急性の僧帽弁閉鎖不全症は緊急手術が必要になる場合があり。これは循環器診療に携わる医師であれば誰もが知っていることではありますが、では、どのような症例に対して実際に緊急手術が必要になるのでしょうか?施設によっては急性の僧帽弁閉鎖不全症は全例緊急手術が必要と教育している施設もあると聞いていますが、実際にはどのような判断で緊急手術が必要になるのでしょうか?
この緊急手術が必要な急性僧帽弁閉鎖不全症は、実際は急性心筋梗塞における乳頭筋断裂や乳頭筋不全症、それと感染性心内膜炎における僧帽弁破壊の症例の二つです。これらは刻々と病態が変化し、様子を見ている間に手遅れになる可能性を常に含む疾患であるため、迷ったらすぐに手術室へ運んだほうが良い症例です。
では、最も多い、腱索断裂による急性僧帽弁閉鎖不全症はどうかというと、ほとんどの症例は急性の僧帽弁閉鎖不全症であっても心筋、左室の代償機能が働いて慢性期にまで管理でき待期手術が可能です。急性の僧帽弁閉鎖不全症と判断する所以は、左室、左房が拡大していないことを理由に判断することが多いです。一時的に肺水腫に対して気管内挿管して呼吸管理を必要としたり、心不全に対してカテコラミンが必要になることもありますが、通常は人工呼吸器から離脱して、予定手術を組むことが9割以上の症例で可能です。
では、このType II =腱索断裂による逸脱性僧帽弁閉鎖不全症の緊急手術が必要な症例はどういう症例かというと、待期手術に持っていけない状態が持続する循環不全の症例です。たとえば、低血圧が持続してIABPやPCPSを挿入しないと循環が維持できず、さらに循環補助装置から離脱できない症例、末梢循環不全による代謝性アシドーシス、乳酸値の上昇が改善しない症例、人工呼吸器から離脱できない症例などです。
Type IIの逸脱性僧帽弁逆流の症例はできるだけ待期手術まで管理して、全身状態が改善した状態での手術のほうが成績が良いので、可能なら全身管理して安定した状態までもっていくのが最初の管理目標となります。
その意味で、前者二つの状況(乳頭筋断裂、感染性心内膜炎)なのか、腱索断裂による逆流なのかを最初の段階で分別しておくことは極めて重要です。
昨日の心臓血管外科カンファレンスで議題に上がった内容なので、まとめて記載してみました。こうしたハイレベルな議論が可能な横須賀心臓血管外科カンファレンス、有意義な時間と思います。
この緊急手術が必要な急性僧帽弁閉鎖不全症は、実際は急性心筋梗塞における乳頭筋断裂や乳頭筋不全症、それと感染性心内膜炎における僧帽弁破壊の症例の二つです。これらは刻々と病態が変化し、様子を見ている間に手遅れになる可能性を常に含む疾患であるため、迷ったらすぐに手術室へ運んだほうが良い症例です。
では、最も多い、腱索断裂による急性僧帽弁閉鎖不全症はどうかというと、ほとんどの症例は急性の僧帽弁閉鎖不全症であっても心筋、左室の代償機能が働いて慢性期にまで管理でき待期手術が可能です。急性の僧帽弁閉鎖不全症と判断する所以は、左室、左房が拡大していないことを理由に判断することが多いです。一時的に肺水腫に対して気管内挿管して呼吸管理を必要としたり、心不全に対してカテコラミンが必要になることもありますが、通常は人工呼吸器から離脱して、予定手術を組むことが9割以上の症例で可能です。
では、このType II =腱索断裂による逸脱性僧帽弁閉鎖不全症の緊急手術が必要な症例はどういう症例かというと、待期手術に持っていけない状態が持続する循環不全の症例です。たとえば、低血圧が持続してIABPやPCPSを挿入しないと循環が維持できず、さらに循環補助装置から離脱できない症例、末梢循環不全による代謝性アシドーシス、乳酸値の上昇が改善しない症例、人工呼吸器から離脱できない症例などです。
Type IIの逸脱性僧帽弁逆流の症例はできるだけ待期手術まで管理して、全身状態が改善した状態での手術のほうが成績が良いので、可能なら全身管理して安定した状態までもっていくのが最初の管理目標となります。
その意味で、前者二つの状況(乳頭筋断裂、感染性心内膜炎)なのか、腱索断裂による逆流なのかを最初の段階で分別しておくことは極めて重要です。
昨日の心臓血管外科カンファレンスで議題に上がった内容なので、まとめて記載してみました。こうしたハイレベルな議論が可能な横須賀心臓血管外科カンファレンス、有意義な時間と思います。