『 虚空のスキャット 』
The Great Gig In The Sky
ピンク・フロイド のアルバム「狂気」
に収録されている曲です。
曲の作者は、キーボードのリチャード・ライト
この曲の歌詞は、
♪ ・・あー あー あー ああー あーあーあー
あー あー あー あー あー あー ・・・♪
意味不明だが、意味のないところに 意味がある。
前奏のあと
女性ボーカルが圧倒的な歌唱力と、
独特の節回しで 「 あーあー 」 と歌い出す。
ヴォーカル女性の名前は
クレア・トリー(Clare Torry)
彼女の、「 ♪ あー あー あー 」 は、タダの 「 あー 」
ではない。
身震いする程の「 あー 」である。
まるで、魂の叫びのようだ。
「 あ 」の音霊 ( 音に宿る霊 )が伝わって来る。
何度も発する 「 あー 」のなかで、
数回 「あー」に コブシ が入るヶ所がある。
( これをコブシと呼んでいいのか分かりませんが・・・ )
その時、クレア・トリーは下顎を小刻みに振動させている。
恐るべき高等テクニックだ。
下顎の振動を音の揺らぎに変えている。
彼女の下顎が小刻みな振動を発した瞬間、
私は、頭のてっぺんからジーンと来て、
耳の穴から炎が出ているような感覚に襲われる。
もし、彼女が私の目の前に現われて、私のために 「♪ あー あー 」
を奏でてくれたら、
そのとき、私は失神してしまうだろう。