農家のおじさんの手

昨夜
故郷のことを思い出していた
父親の汗や背中のこと
隣の家の牛のこと
そして 隣のおじさんのこと

父は勤め人の兼業農家だった

それで 週末や休日は
いつも農作業をしていた
また 年末などは
大牟田市などで
港湾の力仕事をしていた

体は大きかったが
長男坊で大事にされ
しかも腰が弱かったので
農作業や力仕事をするのは
父にとって大変だったろう

僕が今も思い出すのは
父親の背中と汗と作業服だ

父は時々隣家から牛を借りて
田畑の耕作をしていた
僕はヒトや動物を
うまく働かせるのが苦手なので
耕作を手伝いながら
父はよくできるなあと感心していた

牛の持ち主である隣家のおじさん

おじさんも 毎日よく働いていた
晴れの日も曇りの日も
そして雨や雪の日も
ほとんど休まずによく働いていた

休みの日や夕方に遊びに行くと
おじさんは時々家にいた
また我が家に来ることもあった

おじさんはたいてい煙草を
美味しそうに吸っていた
お酒が飲めないおじさんは
ヘビースモーカーだったと思う

牛を世話しているおじさん
農機具の手入れをしているおじさん
秋から冬には 縄もなっていた

藁（ワラ）は柔らかそうだが
手に持って捩ってみると
結構硬くで手強い素材だ

おじさんは 雨の日など
農作業小屋で
黙々と 縄をなっていた

見ていると簡単にできそうだ

おじさんは 笑って
Tくん あんたもしてみるね
と呼びかけてくれた

僕は ハイと答えて
おじさんが教えたように
縄をなった積りだったが
やはり全然ダメだった

ふとおじさんの手に眼をやると
おじさんの手は
大きくてゴツゴツしていた
さすがに毎日の農作業で
その手は 太くて逞しかった

僕は
とてもかなわないなあと思った

人生は さながら
あざなえる縄の如し
というけれど
今振り返れば
まさしく僕もそう思う

おじさんは
僕の家が貧しかった時
遊びに行けば お菓子をくれたり
テレビを見せてくれたりした

おじさんは
母が指の大怪我をした時
車で急いで病院まで運んでくれた

また おじさんは
僕が車の免許取得後
自分のトラックを
僕の練習のために
快く貸してくれた

今思えば
僕が逆の立場なら
恥ずかしながら そんなことは
中々できなかったと思う
おじさんには感謝しても
したりないくらいだ

今は亡きTおじさん 今まで
本当にありがとうございました！
心から感謝しています！

Ps2017.12.18 月曜 草稿
僕は 今でも Tおじさんの笑顔を 懐かしく想い出す その後 お互いの家で うれしいことや悲しいことなど いろんなことがあった

禁煙喫茶店

オープン時から知っている
繁華街にある喫茶店C

初めは 知られてなくて
しかも二階にあるので
通りを行く人たちは
素通りするばかりで
でも 安くてコーヒーが
カップに並々と注がれ
私ら夫婦は 気に入った

喫茶店Cが
駆け出しの頃は
メニューのレパートリーも少なく
毎日曜など訪ねるたびに
ほぼ同じような献立だった

だから
女将さんと思われる人が
よく通りに出て 健気に
お客さんを呼び込んでいた

それを見ていた僕たちは
初々しいマスターたちを
密かに応援してきた

それが 何年か過ぎるうちに
メニューが増え
味や盛り付けも洗練されてきて
お客さんも 増えてきて
最近は お昼過ぎには
お客さんを断るまでになってきた

ついこの前 二階に上がると
「禁煙」という文字が目に入った

私らは
できるだけ禁煙席を選んできたが
全席禁煙となると
却って 店のことを心配する
というのも
喫煙目的のお客さんが
ぐっと減ると危惧するからだ

ただ 世界の趨勢としては
禁煙に向かっているし
東京五輪に向けても禁煙が
提案されているから
今回の喫茶店C の決断は
時流に適っていると思う

私は
就職後から結婚直後まで
およそ十年近く
喫煙していたから
もしもまだ続けていたら
今の時勢はちょっと困るかも

Ps2017.12.14 草稿 タバコを吸わなくなって タバコの煙が気になるようになった またかつて居た職場は 敷地内は禁煙になったから 不自由しなくて助かった ただ絶煙後 十年くらいはタバコをうまそうに吸う夢を何度も見た

