哲ノート

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さじ加減 -新宿・末廣亭八月下席-

2023-08-27 23:15:55 | 落語・浪曲・講談・演劇・芸能
8月の寄席は新宿末廣亭下席昼から・・・

日曜日の寄席とあって、開演後早い時間から満席に近い状況、普段の平日だと常連さんや落語ファンで客席は埋まりますが、休日はこれに観光客や見物客が入り込んで

演者のいつもの定番のネタやお約束のネタでも、わぁ~と盛り上がります。にぎやかで活気が出て、客席も演者もノリノリになって亭内の雰囲気が盛り上がります。

開口一番は「子ほめ」から「寄合酒」「鈴ヶ森」「一眼国」「真田小僧」「紀州」「強情灸」「鮑のし」(ひさびさ聴きました)小満ん師匠は新作「あちたりこちたり」(もちろん初聴です)

中入り後は「権助魚」「片棒」(歌る多師匠で女性版片棒)そしてトリは扇辰師匠で「さじ加減」(これも初聴です)

色物さんもいつもの紙切りで楽一さん、漫才はホンキートンク・ロケット団、太神楽があって、今日はウクレレ漫談のウクレレえいじさんが登壇(最近落語協会に入会したんだってね)

落語の合い間の色物さんですが、客席が盛り上がれば盛り上がるほど、ノリノリで存在感アップ。どの色物さんも勢いがあって寄席本来の楽しさが伝わってきます。

 

今日の寄席ではやはりトリの扇辰師匠の「さじ加減」

師匠はふだんなかなか聴くことがないコアな演目を持ち出して、時に重厚に、時に抑揚あるしゃべくりで、ウィットに富んだ話芸を演じてくれます。

「さじ加減」はもともと上方の講談から波及しての演目で、導入は廓話とおもいきや、勧善懲悪のストーリーから大岡裁きとなって、噺の合い間にウイットに富んだ逸話や、登場人物の微妙な描写、噺の間、声のメリハリ・・・

などなど織り交ぜて、噺に厚みを持たせつつ、テンポよく噺の展開も相まって「どうなる…どうなる…」と観客を噺の世界にひきずり込んでいきました。

大円団で終わった後のなんとも気持ちの良さ、充実した余韻はなかなかのもので、今年の(いまのところ)ベストの演目候補ですね。

ほかの演者・師匠方の熱演もあって、休日昼下がりの末廣亭の興行はとっても中身も濃くて、充実したものとなりました。


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