7月14日(土)~16日(月・祝)の三連休に、大阪・鶴見緑地の咲くやこの花館で「富貴蘭(ふうきらん)展」が開かれていました。
富貴蘭は日本に自生するランの一種、フウランのこと。変わり葉や花が美しいため古くから栽培され、江戸時代中期に将軍や大名が愛好、以来「富貴蘭」と呼ばれるようになったそうです。
とくに花好きの十一代将軍徳川家斉(いえなり)は、このランが好きで、各大名に命じて珍しい品種を集めさせていたと言われます。
江戸城で開かれた観賞会では金や銀製の網を張り、息がかからぬように懐紙を口にあてて観賞したといいます。
「これは上様所蔵の珍品とか…」「ウム、見事なものでござるな」
武士が屈みこんで拝見する様子を想像すると… いやはや、ご大層なものだったのですね。
「富貴蘭展」では約150点の作品が展示されていました。専用の美しい鉢にミズゴケを高く盛り、丹精こめて栽培されているのがうかがえます。
入り口に展示されていた「桃煌」。
キヤノンKiss X4 EF-S60mm F2.8 Macro USM 絞り優先AE F2.8 1/30秒 ISO 200
富貴蘭はそもそも、花や香り、葉から根に至るまで全体を観賞するものだそうです。古典園芸の奥深さですね。
こちらはそうした趣味と知識がないので、どうしても花に目が行ってしまいます。
全体の姿はこちら。
「ウム、見事…」。
ソニーRX100 絞り優先AE F1.8 1/100秒 ISO 200
撮影カメラについて---
RX100は撮影最短距離が広角で5センチ、テレ端で55センチ。これぐらいの近さならOKですが、もっと寄りたいと思う被写体には向きません。
その点、Kiss X4など一眼レフのマクロレンズは思う通りに寄ることができます。その結果、ピントの合う範囲(被写界深度)は浅くなり、前後は大きくボケます。バラなどを接写で撮るのに向きますね。
富貴蘭はというと、バラとは違って、たくさんの小さな花々の集まりが魅力。それぞれの花に、ほどほどにピントがあっているほうがいいようです。そうすると一眼ではボケすぎるので、ピントの合う範囲が深い、(一般の)コンパクトデジタルカメラでもいいかも。
RX100はコンパクトデジタルカメラといっても、絞り開放でのボケが大きいので、その中間のような感じでしょうか。
きれいに撮ろうとするとなかなか難しい被写体。一眼レフで三脚を立てて、マニュアル絞りの効果を確かめながら撮るのがいいのでしょうが、たくさんお客さんが来る展示会場ではムリ。
RX100がもうすこし“寄れる”と良かったかも…
「春及殿」。
キヤノンKiss X4 EF-S60mm F2.8 Macro USM 絞り優先AE F5.6 1/30秒 露出補正 -2/3 ISO 400
「天恵覆輪」。
覆輪とは葉の外側に模様が入る品種。書とともに飾られていると、いかにも和風の趣があっていいですね。
ソニーRX100 絞り優先AE F3.5 1/40秒 ISO 200
「紅嚇殿」。紅をさした花。咲いている数も多くて目を引きました。
キヤノンKiss X4 EF-S60mm F2.8 Macro USM 絞り優先AE F5.6 1/60秒 露出補正 -2/3 ISO 400
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富貴蘭を見た後は、館内の温室へ。涼しい高山植物室でサギソウが咲いていました。
貴重な野生のラン科植物。今や自生地も稀になってきています。
ソニーRX100 絞り優先AE F5.0 1/50秒 露出補正 -0.7 ISO 200
さわやかに舞うような花の姿に、しばし暑さを忘れます。
ソニーRX100 絞り優先AE F2.0 1/250秒 露出補正 -0.7 ISO 200