酔芙蓉を見に行く。
誰が名付けたか粋の名前だと思う。
結願時へあと一里くらいの街道筋に咲いている。
少し遅かったのか散りかけ萎んだ花が多い。
☆ 酔芙蓉記憶どうりの山の辺に
狭い二車線道路に沿うて24~5メートル咲いている。
車を降りて写真を撮る。連れ合いの車は、ここに止めておけぬから、ずーと先で待っている。
☆ 酔芙蓉悪年よりにはなるまいぞ
天気予報どおりに雨粒が落ちてくる。
たいした降りにはなりそうでない。安心する。
☆ 酔芙蓉雨の気配のしてきたる
自転車に荷物を積んだお遍路が遠ざかる。
健脚らしく坂道をすいすいと登ってゆく。
太い太股。日焼けをしている。
何日かけて八十八ケ所をまわるのだろう。そんな、いつもの事を思いながら見送った。
☆ 芙蓉咲く刃物研師が来る頃ぞ
☆ 酔芙蓉駄句が名句になればなあ
☆ 蕎麦の畑けぶりてをりぬ山の雨
☆ 萩月の火の見櫓と天文台
一人で吟行。
今日は作れずとも、ふっと記憶に残っていて句が生まれることが多々ある。