グッドぐんま 2

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ヤリタナゴ観察会2010 (藤岡市)

2010年05月22日 22時00分38秒 | 
ヤリタナゴは群馬県内に生息する唯一の在来タナゴ類。しかも、生息地は藤岡市の一部に限られています。
今日、ヤリタナゴの生息地で観察会が開催されました。(主催:ヤリタナゴを守る会、ヤリタナゴ調査会、やりたなごの会

ヤリタナゴ


今日の観察会には親子連れなど150人以上が集まりました。

毎年、回を重ねる毎に集まる人数が増えています。

開会式の後、水産試験場職員によるヤリタナゴの採卵実演


ヤリタナゴの卵

真ん丸ではなく、米粒のような形をしています。大きさは約3㎜ほど。

水産試験場では藤岡のヤリタナゴをこのように人工授精によって増殖していますが、タナゴ類は本来、淡水二枚貝の中に卵を産み付けます。
ヤリタナゴの産卵母貝は、マツカサガイです。

マツカサガイ


マツカサガイの外套腔(鰓のある部分)に産み付けられたマツカサガイの卵(液漬け標本)


滅多に見ることのできないヤリタナゴの卵を観察したあとは、ヤリタナゴの棲む用水路で魚採り。
ヤリタナゴやマツカサガイは、藤岡市の天然記念物に指定されていますので、捕ることはできませんが、今日は特別の許可をとり、市の担当官も立ち会いのうえで、実際にヤリタナゴを捕まえて観察できる貴重な機会です。




群馬県内の他の場所では在来タナゴ類は皆滅びてしまったのに、なぜ藤岡市のこの場所ではヤリタナゴが生き残ることができたのでしょうか?
先程も書きましたが、ヤリタナゴの繁殖には産卵母貝であるマツカサガイが必須。そして、ヤリタナゴよりもマツカサガイの方がシビアな生息環境を要求します。
ここにはマツカサガイの生息に適した昔ながらの土水路があり、水質も比較的良好に保たれていたのでヤリタナゴが生き続けることができたのです。

1時間ほど魚を捕りをした後は、捕れた生き物を持ち寄って水槽に入れて観察。


きれいな婚姻色の出たヤリタナゴ


ヨシノボリ


ドジョウ


サナエトンボの仲間のヤゴ

ダビドサナエか?

コオニヤンマのヤゴ

名前にはヤンマとついていますが、ヤンマの仲間ではなく、サナエトンボの仲間です。

アメリがザリガニ

ここにはいて欲しくない生き物です。

この他には、コイ、タモロコ、オイカワ、ジュジュカケハゼ、ハグロトンボのヤゴ、カワニナ、シジミ(おそらくタイワンシジミ)、トウキョウダルマガエル、アマガエルなどが見つかりました。


上毛新聞5月23日付け記事 ヤリタナゴを守ろう