父祖のお墓詣りに行った。
十楽寺の道標を見、そこへお詣り。
阿波町は夫の実家があった場所の川向かいでありながら、この札所へお詣りをした記憶が無かった。納経帳も白いページだ。
竜宮城を思わせる朱色の山門が。
その横に大きなホテルを思わせる建物がある。 十楽寺の宿坊だ。全室は120。個室で冷暖房、バストイレ付だそうな。疲れたお遍路さんには、一時のやすらぎの場所だと思う。
竜宮城のような鐘楼門を潜る。
左側の石段を数段上ると遍照殿の額がかけられた中門がありその上層は愛染堂となっている。
中門の向かいに手水鉢が。
大きな自然石の手水鉢は見ようのよれば瀧のようにも見える立派な巌だ。
本堂の横に、治眼疾目救歳地蔵の小堂があって、その先の石段を上ると大師堂がある。
治目疾目救歳地蔵には、念を入れて?お参りをする。 夫のお参りは私よりも熱心であった。 眼病に効くと言うお守りも求めた。 (その前の日は図らずも、目の診察で病院へ行ったばっかり。検査の結果は小康状態。ステロイドの目薬をまだ続けなくてはならぬと、診察を受けたばかりだった。 困った時の神頼み。。。)
眼のお地蔵さまが十楽寺に有るとは知らずに今日の参拝。
本堂の向かいのあたりに十三不動明王像がある。
立派な不動明王さまだ。こんな大きな不動明王さまに睨まれると身体も心も、ちぢまってしまう。心底、正直で心優しい人間を目指さなくてはと手を合わす。
お遍路さんの手作りか??
少し変わった物が木の枝にぶら下がっていた。
小さな傘、は遍路傘に見立てているのか?傘にが遍路笠に書かれていると同じ文言が書いてある。 他の遍路寺へも訪れるが、これは初めて見た。
隣には、お御籤を結ぶコーナーもある。
夫がお遍路さんとお話しをしていた。
後で聞くと、このお遍路さんは 福島からの方だと。
津波にあって、想い出したくない恐い出来事だった。やっと整理が終わり、ご近所の人達とお四国詣りにやってきました。
お話しを聞いてもらい、吐き出したいことがありますが、皆さんと一緒に時間に追われた旅をしていますから、、、、と、お別れをしたそうだ。
こちらからは何もお聞きは出来なかったと、、夫。
福島は未だ何も終わっていない。解決をしていないとご婦人の哀しい声。
「行って来ます」
「お気をつけて」
そんな会話を交わしながら、少しでも遍路行の間に気の晴れることをと、願った。
🍏 おもひおもひ床几に憩ふ遍路かな
🍏 杖に顎のせ息荒き遍路かな