11月11日、小雨の降る中、建築士会女性部による鶴岡市の文化会館の見学会が行われた。
大きすぎて全景が撮れない。致道館の敷地に入るか、道路を挟んで鶴岡市役所からだったら撮せると思う。
市役所側エントランスから中に入る。女性部の見学会で過去最大の見学者数が待っていた。
妹島和世建築設計事務所から、この作品に関わったスタッフのIさんが、説明を引き受けてくれた。
天井は、鶴岡産材の杉のルーバーが綺麗だった。
メインの階段。奥にエレベータが見える。
エントランスホールから、練習室を見る。
階段の奥には事務室が見える。
大きさの違う練習室が2つ並んでいる。
事務室前の廊下。右側がホール本体。
廊下からエントランスホールを見る。
会議室。
面積が広い床は、コンクリートスラブの上にモルタル磨き。雪や水がかかっても滑らないとは言う。目地切りの上手い所と、まずい処理の所があった。
避難用の階段か、もしくはバックヤード用の階段と思われる。波形のメッシュは透過性のあるゲート。
ウサギを連想させる椅子。
可動式のドア着き壁。厚さは120mmで内部には断熱材がぎっしり。
楽屋とアーティストラウンジ。
こちらも楽屋が続く。
ラウンジ。この椅子テーブルは妹島事務所から運んだのだそうだ。外部にも線の細い椅子テーブルが並んでいる。
ラウンジに設置されたシンク着きカウンター。
楽屋は、広さも仕様も様々な部屋がある。この文化会館は単に演奏者と観客だけが使うのではなく、市民や学生達が演奏者でもあり観客にもなると言う多様な使用方法を用いるので、通常は楽屋方面をシャッタアウトにする所をオープンにしていると言う。開かれた施設である。
ここは部隊のバックヤードに続くスペース。対面に見えるドアは、外部からの搬入室である。そこはトラックから荷物を搬入する為に床に段差が着いているが、荷物を含めこのホールから舞台の裏には、同じ平面(高さ)で床が続く。客席だけ高低差があると言う、使う人達にとっては有り難い計画になっている。
右が楽屋と左が舞台入り口。
楽屋案内所。まるでチケット売り場のような造りである。
ここにも、観客と演者を分ける可動式の間仕切り(ドア付き)が設置されている。上部は排煙用の垂れ壁があり、苦労の跡が偲ばれる。
大ホールの壁は、垂直の所がない。ゆるいカーブが上下左右に付いていて、通常なら施工で3D型枠を使用するのだが、普通の3’x6’の型枠パネルを用いて、このカーブが出来るようにと現場で何度も打合せをした。携わった施工者は、どんどん要領を覚え、後の方では自発的に意見を管理者に言えるようになったそうだ。
鶴岡アートフォーラム側エントランスからみたホール。RC造の壁が面白い。
大ホールに入る。前列4段はオーケストラボックスにも出来るスペースで、床が上下動する。椅子は人力で移動させる。
緞帳を上げ下げして貰った。驚く程の高速で音も静かに降りてくる。この上下する緞帳の外に、左右に引く緞帳もあるのだとか。
舞台の緞帳は、日本画家千住博氏の作品を、オリエンタルカーペットが制作したもの。大きすぎて最後の仕上げの毛の刈り込みが社内で出来なかった為に、山辺町の体育館を借りたとするニュースがあった。オリエンタルカーペットは宮内庁にも絨毯を納めている由緒ある山形県の会社。
舞台の上に載る。最近の照明はLEDを使用した。これからの照明器はLEDでないと取り替えが出来ないと言う。色は赤紫、青、緑、白と、刻々と変わって来る。
舞台から客席を見ると、客席が左右対称にはなっていない。木材を多く使い「羽衣」をイメージしたそうだ。
上部の照明や幕。
座席は木製で、鶴岡らしく鶴の模様を織り込んだ布を使用していた。
2階や3階に行くのに、迷路のような通路を歩き、階段を上下する。とても面白い平面計画だが、避難する時には非常口を探すのに苦労する。
壁は、極端な反射坂ではなく、仕上げ材は平らだが、張り方に微妙な凹凸を着けている。通路は比較的狭い。足下灯はあっさりしてた。
小ホールに集まり、妹島事務所から説明を受ける。
小ホールから、エントランスホールへと戻る。
こちら側が、アートフォーラム側入り口。左のドアが小ホールの入り口である。
外部を回る。
南側
晩秋
千住博氏の墨流しの緞帳、先日、デパートで見た絵は2000万円!思わず0を数えてしまいました。
公共の建築物でこんなに素晴らしい物ができるのですね。
残念ながら、音響効果は確かめることはできませんでしたが、面白い造りだと思います。
千住さんの絵をデザインした緞帳は良かったですよ。あまり近くで写真を撮したので、全体が撮れませんでした。