餅を食べる

冬になって
久しぶりの餅を食べた

地域の餅つき大会があり
そのお裾分けを
8個くらい貰った

餅はまだ柔らかくて
美味しそうだったので
カミさんが
さっそく頂こうかと話し
レンジであたためて食べた

餡ころ餅を
二人でいただいたが
お米と餡と
餅つきをした人たちの気持ちが
ミックスしていて
とても美味しかった

Ps2017.12.10 草稿
私は 若い時から
嚥下があまりよくないし
（40代頃 病院で調べてもらったことがある）
カミさんも還暦を過ぎたので
この頃は特に
カミさんが心配をして
お互いに餅を食べる時は
一人では食べないようにしている

12月8日は 買ってきたお餅で ぜんざいを 食べていた
それぞれに お餅はとても美味しかった！

二人の誕生日の祝い

二人の誕生日

今年は
二人の誕生日の前後に
いろんなことがあったから
誕生日のお祝いは
後日に
簡素におこなった

熊本震災後
2回目の誕生日祝い
引っ越し先での
2回目の誕生日祝い

今年は
二つのタルト
私は洋梨のタルトで
妻は葡萄のタルト

そして
長女からのプレゼントは
何と！江戸切子のペアグラス

ささやかだけど
今年は 被災後一年位で
屋根や壁の修復も済み
何とか平穏な秋を迎えられた

スリリングな想定のテレビドラマ
奥様は、取り扱い注意 は
綾瀬はるかと西島秀俊演じる
謎めいた夫婦の話が展開する

妻・菜美は 本当は
昔の自分を捨て
ごく普通の主婦に収まって
普通の幸せを掴みたかったのに‥

だけど 予期せぬ事件に
次々と巻き込まれ
昔の自分の血が騒ぎ
リアルなアクションを
起こしてしまい
夫・勇輝の心配と
疑惑を招いてしまう

というより
夫は初めから妻の正体を
知っているからこそ
彼女の本性が現れるのを
とても危惧していたのだろう

お互いの正体を知った今
これから二人は
どんな生き方を選ぶのだろう

と、私は思っていたが
とんでもない⁈結末を迎えたのだ

Ps 2017.12 奥様は、取り扱い注意 の最終回

真っ白なカレンダー

私はここ何年か
手帳兼カレンダーを愛用している

11月の半ば
手帳のカレンダーを見たら
12月の予定が真っ白だった

いつもは1月から
予定などが決まり次第
次々に記入していくのだが
今年の12月は マッサラだった

今年四月の無職状態から
8ヶ月を過ぎて
今年の予定は 通院がほとんどだ

そして 11月頃
カミさんが福岡に行くことや
長女と孫が来熊する予定などが
入ってきたが 交通手段や
日程などが中々決まらなかったのだ

最近 ようやく決まったから
そろそろカレンダーに書き込もう

Ps 2017.11.24 朝のこと
マイ手帳の12月のカレンダー
12.7 木曜 追記

ススキの穂が揺れるころ

河川敷のススキが
白い穂をゆらしはじめたのは
確か秋半ばの頃だったか

今朝は 此処では
とびきり早くに
初雪が降り
私たちは 朝から震え上がった

今日は昼過ぎに
冬日差しの中を
堤防を歩き 途中河川敷に入った

初冬の陽は
ぐっと南に寄り
夕方の陽は やがて地平線

そろそろ没せんと
今日最後の陽は 輝かんとし
初冬のそぞろ寒い風に
ススキの穂は 白く輝き
東に東に揺れる

私は
橋から橋の 散歩の途上
残りの半分を歩いて
妻と猫の子が待つ家に帰らん

Ps2017.12.5 火曜 草稿
12.6水曜 追記 今日も 最近暫定併用通行のR橋を渡った 橋上からの夕陽は 綺麗だった 橋を渡る人や自転車も 日毎に橋に馴染んできたようだ

猫草かな？

猫草かな？

散歩で公園に行くと
青く細長い草の葉が
地面から伸びて
秋の風にそよいでいる

でも どうやら猫草ではないようだ

去年の地震後から
黒猫を飼い出したから
猫草のことを知った

僕が大学生の頃も
タマという猫を飼っていたが
その頃は 猫草なんて知らなくて
でも 当時の猫は
しぜんに草の葉を食べて
その後 吐いたりしていた

何か悪い物を食べたので
それを 吐き出すために
草を食べるのかなと 思っていた

ところが 最近
子猫を買うことになって
スーパーの猫草を知り
本などで調べたら
毛繕いの毛玉を飲み込むと
体に良くないので
その毛玉を吐き出させるために
猫草を与えるのだそうだ

