横須賀総合医療センター心臓血管外科

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女性の冷え性のメカニズム:新説!

2022-02-17 23:05:51 | 心臓病の治療
 女性の多くは冷え性と言われています。冷え性について検索すると、代謝が低く熱を産生できない、ホルモンバランスが乱れている、ストレスなどが原因、メカニズムと記載されているものを多く見ます。たしかにそうかもしれません。
 しかし、あまり記載されていないのは、冷え性=手足の末梢や皮膚が冷たくなって、非常に冷たく感じる現象の根源は自律神経の調節の段階で、末梢性の交感神経の緊張が持続し毛細血管が収縮している状態が続くことです。冷え性対策としていろいろなサプリメント、漢方薬など市販されていますが、この末梢性交感神経の緊張による末梢血管の収縮を制御できないことには解決は無理です。いろいろ対策をしても冷え性が決して治らないのはこのためです。この末梢性交感神経をブロックすると末梢の皮膚はポッカポカになります。逆に手足がほてってしまい眠れなくなるほどです。下肢の血流障害で血行再建できない症例に対してこうした交感神経ブロックを行うことがありますが、この場合も末梢血流が増加してポッカポカです。
 女性が冷え性になりやすいのは、自説ですが、これは体に熱を放散させないための防御機構であり、深部体温を維持しています。この深部体温の維持こそが女性が男性よりも長生きであることの理由と考えます。男性よりも女性は皮下脂肪がつきやすいのも、エネルギーを蓄える能力が高いことを示しており、エネルギーを蓄えることで子供を体内に宿し育てることが出来るのだと思います。まだ証明はできていませんが、冷え性の女性ほど長生きなのではないでしょうか。冷え性に困っている患者さんには、冷え性の人は長生きする、という自説を説明し冷え性を悲観しないようにお伝えしています。
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