さんは「皆さんが満足できる旅行を続けたい」と話す。会は今秋、国内、海外で旅行を実施する計画。

旅行は車いすが乗り降りできるリフト付きバスで巡る
 
2019年05月23日            福島民友ニュース
 

差別や偏見なくしたい・障害者の可能性信じて 「譲れぬ思い」1分間でプレゼン

2019年05月23日 23時24分10秒 | 障害者の自立

 1分間で自分の「譲れない思い」を語り尽くすプレゼンテーション大会「トーク・ユア・ウィル」(実行委員会など主催)が、仙台市宮城野区のシェアオフィスであった。宮城県内の高校生から70代まで23人が登壇し、自身の目標や経験、普段の活動などを短く簡潔に紹介し、思いを伝えた。  参加者が立つのは、聴衆が囲むように設置されたステージ。説明のスライドを見せたり、身ぶりを交えたりしながら、1人ずつスピーチした。  宮城県川崎町の矢吹美佳さん(44)は、参加する自閉症親の会「かわさきブルーレインボー」の活動に触れ、「差別や偏見をなくしたい。特別支援学級をテーマにした映画の上映会を始めた」とPRした。  「障害者が夢を実現し、やりたいことを自由にできる社会になってほしい」と語ったのは、青葉区の荒井省多さん(24)。視覚障害者で、就労支援施設に通う立場から「障害者や就労困難者の可能性を信じてください」と訴えた。  登壇者は多彩で、イスラム教徒の男性や、引きこもり生活から「ユーチューブ」への動画投稿を始めた学生らも参加した。  宮城大3年の武田莉愛(まりあ)さん(20)は大崎市のNPO法人「Avain(アバイン)」で地域活性化に取り組む。「個性を生かすまちづくりを進める米国ポートランドの大崎版を実現したい」と意気込みを語った。  発表を終えた武田さんは「キーワードをまとめて1分で説明するのは難しかったが、自分の目標や団体の活動を伝える良い機会になった」と満足そうだった。  大会はヤフー(東京)の企業内大学の伊藤羊一学長らが主催し、昨年7月から全国各地で実施。10月は宮城県南三陸町で開く。

多くの聴衆が見守る中、自分の思いを語り尽くした登壇者=仙台市宮城野区

株式会社河北新報社           2019年05月22日

 


障害者雇用法改正 「形だけ」拭えぬ不信感

2019年05月23日 14時03分14秒 | 障害者の自立

 就労支援事業所で訓練し、いざ試験に挑戦しても落ち続け「生きてる意味がない」。あるいは、ようやく就職が決まった喜びもつかの間、無理して働いたため体調を崩して休職。職場復帰をあきらめ、自殺未遂を図った…。

 身近でこうした悲しい出来事に接するたび、働きたいと願う障害者を取り巻く現実の厳しさを痛感させられる。

 そんな中、発覚した中央省庁の雇用水増し問題。職員に占める障害者の割合を計算する際、退職者や死者も加え、法定雇用率を達成したように見せかけていた。障害者は怒りや不信感を募らせる一方、「今後は働きやすくなるのでは」と期待する声もあった。

 その期待を後押しするはずの障害者雇用促進法改正案が衆院本会議で可決され、参院に送付された。今国会で成立する見通しだ。

 再発防止に向け、障害者の計上方法が不適切な場合、厚生労働省が他省庁や地方自治体に適正な実施を勧告できる権限を創設。働きやすい職場づくりに向けた「障害者活躍推進計画」を行政機関に策定させることも盛り込む。

 だが、障害者側の不信感は依然として根強い。厚労省という「身内」のチェックで、本当に再発防止になるのか。

 水増し問題をめぐっては、政府の検証委員会が、いつ誰が不正を始めたのかについてろくに調査せず、意図的ではないと結論付けた。形だけの検証で終わっただけに、再発防止策も形だけではないかという疑念が拭えない。

 中央省庁は急ピッチで採用を進めるが、かねて懸念されていた通り、民間との人材の奪い合いが表面化している。年末までに約4千人を採用する計画で、4月までに計2755・5人(短時間労働者は0・5人で計算)を採用。そのうち、民間企業の離職者は337人に上った。障害種別では、知的は全体のわずか1・9%にとどまった。

