阿智神社は、環境省の調査で「星が最も輝いて見える場所」第1位に選ばれた長野県阿智村にある。この日泊まった昼神温泉「慶山」の近くだった
ので行ってみた。
鳥居を潜って境内に入るのが作法だが、この注連縄の高さでは腰を屈めないと通れない。何か差し障りがあるのかと潜るのを止めた。
阿智川の橋にの上に飾られていた「湯守り様」
江戸の中期、湯の瀬という浅瀬に、一頭の鹿がうずくまっていた。この鹿を見つけた三人が近づいてみると、鹿は足にけがをして動けず、そこに
湧き出している水で傷口を癒していた。その水に手を入れてみると、水は温かかく硫黄の臭いがした。三人は、神の思し召しにちがいないと鹿を助け、
さっそく「湯屋権現」の神として祀り、湯の瀬を大切に扱ったと伝えられている。この湯屋権現の話は、江戸時代にも温泉があったといわれていること
を示す。この湯屋権現が12月1日より3ヶ月間お湯に浸かって寛ぐので、この間、湯屋権現の代わりを務めるのがこの湯守り様。ホテルの玄関前にも
飾られていた。
湯屋権現神社は、阿智神社のすぐ北にある。
ところで、現在の昼神温泉の歴史は新しく、1973年、トンネル工事によって発見されたらしい。現在、この橋の架かっている阿智川の両側に約40軒
の温泉宿がある。
鎮座地である「昼神」の地名は「蒜噛」を好字に替えたもの。日本書紀に日本武尊が信濃の山中で白鹿となって現れた神に、蒜を投げつけ殺したため、
道に迷い難渋したが、白い犬に助けられ美濃に出たとある。
この後、山を越えるものは蒜を噛んで人や牛馬に塗ると神気にあたらなくなったとある。