グッドぐんま 2

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スダジイの花

2010年05月28日 23時16分40秒 | 自然観察
職場にあるスダジイ


よく目にするコナラのどんぐりはアクが強くて、人が食べるには渋抜きが必要ですが、スダジイのどんぐりは、そのままでも食べられ、けっこう美味しいんです。

雄花が満開


雄花序に混じって雌花序も写っていますが、分かりますでしょうか?

葉の落ちた枝先のように見えるのが雌花序です。

どんぐりが熟すのは、翌年の秋です。

ところで、どんぐりは年によって豊凶を繰り返しています。どんぐりがたくさん成る農作の年と、ほとんどならない凶作の年があるのです。この原因は近接的には気象条件などが関係していますが、究極的にはブナ科樹木の繁殖戦略と捉えることができます。

どんぐりはカロリーや栄養価が高く、動物や昆虫にとっては重要な餌資源です。
どんぐりが凶作の年には山にある餌が不足し、餌を求めて人里に出没するクマが増えることが分かっています。

毎年、同じ量のどんぐりが生産されていれば、それを餌としている動物はその地域のどんぐりの量とつりあう個体数で安定するでしょう。
ところが、現実にはどんぐりに豊凶があり、凶作の年には餌不足で死ぬものがでて、個体数は減少します。そして豊作の年には動物が食べ残すどんぐり(種子)が増える、すなわちブナ科樹木の繁殖に有利になります。
ブナ科樹木は時々どんぐりを実らさないことによって、どんぐりを主要な餌としている動物の個体数をコントロールしてるのです。