 財務省や国税庁などが求人に際し「自力で通勤でき、介助者なしで業務遂行が可能であること」などの条件を付けていたことも判明した。

 できれば雇いたくないが、仕方ないから、なるべく手間のかからない障害者を選ぶ。民間に範を示すべき中央省庁の本音が透けて見える。

 採用したものの、どう働いてもらうかについて、各省庁はきちんと考えているだろうか。雑用を押し付けるだけでは、定着は望めまい。障害者団体を交え現状を定期的に検証し、長く働ける職場づくりへ改善を重ねる必要がある。

 各省庁の職員が、担当分野の政策に障害者の声を取り入れ、より良いものにしていくという姿勢があればこそ、障害者もやりがいを持って働くことができるだろう。

2019.05.22         岩手日報


養蚕、障害者就労紡ぐ 下呂市の企業、福祉法人と共同事業

2019年05月23日 13時44分03秒 | 障害者の自立

 岐阜県下呂市森の産業廃棄物処理会社「マテリアル東海」は、グループ会社の社会福祉法人「さくらの花」(同市野尻)などと共同で大規模な養蚕事業を始める。障害者の就労支援と雇用の拡大、地域活性化が目的。戦後、農家の副業として、県内でも盛んだった養蚕は衰退して久しいが、令和の新時代にあえて挑む。

 連休明けの今月上旬、中津川市境に近い下呂市御厩野の山の裾野に広がる2千平方メートルの畑に、農作物生産などを行うマテリアル東海のグループ会社の社員や、さくらの花が運営する二つの就労支援事業所の利用者らが、桑の苗木約1400本を植えた。作業には県蚕糸協会(美濃加茂市)の役員も参加し、指導に当たった。

 マテリアル東海はグループ会社を通じて、住民から2ヘクタールの農地を借り、数年かけてカイコの餌となる桑を植栽する。6月にはカイコ1万匹を仕入れ、近くにある同社の倉庫で飼育を始める。

 同社の丁大介常務(29)は「昔、この地域でも盛んだった養蚕に興味があった。養蚕業は障害者らの雇用の拡大につながる。伝統の産業を令和の時代に復活させたい」と事業の目的を話す。5、6年後には飼育数は60万匹になる見込みで、約1・2トンの繭を滋賀県の製糸業者に出荷する予定。同社で生糸や工芸品などとして販売する計画もある。

 業務が拡大するにつれ、カイコの飼育や桑畑の管理のほか、生糸の製造などで人手が必要になる。現在、2事業所には利用者17人が在籍。就労能力の向上を目指し、市内の企業や病院などに赴いて働いており、今後、養蚕業にも携わる。さくらの花の松下香織理事(32)は「一つの仕事だけでなく、可能性を広げるためにいろいろな業務に挑戦し、経験することが大事。その中で利用者には個々の特性に合った仕事を見つけてもらう」と話す。

 普段は病院清掃などの仕事に就き、今回苗木を植えた女性利用者(21)は「畑での作業は初めてだが勉強になった。カイコは見たことがないけど、育てるのが楽しみ」と笑顔で話した。

 県蚕糸協会によると、養蚕を行う農家は1949年に県内で4万172戸あったが現在は10戸・グループ。県などの調べでは、下呂市内では2004年には4戸あったが13年からゼロになった。養蚕が衰退したのは中国から安価な絹糸が輸入されたのも要因という。

 丁常務は「生糸を将来、下呂の特産品にしたい」と意気込み、同協会は「和楽器の弦などに使われる絹糸は需要がある。岐阜県はかつて繭の生産量が東海北陸地方で最多だった。再び良質の物を送り出してほしい」と期待した。

 畑に植えた桑の苗木の枝切り作業を行う就労支援事業所の利用者ら=下呂市御厩野

畑に植えた桑の苗木の枝切り作業を行う就労支援事業所の利用者ら

2019年05月22日         岐阜新聞