Ps2017.11.2 木曜 草稿
12.5追記
その後 ネットで下記のことを知った
なぜ猫は猫草を食べるのか？猫草の意味と５つの効果
猫画像どっと猫ブログ から引用

猫はイネ科の植物を好んで食べること、食感が好み・・・など、私たちでいうところのスイーツやコーヒなぜ猫は猫草を食べるのか？猫草の意味と５つの効果
■　嗜好品
■　胃の中の毛を吐き出す
■　ビタミン摂取
■　整腸作用
■　ストレス解消

庭仕事のカミさん

カミさんは
花や樹が好きで
よく庭仕事に精を出している

今日も お昼を食べると
さっそく庭仕事に取り掛かる

私は 草木の花が好きで
よくデジカメで写真を撮る
だけど 庭仕事はほとんどしない

何度かチャレンジしたが
カミさんの思いや流儀があって
偶にする私は
ヘマばかりやらかす

だから 我が家の庭は
専ら カミさんが世話をする

かつて 私は
職場の花壇や空き地で
草花を植え 毎日のように
丹精込めて世話をしていた

芽が出て 葉が出て
枝葉を広げて やがて
小さな実ができる

それらの実が
徐々に日毎に大きくなり
やがて収穫の時季を迎える

我が手で育てた草木の実りは
殊の外嬉しく愛おしい

最近 指の不調で
以前より酷使できない
カミさんの手だが
カミさんは 今日も
庭の手入れに余念がない

ps2017.12.4 月曜

つらいことは 夫婦で 半分こ

辛いことは
半分こ
うれしいことは
二人占め

これは
夫婦やカップルの取り決めだ

好対照の写真館夫婦がいる
カメラ撮影の分野は
フィルムからデジタルへ

出来上がる商品（写真）は
見た目はそんなに変わらないが
携わる仕事人は
アナログからデジタルへと
機材や材料が劇的に変わり
日々勉強とチャレンジに没頭する

寡黙な職人気質の夫と
夫の気持ちをくむ行動的な妻

抱き締めもしない夫
開放的に気持ちを表す妻
次々に訪れるお客さんに
技術は変わっても
お客さんとの関わりは
変わらずに対応して
お客さんはみな
いつの間にか心を開いている
笑顔を ナチュラルな笑顔を
引き出すほっこり夫婦

最近 私は
履歴書などのため
個室の無人スタジオを利用したが
時には こんなほっこりした
写真館で記念写真を
家族などで 撮って貰いたいものだ

辛いことは
半分こ
うれしいことは
二人占め

穏やかな仲睦まじい老夫婦にも
現在に行き着くまでは
辛いことや悔しいことなども
いっぱいあったことだろう

私らも例に漏れず
約４０年の結婚生活の中で
楽しかったことや
嬉しかったことが
一杯あったけれど
辛かったことや苦しかったこと
悔しかったことや悲しかったことも
たくさんあった

だけど
つらいことは 半分こ
うれしいことは 二人占め で
何とか 何度か 乗り切って来た

Ps2017.11.27 月曜 草稿
NHK TV プロフェッショナル
他にもいろんな夫婦の仕事を 紹介していた
12.3日曜 追記

初冬のキャンパス

あの人は あの時の私
この前 同窓会を開いた
卒業後 初めての同窓会

４０年ぶりに会う同窓会

懐かしくて
でも とても怖くて
だけど やっぱり
会って良かったと思う

今日 久し振りに
卒業した学校のキャンパスを
歩いて通った

もしかして 何かで
同窓生に画像を
見せるかもしれないので
秋のキャンパスを
デジカメで何枚か撮った

撮ってる中で
何人かの学生に出会った
今日は土曜日なので
用事のためキャンパスは
通り抜けるだけなのかも

向かって来る学生を見て
遠い昔の僕を見た

去ってゆく後ろ姿を見て
かつての彼女たちを見た

あのおじさんは
あの頃のゼミの教授か

初冬の陽に輝いている
銀杏の葉がキラキラと
初冬の微風に揺れている
モミジの紅葉がユラユラと

雲ひとつない初冬の空
私らが学んだ学舎を見上げ
その後過ぎ去った40数年を
僕は 懐かしくも
切ない気持ちでなぞっていた

Ps 2017.12.2 土曜 草稿